第五話「一からやり直す関係」
現代からそう遠くない未来、日本は様々な改革を経て混沌の時代となっていた。
子供は親を失い、孤児となり1人で暮らす。そんな荒れた都会の郊外で、暮らすある1人の少年にまた新たな…
めっちゃ喋る愉快な脅威がやってくる…!?
ゆうり「オラオラオラァ!」
すくろんとれいもんの面談中に家に上がり込んだゆうり。家の中へとズカズカ進んでいき、すくろんに向かっていく。
たし「ゆうりぃ〜やめようよ〜SGの人いるらしいよぉ〜?」
あおい「ったく…なんでこう言う時だけ仕事しないかなあのクソねこ!」
ゆうりはそのまますくろんに掴みかかろうとした。が、
れいもん「やめてゆうりくん!」
れいもんはゆうりの前に立ちはだかった。
ゆうり「あんたは…児相の…いいからどけ!そいつに用があるんだ。」
あおい「用って…またいじめるの?そうして自分を満足させるの?」
ゆうり「うっせぇな部外者。メスガキは犬小屋でキャンキャン吠えてろ。」
すくろん「…みんな」
すくろんが喋った途端、部屋が静まり返る。
すくろん「…大丈夫。話してみる。」
あおい「すくろん…!」
れいもん「本当に大丈夫?」
すくろんはそれにゆっくりと頷いた。
ゆうり「よし、こい。」
すくろんはゆうりに連れられ外へと出た。
すくろん「いっておくけど僕は前から変わったんだ。もう前のように一方的にはやられないぞ。」
ゆうり「そうかよ。ま、別にコレから話すことで全て解決するさ。」
たし「ゆうり…」
ゆうり「すくろん、お前。」
すくろん「…」
ゆうり「うちの学校、辞めろ。」
すくろん「…な…。」
ゆうりの顔は至って真面目だった。
たし「そ、そうだそうだー!」
ゆうり「お前、前からずぅーっと思ってたんだよ。邪魔だって。俺だけじゃねぇみんなも思ってる。」
すくろん「…」
ゆうり「お前のこと好きなのはパンダくらいだ。これは嘘じゃねぇ。人権ねぇくせに命令逆らって意味わかんねぇショーだか変なことに時間使うチー牛オタクのお前がキモかったんだよ。」
すくろん「だから…やめろってかよ。俺はその君たちからの命令が嫌で、居場所がなくてそうしたんだ…。」
ゆうり「うるせぇ。居場所がないなら尚更だ。学校いる意味ねぇだろ。とにかくやめろ。」
すくろん「…」
ゆうり「…わかったかぁ!!!」
ゆうりはすくろんに向かって拳を振り下ろす!
すくろん「っ…!」
すくろんはそれを片手でうけとめる。
ゆうり「っく…」
すくろん「…そういうのはこれから決めるよ…けど今、忙しいんだ。だから…邪魔すんなよ…!」
すくろんはゆうりの腕を離した。
ゆうり「ふん。」
ゆうりは背を向けて去って行った。
そして、すくろんも家の中へと戻って行った。
あおい「すくろん大丈夫?」
すくろん「うん。けど…やっぱ仲良くなれる気はしないや。」
れいもん「けど、話してみようとしたのは偉いよすくろん君。」
すくろん「…俺、学校やめろって言われちゃいました。」
れいもん「え?」
すくろん「俺はみんなから嫌われてるから、気に入らないからって。」
れいもん「そんなことないよ…学校戻ればみんな暖かく…」
すくろん「わかってるんです。前まで通ってた時から、ずっとみんな優しかった。あの2人を除いて。だからこそ、その言葉を聞くと不安になるんです。それがそそのかすための戯言だってわかってても。」
れいもん「…」
あおい「…」
れいもん「…わたしももっと話してみるよ。」
すくろん「…え?」
れいもん「それじゃあ今日は以上だから。しっかり休んで。」
すくろん「あ、はい…。」
そう言うと、れいもんもすくろん宅を離れていった。
あおい「心配することないよ。きっと君は人並みの幸せを手に入れられる。」
すくろん「…うん。」
あおいはそういうと肩をポンと叩いた。
はるりんご「あ〜やっと終わった〜?すくろんの体中、すくろんが痩せてるせいで狭いのよぉ…」
あおい「あんたは心配事、自分の命くらいしか無さそうね…。」
しばらく経って、れいもんはゆうりの家の付近に来ていた。
れいもん「ゆうり…もう帰ったかな?ゆうりくんの家はっと…」
れいもんはゆうりの家のチャイムを鳴らす。すると即ゆうりが出てくる。
れいもん「うわ、はや。」
ゆうり「んだよ、まだ面談の順番じゃないだろ。」
れいもん「うん。そうだけど…それでも話したくて…」
ゆうり「…あがれや。」
れいもんとゆうりは家に上がると、早速話し出す。
れいもん「…ねぇ…もっとすくろんに優しく出来ないかな?」
ゆうり「いやだね。」
れいもん「…なんで…嫌なの?」
ゆうり「だってよ。」
ゆうりはれいもんの目を見ていった。
ゆうり「こんな可愛いねーさんから目かけられてんのに、気づかず、ずりぃんだもん!!!」
れいもん「…ごめん。もっかいいい?」
ゆうり「こんな可愛いねーさんから目かけられてんのに、気づかず、ずりぃんだもん!!!」
れいもん「そ、そっか…」
れいもんはそうだったのかというかんじでゆうりを見つめる。
ゆうり「それだけじゃねぇ。俺より才能あって…モテるくせに認めようとしない。インキャのあいつが嫌いなんだよ。」
れいもん「…それでも仲良くしてほしい。」
ゆうり「…」
れいもん「仲良くしなくてもいい、ただ、いじめはやめてほしんだ。」
ゆうり「…」
れいもん「…それと…わたし別にすくろん君にそう言う感情持ってないよ…?」
ゆうり「え?そうだったの?え、じゃあなんですくろんにたくさん目をかけ…」
れいもん「それはゆうりくんがすくろんくんをいじめるから。」
ゆうり「そうか…そうだったのか!なるほど!!!」
れいもん(…おバカさん…?)
れいもんはふと思ったかのようにゆうりの家を見回した。
れいもん「…お部屋汚ないよ。掃除しないと…。」
ゆうり「体休ませる時にしか来ないから良いんだよ。」
れいもん「換気換気っと…」
れいもんはカーテンを開け、部屋の窓を開けた。すると外の庭が見えた。
れいもん「…あれ?あれは…」
れいもんは恐る恐るそれに近づく。
ゆうり「バグか。危ないから離れてろ。」
ゆうり宅にはそこそこ大きいバグが生成されてた。
ゆうり(前すくカスにイタズラするために残しておいたバグ、消し忘れてた。)
ゆうりはバグの亀裂を消すスプレーを吹きかけた。それで亀裂が消える。
…はずだった。
一方すくろん宅の外にて。
あおい「なんでゆうりのこと止めなかったのよ…!」
ぽちねこ「しかたねぇだろ、友達っていってたし、良いかなぁって!」
あおい「全く、なんのための監視よ。」
あおいはそう言い残すと、家の中に引き返そうとした。が、その様子を見つめるものがいた。
すくろん「えっと…あお…」
あおい「…あ…あ〜この人は同じく第一部隊のぽちねこ。ちょっと仕事のことで話があってね。」
すくろん「そうなんだ。」
ぽちねこ「や、やぁ…。」
プルルルル
すると、突然ぽちねこの携帯が鳴る。
ぽちねこ「あ、ちょっとごめん。」
あおい「ん」
ぽちねこは電話に出る。そしてすぐにその表情は曇る。
ぽちねこ「わかりました。あおいと行きます。」
あおい「ヴァーグ発生?」
ぽちねこ「あぁ。前から俺が気にしてた場所なんだけど、そこの住人が亀裂のとこまで行かせてくれなくて…自分でやるって言ってたんだけど…やっぱりこんなことに。早く行こう!」
あおい「えぇ。すくろん!」
すくろん「うん。」
すくろんとあおいは準備すべく一旦自宅に戻ろうとした。
ぽちねこ「お先に…と言いたいとこだけど…すくろん君、君は来ちゃダメだ。違反になる。」
すくろん「あ…」
あおい「じゃあ誰が見張るのよ!すくろんも連れてく。戦わせはしないから!」
ぽちねこ「…絶対だぞ!場所は送っとく!」
ぽちねこはそう言うと、現場へと向かった。
ゆうり「くそっ!くそっ!」
ゆうりとれいもんは部屋に鍵をかけて隠れていた。部屋の外では、亀裂から発生したヴァーグが暴れている。時々ヴァーグが暴れて、家全体が揺れる。
れいもん「きゃあっ!?」
ゆうり「はやくどっか行ってくれ…頼む…!」
ゆうりはそう願ったものの、その願いは無慈悲にもすぐに破られ、部屋の天井が吹っ飛ぶ!
れいもん「きゃあぁぁぁっ!」
ゆうり「くそ…バカか俺は…なんでこんな化け物が生まれるような物を…!」
ヴァーグの手がこちらに伸びていく…!
ぽちねこ「させるか!」
そこにぽちねこが駆けつける。
キャットスマッシュ
ぽちねこのグリッチは『猫』。猫の身体の能力を人間に等身大に適応した身体強化や、猫系の攻撃技を放てる。
そして、強力な猫パンチでヴァーグを後ずさりさせる!
ぽちねこ「大丈夫かい…って今日家に来た2人じゃないか!?」
ゆうり「う、うっせ!俺らは良いからその怪物どうにかしてくれよ!」
ぽちねこ「言われなくても!」
ぽちねこは地面を蹴る
キャットスラッシュ
猫の鋭い爪で斬りかかる!
ヴァーグは少し怯んだように見えた。
ぽちねこ「ったく、最近のヴァーグ揃いも揃って硬くないか…」
ぽちねこがそう愚痴を吐くと空中からジェット音が聞こえる。
あおい「大丈夫かー!」
すくろん「ここって…ゆうりの家じゃ…」
すくろんはあおいに運んでもらって、近くの道路に降ろされた。
ぽちねこ「さっさとやり切ろう!」
あおい「はいよ!すくろんはここで待機ね!」
すくろん「はぁ…はいはい。」
あおいはヴァーグに向かって飛び上がり、光弾を何発も打ち込む。
すくろん(ここらの家はヴァーグのせいで倒壊してるけど、人はいない…いや…あそこ…)
すくろんは目の前の瓦礫に目をやる。そこには2人の男女がいた。
すくろん「ゆうり、れいもん!なんで逃げてないんだよ…」
すくろんはなるべく近くに駆け寄るも、炎の壁が邪魔をしそこまで行くことはできなかった。
れいもん「あ、すくろんくん!た、大変なの…!」
すくろん「どうした!早く逃げて!」
れいもん「ゆうりくんが!さっき落ちてきた瓦礫に足を打って…動けないの!」
ゆうり「大丈夫だってば!れいもんは逃げろっての!」
すくろん「とにかく今はゆうりの言う通りだ!れいもんだけでも逃げて!」
れいもんは一瞬迷ったもののもう決めたんだと言い聞かせるように表情を固めた。
れいもん「私は…すくろん君の担当でもあるけど、ゆうり君の担当でもあるんだ!その子を見捨てたりはしない!」
ゆうり「れいもん…」
すくろん「っく…」
すくろんはあおいたちの方を見る。
ぽちねこ「まじで硬くないかこいつ!」
あおい「最近のバグ、やっぱ何かがおかしい!動き自体は大したことないのに…!」
あおい達はヴァーグとの戦闘で手一杯なようだった。
すくろん(おいおい…俺…これをただ見るだけなのかよ…そんなの…いやだよ…)
すくろんは足を一歩踏み出そうとした。が…
すくろん「…だめだ…あの猫の人がいると…あおいに迷惑かけちゃう…!」
すくろんはその一歩を踏み出せなかった。
はるりんご「まったく…せっかく手伝ってあげようと思ったのに…行かないの?」
すくろん「…え?」
一方のれいもんはゆうりを連れて脱出するために策を練っていた。
れいもん「ゆうりくん、片足は行けるよね。私の肩に捕まって…!」
ゆうり「くっ…」
ゆうりはれいもんの肩に捕まろうとした。
ゆうり「!瓦礫くるぞ!離れろ!」
れいもん「え…」
先ほどから不安定だった瓦礫が落っこちてくる!
はるりんご「すくろん、鉄砲!」
すくろん「あぁもうっ…!」
♦️ショットインパクト
手を指鉄砲のように構え、砲身の指に力を込め、放つ!
それは瓦礫に的中!破壊とまでは行かなかったものの、弾くことに成功し、ゆうり達には当たらなかった。
すくろん(よし!…ヴァーグに当ててないからセーフでいいよな!うん!)
すくろんは炎を避けながら、倒壊した建物の奥へと進んで行く。
すくろん(救助活動ならボランティアでやる人もいるし流石に良いだろ!うん!)
れいもん「すくろん君…!」
すくろんはゆうりの元へ走る…!
が、丁度行き先に後退りしたヴァーグの足が目の前に立ちはだかる!
すくろん「くっ…吹っ飛ばせるか…」
ぽちねこ「いや君!だめだ!もどれ!」
あおい「すくろん!」
♦️ウェーブインパクト
衝撃波を発生させ、ヴァーグの足を退ける!
あおい「…ばか…!」
すくろん「れいもんさん!ゆうり!」
すくろんはついにゆうり達の元に駆けつける。
すくろん「ゆうりは俺が背負うから!」
れいもん「う、うん。」
ゆうりは不服そうにもすくろんに背負われる。
ゆうり「!危ねぇぞ!」
すくろん「!」
すくろんは急いで振り返る。ヴァーグの手がこちらに迫る。
♦️グリッチインパクト
ヴァーグの手を弾き返す…どころか消滅させ、難を逃れる。
すくろん「ゆうり…」
ゆうり「お前に背負われてるからお前が死んだら俺も死ぬだろうが」
れいもん「急ごう!」
すくろん達は炎の壁を避けながら逃げる。
あおい(あっちの方が人が多いから、ヴァーグはあっちに集中してる…やばい!)
ヴァーグは残ったもう一つの方の腕をすくろん達に伸ばす。
すくろん「あともうちょい!がんばれれいもん!」
れいもん「ぜぇ、ぜぇ…!」
が、ヴァーグの方が早い!
すくろん(さっきので技打つ体力だいぶ使っちまった…)
れいもん「やばいっ…」
すくろん「荒っぽくなるけど、ごめん2人とも!」
すくろんはそう言うと、れいもんの背中を押し出し、ゆうりを前方に投げ捨てる!
ゆうり「のわぁぁぁっ!?」
ゆうりとれいもんはギリギリのとこでヴァーグの腕を避けることに成功する!
すくろん「うぐっ…!」
一方のすくろんはヴァーグの腕に押しつぶされる。
ゆうり「すくろん!」
あおい「させるかぁぁぁ!」
ぽちねこ「しつケェんだよ!」
2人はヴァーグに向かって高速で技を放つ!
✈️ジェットストライク!
キャットハンティング!
2人の必殺技が決まると流石に耐えられず、ヴァーグの体は形状崩壊した。するとすくろんの上に乗っかっていたヴァーグの腕も塵となって消えた。
すくろん「ふぅ…。」
はるりんご(…また怪我してんだけどこの人…まぁ軽傷の打撲だしなんてことはないか…。って…ん?…お…?)
あおい「亀裂は…。」
亀裂は無事に閉じ、跡形もなく消えた。
ぽちねこ「あおい、消火よろ。」
あおい「…うん。だけど…。」
ぽちねこ「はぁ…手は出さないから安心しろ。」
するとあおいは水を汲むため、近くの川へと飛んでいった…。
ぽちねこ「さてと…。」
するとぽちねこは少し離れた位置にいるすくろん達を見つめた。
れいもん「家…」
すくろん「バグによる被害の場合はSGから手当て出ると思うからだいじょうb…」
ゆうり「多分でねぇよ。」
すくろん「え?」
ゆうりの言葉にその場が静かになる。
ゆうり「あの亀裂…俺がわざと残しておいたんだ。お前をいじめるために。」
すくろん「な…。」
れいもん「ゆうりくん…。」
ゆうり「けど俺はめげねぇぞ。なにしろ、ゆうり様だからな。」
すくろん「…そう。」
すくろんはそう言うと、ぽちねこの元へ向かおうとした。
ゆうり「おい。」
すくろん「…?」
ゆうりからかけられた声で、そちらに振り返る。
ゆうり「お前…好きなやついるか。」
すくろん「…え?」
すくろんは呆気に取られながらも応える。
すくろん「今は…いないや。そんなこと考える余裕もないし。」
ゆうり「夏の修学旅行までに考えときな。お前が吐くまで寝かせねぇからよ。もし、れいもんとか言ったら承知しねぇぞ。」
すくろんは一瞬目を見開くも、ため息をつく。
すくろん「ゆうり。俺はお前を許せてないし、許す気もない。そんなアニメの主人公ほど優しい性格じゃないから。」
れいもん「…すくろん君…」
すくろん「だからこっからは0だ。」
ゆうり「?」
すくろん「一からやり直すんだ。それしか、俺にはお前との共存の道ないと思うから。」
ゆうり「…あぁ。」
そう言うとすくろんは決意に満ちたように、再びぽちねこの元へと向かった。が、それを離れたところから見つめるものがいた。
たし「ゆうり…失望したぞ…。」
…たしも仲良くすればいいのに!
次回 セツナ 第六話「違反」に続く…!
よかったね仲直りできて




