第三話「一般人の根性」
現代からそう遠くない未来、日本は様々な改革を経て混沌の時代となっていた。
子供は親を失い、孤児となり1人で暮らす。そんな荒れた都会の郊外で、暮らすある1人の少年にまた新たな…
めっちゃ喋る愉快な脅威がやってくる…!?
さて、しばらくして、2人は目標地点付近に到着した。
あおい「ここらね。昨日のは異常なほど大惨事だったけど、通常は一つの亀裂につき1体、たまに2体のヴァーグ。そして、亀裂からの汚染区域は半径40mほど。汚染区域に入ったら気をしきしめて。…ちゃんと戦えるのよね?」
すくろん「うん。ここにくる道中で何となくバグのコツは掴んだよ。」
あおい「そう…」
あおい達が足を進めようとした。が、その前に近くに立つ女性の存在に気づく。
あおい「ここから先、危ないので離れてください。」
女性「えっ…その、息子が1人でこの奥に行ってしまって…行っちゃダメなんですか…?」
すくろん「息子さん…」
あおい「…」
すくろんはヴァーグがいるであろう方角を見つめる。
あおい「…この先、重度のバグが発生しています。お子さんが心配なのはわかりますが、ここは私たちに任せて。」
女性「そ、そんな…」
女性はその場に跪いてしまった。
すくろん「っ!」
すくろんはすぐに駆け寄ると、女性の手を取った。
すくろん「息子さん…必ず助けます!…俺SGの隊員じゃないけど…」
女性「そ、そんな…」
女性はさらに顔を暗くした。
すくろん「あ!いや!けど!それなりに戦えるっていうか!」
あおい「ったくさらに心配にさせてどうする!お前は秘密裏に来てるんだからでしゃばるな!」
あおいはそう言うとすくろんの襟を掴み引きずって行った。
すくろん「おかーさーん!助けまーす!」
あおい「あんたは本来経験のない非戦闘員。場合によっては足を引っ張るかもだから、その時はすぐどっか行って帰りなさいよね。」
すくろん「ワカッタ…!」
あおい「…何その喋り方…」
すくろん「だって、秘密裏にだろ?」
あおい「…はぁ…それじゃ、go。」
あおいの合図で汚染区域に入っていく。あたりは森で、森の木々は異様な色や形状になっていた。
すくろん「ひどいな…」
あおい「事前に相手の情報を共有しておく。やつは…」
と、辺りを見回していた時。
あおい「前!」
すくろん「へ?」
あおいの声に反応し、後ろに飛び下がる。すると、まるで水面から顔を出すかのように地面からヴァーグが現れる!そのヴァーグはイカのように触手を生やしていた。
すくろん「こいつか…!イカくせぇ。」
すくろんは着地すると拳を構える。
あおい「私が攻撃するから気を引いて!」
すくろん「わかった!」
あおいは咄嗟に木々の中を飛び回り始める。ヴァーグはそれを追おうとするが、
すくろん「こっちだ!」
♦️ウェーブインパクト
腕に力を込め放つ、遠距離パンチ技。それは確かにヴァーグに当たったはずなのだが…
ヴァーグ「ぐぉぉぉ!」
当たる直前、バリアを貼ったようでそのままこちらに突進してくる。
すくろん「く…」
すくろんは地面を転がってそれを避ける。
すくろん「遠距離はダメか…。近づかないとな…。」
すくろんは突進後のヴァーグの隙を狙い再び接近する。
♦️ファイアインパクト
炎を纏った足でキックを喰らわせる!
すくろん「くそ…」
が、それもバリアで防がれてしまう。
ヴァーグ「ぐおおぉぉぉ!」
そこにヴァーグの太い腕が迫る!
すくろん「やっべ…!」
すくろんは目を閉じ受け身の体制をとる。が、それよりも早く…
あおい「とりゃぁぁぁ!」
✈️ジェットストライク
ジェットパックで加速した後、パワードスーツの重さと火力で放つ強力なキック!その速度に、ヴァーグはバリアを張る前に攻撃をくらい吹っ飛んで行く。
すくろん「よし…!」
あおい「まだ修正できてない。油断しないように!コイツ、バグによる攻撃を全部バリアで防ぐ!」
すくろん「先に言って欲しかったなうん。だからバグを使わないあおいが派遣されたわけだ…。」
吹っ飛ばされたヴァーグは再び地に潜っていく。あおいはパワードスーツのバイザーを使い、ヴァーグの位置を見ようとする。
すくろん「どこだ…」
すくろんは拳をかまえながら辺りを見回す。
あおい「バイザーから反応が消えた、気をつけt…」
あおいがそう忠告したのも束の間。すくろんの立っていた地面からヴァーグが飛び出す。
すくろん「な!?」
ヴァーグは口を大きく開くと、すくろんを飲み込む!
すくろん「あぁれぇぇぇ〜」
あおい「すくろん!」
ヴァーグはその勢いであおいに向かっていく!あおいは浮き上がり、それを避ける。
あおい「ったく…だからついて来させたくなかったんだ…!」
ヴァーグ「グオォォォ」
あおいはキャノンから光弾を何発も打ち込む。
あおい「さっさとやられろぉ!」
ヴァーグは攻撃を受け少し怯むも、お構いなしで突っ込んでいく。
あおい「くっ…」
あおいは空中で見を翻しヴァーグに背を向ける。
あおい「こんな強いなんてきいてないわよ…!」
ジェットパック最大出力!ジェットパックが大きな炎を吹く!それに直撃したヴァーグは表面が焼けこげるが、致命傷とまでは行かない。
あおい「だめか…!」
あおいはその勢いのまま吹っ飛び飛んでいく。
あおい「とりま、すくろん回収して応援呼ぼう…!」
するとあおいは再び浮上する。
ヴァーグ「グルァァァァ!」
が、ヴァーグも地面に潜り移動する。
あおい「っく…!」
あおいはスピードを上げようとしたが、ヴァーグの方が早い!
ガシッ
あおい「!」
ヴァーグに足を掴まれてしまう。そして、遠くの川が流れている岩場に向かって投げつけられる!
あおい「うぐっ…機械に包まれた私は美味しくなさそうってか…。」
更に近くにはこのヴァーグが発生させたであろうバグの亀裂があった。
あおいは再び立ちあがろうとした。が…
あおい「っ…アーマー今の衝撃で壊れたか…。」
アーマーの装甲がひん曲がってしまい、上手く動けない上に、ジェットパックもエンストを起こしてしまっていた。
ヴァーグはどんどんあおいに迫っていく…。
すくろん「おえっ…口に胃酸入った…。」
すくろんは食われた後、ヴァーグの胃袋に落ちていた。
??「だぁれ?」
すくろん「!」
そこには1人子供がいた。
すくろん「あのお母さんの…!くそっ…」
すくろんは胃袋に手をかけ、引き裂こうとした。
が、小さな穴ができて外が見えても、すぐ再生され閉じてしまう…。
すくろん「ひとりじゃだめか…!おい、ハルカス!寝てる場合じゃねぇ!」
すくろんは自分の頭をぶん殴る。
はるりんご「ん…んんん!?なに、どこよこれ!?」
すくろん「ヴァーグの胃袋の中閉じ込められちまった…!」
はるりんご「はぁぁぁぁ!?どうすんのよ!?」
すくろん「どうしよう…」
すくろんは子供の方を見る。既に胃酸によって皮膚が溶けかけていた。
すくろん「…しゃあないか…君、大丈夫だからこっちにおいで!」
子供「う、うん…」
すくろんは再び胃袋を引き裂く。
すくろん「はるりんご、子供先に外に出せ!」
はるりんご「はぁ!?私からでしょ!」
すくろん「言ってる場合か!すぐ再生されて穴閉じちゃうからはやく!」
はるりんごは仕方あるまいと子供を抱えた。が、ふと思いついたかのように子供を見つめる。
はるりんご(…すくろんからこいつに乗り移れば…すぐに出れるじゃない…。その場合すくろんはここに置いてかれて、生命線の私を失ってすぐ死ぬけど…、酸で苦しんで死ぬよりはマシよね。この子は酸の影響で魂がかなり擦り減ってるから私が入れる隙間がある。。行ける…!)
はるりんごは一瞬できた穴に子供を捩じ込む。
外のあおいもそれに気づく。
あおい「子供…?すくろんか…!」
はるりんご(よし、ここまで体を外に出せば後はバグのパワーを使って出れる…。じゃあな、すくろん…!!!)
はるりんごは何も言わず、そのまま去ろうとした。が、その時。
すくろん「乗り移れ!」
はるりんご「…は?」
はるりんごは意味がわからないと言った感じですくろんに顔を向けた。
すくろん「そうすりゃ一気に2人出れるだろ!」
はるりんご「いやいや…あんた死ぬわよ?」
すくろん「だからなんだ!」
はるりんごは目を見開く。
すくろん「俺は…家に帰っても悲しむ人はいない、俺はずっと、あの家に1人だったから…!」
はるりんご「…1人…ね。」
はるりんごはぼんやりした、すくろんと会う以前の記憶を頭に浮かべた。
試験管の中で過ごす孤独な日々を。
はるりんご「…」
はるりんごは無言で子供の足に再び触れた。
すくろん「…じゃあな。」
はるりんご「っ…!」
が、その時はるりんごは子供の足を掴み、押し込む!
はるりんご「どっりゃぁぁぁぁ!」
すくろん「な!?」
はるりんご「生きて帰るわよ!全員で!」
はるりんごは子供を押し込み切る!
すると、子供は穴から飛び出し外に出ることができた。
子供「うわっ!」
あおい「!」
あおいはアーマーを脱ぐと地面を蹴り、その子供をチャッチする!
あおい「皮膚が溶けてる…いますぐ治癒が必要だけど…」
あおいがいる場所。そこはヴァーグの間合いの中だった。
ヴァーグの触手が伸びていく…
ヴァーグ「…ゔぁ?」
が、その時、ヴァーグの体が膨れ上がる!
ヴァーグ「ガガガヴァヴァヴァヴァヴァ!!!」
あおい「これは…内から…?」
そう、ヴァーグの体が膨れ上がってる原因、それはヴァーグの…胃袋の中!
すくろん「外部に向かってバリア貼って攻撃無効化するなら…!」
はるりんご「内側からならどうだ!」
すくろんは腹の肉壁に向かって何度もパンチを打ち込む!
すると、ヴァーグの体は風船のようにパンパンに膨れる!
はるりんご「これで…」
すくろん「終いだ!」
♦️グリッチインパクト
あおい「爆発する…!」
あおいは子供を庇う体制をとる。その直後、ヴァーグの体は数々の肉片となり、爆散していった…。
その肉片も電子の粒子のようなものになり、霧になり消えてしまった。
あおい「これで…」
あおいは亀裂の方を見る。すると、亀裂は閉じた。
あおい「ふぅ…なんとか修正できたか…。あんなやつ森から出て街まで行ってたらやばかったな…。ぼく、大丈夫かな?」
子供「うん…体がかゆいけど…」
あおい「すぐそれも治せる人が来るからね。安心して。」
あおいは爆心地に駆け寄る。
あおい「大丈夫〜!?」
すくろん「げほっげほ…」
すくろんは爆心地の中心で横たわっていた。
あおい「すくろん!大丈夫?」
すくろん「うん。俺はすぐ出れたから…そっちは?」
あおい「パワードスーツぶっ壊れただけ…。けどこれじゃあ汚染エリアの修正ができないから流石に援軍よぼう。あんたはSGに見つかったらやばいから、さっさと引き上げるわよ。」
すくろん「うん。だね。」
あおいはそう言うと脱ぎ捨てたパワードスーツから通信機を取り出す。
あおい「アップル、任務完了。だけどアーマー壊れちゃって汚染修正できないから援軍ちょうだい。アーマーは後で予備のやつ郵送して。今回のヴァーグのせいで結構ひどい怪我を負った子供が1人がいるから第三部隊のましゅさんも出動できる?」
はるりんご「ちょっとぉぉぉ!?」
すると通話中にはるりんごが霊体となって出てくる。
はるりんご「あんたが任務なんかに出たせいで怪我とかして更に病状悪化してんじゃない!」
すくろん「いや、こんなの一週間もあれば治るよ…」
はるりんご「その分融合期間も増えるじゃない…全く…」
アップル『…その声…誰だ…?』
あおい「え?えっと…あー、怪我した子供です!」
アップル「1人って言ってなかったか?」
すくろん「怪我してほしくなかったんならもっと早くお前も手伝えばよかったんだ!」
はるりんご「そもそもこんなことしなけりゃ良いのよ!」
あおい「とにかく増援お願いします!」
3人は汚染区域の修正をSGの応援にまかせ、帰路に着いたのだった…。
さて、一方の怪しすぎる2人組は…。
シルク「プロジェクトKの失敗作、ある程度強かったはずなのに…またしても例の3人にやられたとの報告が。」
神バナナ「…やはりあの日から全ての歯車が狂い始めている…っ!」
神バナナは机を叩く。
神バナナ「許すまじ…!」
しばらく経って、自宅にて…。
あおい「さて、ご要望通りフツーにカレー作ったよ!」
すくろん「おぉ。どんなかんj…」
すくろんは鍋を覗き込んだ瞬間絶句する。とてもじゃないがカレーの色じゃなかった。
あおいはカレーを盛り付ける。
あおい「今回は3人分作ったよ。」
はるりんご「なんでよりによって今回は私の分も…」
すくろんとはるりんごはスプーンを手に取ったままフリーズする。
あおい「どうしたの?美味いわよ。」
すくろん「イヤァナンカフリーズシチャウバグガボウハツシチャッタミタイデ〜」
はるりんご「私よく考えたら霊体だから食えないかも〜…」
あおい「あんたらが食いたいつったんだろうが!」
はるりんご「すくろんよ!」
2人は逃げられない…!
その日、すくろん宅からは悲鳴が上がり、心配したご近所からの通報で警察にお世話になったとはとてもじゃないがSGには報告できそうになかったのであった…。
ファボ「ご報告が。」
アップル「なんだ?」
ファボ「あおいが単騎で例のヴァーグに挑み、修正を完了したとのことです。」
アップル「あぁ。知ってる。」
ファボ「それで…その時のあおいの無線に…」
アップル「あぁ。」
アップルは表情を固めた。
アップル「監視対象であるすくろんとはるりんごの声帯と思われる音声が入っていた…。」
ファボ「実際当日、私が刹那すくろんの監視の為、彼の家を訪れた際、彼は家にいませんでした。トイレでシコってるかと思いきや、トイレにもいませんでした。すくろんがバグの力を使いあおいに協力したと睨んで構わないでしょう。」
ファボ「はい。もし本当なら、今後彼がバグを悪用した場合の被害が更に増します。例えばバグを使用したプレイをしだしたり…。副隊長であるあおいの責任問題でもあります。二重であの3人の監視が必要かと。」
ぽちねこ「それなら僕が。」
ぽちねこがアップルの前に出てくる。
ぽちねこ「ファボは真面目(笑)すぎてアレだし、俺がいくよ。またあおいに任務が出た時、それを監視すればいいだろ?」
アップル「うむ。頼んだぞ。」
ぽちねこ「任せてー」
ぽちねこはそういうとおその場から離れていった。
ファボ「…」
アップル「…以上か?」
ファボ「いえ、最後に一つ。」
アップル「なんだ?」
ファボ「あおいが警察のお世話になったらしいです。」
アップル「は?」
はるりんご「意外と行けるわねコレ。」
次回 セツナ 第四話「関係」に続く…!
あおいのせいで警察が来ました。許しません。




