第二十話「姉隠し」
現代からそう遠くない未来、日本は様々な改革を経て混沌の時代となっていた。 子供は親を失い、孤児となり1人で暮らす。そんな荒れた都会の郊外で、暮らすある1人の少年にまた新たな… めっちゃ喋る愉快な脅威がやってくる…!?
さて、とある薄汚れた倉庫のような場所にて。
ゆうりは腕を縄で拘束され、椅子に縛り付けられていた。
ゆうり(なんだここ…あの野郎…何が目的だ…!)
すると、倉庫の扉が開く音がする。
ゆうり(あいつか…!)
倉庫に入ってきた者の足音がする。その者は頭にサンタクロースの帽子を被り、袋のようなものを引きずっていた。
ゆうり(あの袋、被せられた瞬間何もできなくなって力が抜けていった。睡眠剤でも入れてたのか?それともまさかとは思うが…すくろんが言ってたグリッチって奴の能力なのか?)
袋を持ったかつてのゆうりの友人タシは、ゆうりの口元に貼ったテープを剥がす。
ゆうり「くっ…お前、なんの真似だよ。」
タシ「…俺はただこいつの復讐を果たしにきた。それだけだ。お前はこれをこうすると曇るらしいな。」
タシは袋の中から何かを取り出す。
ゆうり「!」
ゆうりが見たもの、それは数多くの打撲傷が見受けられるれいもんの体だった。
タシはそれを取り出すと、その辺に投げ捨てる。
ゆうり「テメェ!!!」
タシ「なぁに、まだ殺してないさ。ただ、こいつ袋の中の友人達と喧嘩してしまったようだな。」
ゆうり(たしかに袋の中には俺以外にも誰かいる気がした。だけど…こんな…!)
タシ「それに…殺すならお前の前でやるしな。」
ゆうり「すんじゃねぇよ…自分が何してんのか分かってんのか!」
タシ「すくろんをいじめてた奴がよく言うよ!!!!」
ゆうり「…!」
ゆうりは何も言い返せず黙り込む。
タシ「いいか、おれはお前達なんてどうでもいいただ楽しいからやるだけだ。もちろんすくろんも準備出来次第呼ぶさ。」
ゆうり「くっ…」
タシはそういうとその場をさっていき、倉庫の扉を閉めた。
ゆうり「れいもん!」
れいもんはゆうりに呼ばれると目を開いた。が、到底起き上がる体力はなさそうだった。
ゆうり(あいつ…すくろんも呼ぶとか言ってた。すくろんも巻き込まれる…けど逆に考えればS.G.の人が俺たちを助けにきてくれるチャンスなのか…?)
ただ、ゆうりもれいもんも今はその場で待つことしかできなかった…。
すくろん「ここら辺ですかね。」
つるさめ「そうだな。見た感じ亀裂は開いてなさそうだな。気楽に行こう。」
すくろん達はここらで1番大きいバグの発生源へ到着した。そこは破棄されたビルのような場所で、窓から亀裂から発せられたかと思われる光が漏れていた。
すくろん達は中にはいり、当該の部屋まで行く。
すくろん「亀裂ありました。消します。」
つるさめ「あぁ。」
すくろんが亀裂に駆け寄って、スプレーをかけようとしたその時…。
つるさめ「…!すくろん!上!」
すくろん「!」
すくろんはつるさめの言葉で気づき、飛び下がる。
すくろん「やっぱいたか…ヴァーグ!」
つるさめも剣を構える。が、少し違和感があるようだった。
つるさめ(おかしい…亀裂は開いてないし、開いた形跡もない。このヴァーグはどこからきた…? )
すくろん「修正致す!」
すくろんは地面を蹴ると刀を構える。
ヴァーグ「ガァァァァ!」
が、すくろんの間合いに入る前にヴァーグが衝撃波を放つ!
すくろん「よっと…」
すくろんは仰け反ってそれを避ける。その間も反発靴のお陰でヴァーグとの距離を詰める!
すくろん「そーれっ!」
スラッシュインパクト
すくろんの刀から放った斬撃は一瞬でヴァーグの胴を斬った。
すくろん「よし!」
すくろんはヴァーグの殲滅を確認すると、亀裂の方を見る。
すくろん「あれ…」
すくろんは亀裂の方を見たが、亀裂はまだ消えてなかった。
すくろん「おかしいな…」
すくろんはスプレーをそれにかけようとした。が…。
つるさめ「まだだ!」
すくろん「!」
なんと、地面から3体ほどヴァーグが出現する!
すくろん「な!?おおい…」
ヴァーグがすくろんに迫る!
つるさめ「伏せろ!」
シャークフェイス
つるさめ「喰え!」
つるさめがそう指示するとサメは3体のヴァーグ全員を丸呑みした。
すくろん「助かり…」
すくろんが感謝しようとしたその時…!
ドォォォン!!!
なんとさらに多く、十数体ものヴァーグが地面から這い出てくる!
つるさめ(多い…!倒せば倒すほど増えている…!)
つるさめは再びサメで全捕食しようとした。が、そのより先に皆の視界が奪われる!
すくろん「うわっ!?」
つるさめ「これは…」
すくろん達が再び目を開けるとヴァーグは殲滅されており、亀裂と、長い白髪の者が宙に浮いていた…。
すくろん「スムジ…!」
つるさめ「すくろん!亀裂消せ!」
すくろん「あ、はい!」
すくろんはつるさめに指示され、手のリングからスプレーを発射する。
そのスプレーにより、亀裂はすぐに消えた。
つるさめ「退散だ!スムージー!」
スムージー「…あぁ。」
スムージーは辺りを見回し、何かを探しているようだったが、急いで見を翻し、すくろんとつるさめを担ぐ!
スムージ「出るぞ!」
スムージーは2人を担いだまま部屋の窓を割り、外へと出た。
すくろん「あれ…!」
すくろんが見た先には、大量発生したヴァーグ達がいた。
つるさめ(いくらなんでも多すぎる。亀裂が消えたのにまだ出現し続けているし、何か裏があるな…。)
スムージー「とりましばらく飛ぶから捕まってろ。」
すくろん「ちょ!高いとこあんま得意じゃないんだけど〜〜〜!!!」
スムージー達はしばらく飛ぶと、また似たようなビルの元へと下された…。
すくろん「ふぅ…危なかった…空を飛ぶ時にも、いくつかヴァーグの団体が見えた…。」
つるさめ「…スムージー、お前なんか知ってんな。」
スムージー「…。」
スムージーは何も答えなかった。
すくろん「どうしたんだよ。さっきも1人で飛んで行ってたし。」
スムージー「…俺がれいもんの弟って言ったの覚えてるか。」
すくろん「?はい。」
スムージー「じゃあ、これを見てくれ。」
スムージーは携帯を取り出すと2人にとある動画を見せた。
すくろん「…!!!これって…!」
つるさめ「なるほど…。」
スムージーが見せた動画には、縛られ身動きを取れないれいもんにさまざまな拷問をする動画だった。
すくろん「あの…もういいよ…見てらんないから…」
スムージー「あぁ。」
スムージーは携帯を閉じた。
スムージー「これの発信元を第六感で探してる。この辺んであることは間違い無いんだけど…どこの建物も無限増殖ヴァーグばかりで…」
つるさめ「まて、マジで無限って…相当やばくないか。」
スムージー「あぁ。このままじゃ姉が危ない…それどころじゃない。この街全体が危ない。」
すくろん「そんな…!」
すくろんは先ほどのビルを見る。窓から大量のヴァーグが見える。
すくろん「…助けなきゃ…れいもんも…この街も…!」
すくろんはそう拳を握りしめた。
つるさめ「増援を呼ぶべきだ。今すぐ…」
スムージー「いや、ダメだ。」
スムージーに拒否され、つるさめは増援用のトランシーバーを下げる。
スムージー「現場には俺と、すくろん以外の人間が来たら承知しないと言われてる。」
すくろん「俺?」
すくろんは突然の使命に戸惑う。
つるさめ「もし他にも連れて行ったら人質を殺される…って感じか。」
スムージー「あぁ。増援するとしても、少人数、そして俺らが合図するまで外で待ってもらうことになる。」
すくろん「スムージーのために増援するとしたら…」
つるさめ「まぁ、あいつらだな。」
スムージー「連絡は個人用の携帯を使ってくれ。S.G.回線は多分もうバレてる。じゃなきゃ俺らが行く先全部にヴァーグが出てる説明がつかない。」
つるさめ「とりあえず2人に連絡する。」
すくろん「おれは…えっと…」
すくろんは携帯を取り出す。
スムージーなんだ?それ。
すくろん「覚えてる?今日の午後何があったか。」
スムージー「…ん?」
すくろん「スムージー、送ってたじゃん。今日れいもんが俺の家に来るって。」
スムージー「…あぁ。言ってたな。」
すくろん「そして、面談日はアプリでこれが見れるんだ。」
すくろんがアプリを見せる。するとそこには到着まで残り20分と書かれた文章があった。
スムージー「これは…」
すくろん「前の面談の時もこれでれいもんがどのくらいで着くか確認してた。そして、これは俺とれいもんの距離から計算してるから…」
スムージー「それでれいもんまでの距離がわかる…!」
スムージーは顔が暗かったが、少し明るくした。
すくろん「そう、方角はこの分数が減るか増えるかでわかる。」
スムージー「ナイスだすくろん。援軍が来たらすぐにでも行こう。」
つるさめ「あぁ。呼んどいた。」
すくろん「れいもん…助けるぞ…!」
スムージー「あぁ。」
すくろんは覚悟を決めながらスマホの画面を見つめるのだった…。
次回セツナ第二十一話「一騎」に続く…!
助けるぞ!




