第十九話「隠」
現代からそう遠くない未来、日本は様々な改革を経て混沌の時代となっていた。 子供は親を失い、孤児となり1人で暮らす。そんな荒れた都会の郊外で、暮らすある1人の少年にまた新たな… めっちゃ喋る愉快な脅威がやってくる…!?
あおい「さーて、届いたわよー!」
すくろん「おお!」
家でくつろいでいたあおいとすくろんはチャイムが鳴ると同時に玄関へと向かう。
あおい「開けるわよ…!」
すくろん「ゴー!」
あおいが玄関で受け取った段ボールのテープを剥がし、段ボールの蓋を開ける!
あおい「すくろんの!」
すくろん「装備…い…ぃ…?」
そう、すくろんとあおいは今日届くS.G.での任務用のすくろんの装備を心待ちにして待っていたのだが…。
すくろん「これ…なんだ…、ただのリングじゃん。」
段ボールに入っていたのは、すくろんお言う通り、赤い塗装が施されたリングだった。
あおい「そうだけど?」
すくろん「これが装備!?」
あおい「…あーそういや教えてなかったわね。リングつけてみて。」
すくろん「…?うん。」
すくろんは言われた通り右腕にリングを装着した。
あおい「その状態でボタン押してみ。」
すくろん「えぇっと…これか。」
すくろんはボタンをポチッと押し込む。すると…
すくろん「お…?」
リングが光を発する。すると、リングからいくつもパネルのようなものが飛び出し、すくろんの体にくっついていく!
すくろん「おぉ!」
そして、最後のパネルがくっつくと、すくろんは一瞬にして、黒い鎧の装備に包まれていた。
すくろん「すげぇ!なんだこれ!」
あおい「うん。かっこいいじゃん!」
すくろん「刀まで出てきた…どう言う仕組みなんだ…?」
あおい「もう一回ボタン押せば収納されるからね。」
すくろん「ほう」
すくろんはもう一度ボタンを押す。すると、装備は分解され、リングの中へと収納されていった。
あおい「その技術は第二部隊隊員のサウザンドのグリッチをもとに作られているの。どこでも持ち運びできる。便利でしょ。」
すくろん「うん、すごいや!」
あおい「さてと…。」
あおいは真面目にすくろんを見つめる。
あおい「これを得たってことは正式にS.G.の任務に参加することになる。」
すくろん「うん…。」
あおい「最初はつるさめが一緒にいてくれるしその後は私が面倒を見る。けど…気をぬかにようにね。」
すくろん「…うん!」
すくろんは決意を固めた表情で頷いたのだった…。
さて、一方すくろんの通う学校の通学路にて…。
ゆうり「はぁ…掃除当番で帰るの遅くなった…。」
ゆうりはそうしてあくびをしながら帰路についていると、道の先にとある人物を見つける。
ゆうり「ん…?あれは…タシか。」
ゆうりの目線の先にいたのは、ゆうりがかつて一緒に遊んでいた友人の“タシ”。
ゆうり「おーい、何やってんだ〜?一緒に帰るか?」
タシはゆうりに声をかけられるとこちらを睨んだ。
ゆうり「う、うお…」
優里はその気迫に押され、後退りした。が、タシは無言でこちらに向かってくる。
ゆうり「お、おい、お前どうしたんだよ…!」
タシ「…裏切り者が…。」
ゆうり「はぁ!?」
タシはゆうりに向かって手を伸ばす。
タシ「復讐の…生贄となれ…!!!」
その後、その道からは何も音もなく2人が消えていた…。
次の日の朝…。
あおい「じゃ、後は頼んだわね。」
つるさめ「あぁ。」
すくろんはS.G.の施設に招かれていた。
つるさめ「前にも会ったけど、改めて。僕は第一部隊隊員つるさめだ。あおいが復帰するまで君の面倒を見ることになった。」
すくろん「よろしくお願いします!」
つるさめ「本当は他の隊員でも良かったんだけど…俺が1番適してるっぽいのと、アップルさんは出張、ファボとぽちねこは謎のクイズ大会に出てるからな。」
すくろん「あのクイズ大会まだ続いてるのか…。
つるさめ「さてと、それじゃあまず君は“何が出来て”“何が出来ない”?」
つるさめからの質問、それは簡単なものであったがすくろんはすぐに答えることができなかった。
すくろん「えっと…その…身体能力上げたり…物を作ったり…うーん、頑張れば大体何でもできちゃうから、できないことなんてかんがえたことなかった…。」
つるさめ「そう、すくろんのバグは詳細な能力が不明、はるりんごというヴァーグも記憶喪失で何もわからないと聞いた。」
すくろん「あ、はい。」
つるさめ「だからまず君が目標にすべきはまずできることとできないことを把握して効率よく戦えるようになること。それとこっちはおまけだけど…。」
すくろん「おまけ?」
つるさめ「あぁ。君も理論上はできる、“一騎当千”という技だ。」
すくろん「一騎当千…?」
何だそれと言わんばかりに首を傾げるすくろんにつるさめは説明する。
つるさめ「あぁ。技の威力を千倍に強化する技だ。」
すくろん「千倍!?」
つるさめ「習得できたのは今のところデスサイズ、スムージー、俺の三人と各部隊の隊長のアップル、すらねこ、ましゅの三人、合計六人だけだ。」
すくろん「ほ、ほわぁぁぁ〜」
すくろんは目を丸くしてつるさめをガン見する。
つるさめ「…ごほん、君の1番得意な技、それにバグのパワーを全部のっける。」
すくろん「全部!?」
つるさめ「あぁ。全部だ。そこで全部のパワーをちゃんと操作できるか、それに体がついていけるか…それができるかできないかの分かれ道だ。」
すくろん「…つまりスムージーレベルまでいかないといけないと………おわった…」
すくろんは悟りを開いたかのように天を仰いだ。
つるさめ「だから!おまけなんだ。これはぶっちゃけ才能の運ゲーだからできなくて構わないよ。それじゃあまずすべきは…その装備に慣れることだ。」
すくろん「装備か。」
すくろんはリングのスイッチを押し、装備を装着する。
つるさめ「説明書はもらったろ?」
すくろん「あ。はい。えーっと…」
すくろんは腰から説明書を取り出し読み上げる。
すくろん「えー今回はご注文ありがとうございます。すくろん様に合わせた機能を複数追加しました…。まず、装備を着た状態で足を一歩踏み出すと…」
すくろんは説明書の通り足を一歩前に踏み出そうとした。が、その足が再び地面に触れることはなかった。
すくろん「うわっ!?」
すくろんの装備の靴は何と地面と反発する!!!
すくろん「ちょぉぉぉぉぉ!?」
すくろんはそのまますってんころりん。頭を打って気絶した。
つるさめ「ありゃりゃ…おーい!おきてー!」
すくろん「はっ!」
すくろんは目を開けると説明書を読む。
すくろん「靴が地面と反発します…。すくろん様が戦いで足に怪我を負ったとのことで、少しでも負担を減らすためです…?それを履いた状態でローラースケートのよう走ると、通常の倍の速度で走れます…。」
つるさめ「…じゃあまずそれの習得から。」
すくろん「のぉ↓おぉぉぉ↑〜〜〜」
すくろんはその後何百回も靴を使いこなすために走る!ただ、装備の一部分にしか過ぎない靴にすくろんは命を燃やした!!!
十数時間後
すくろん「ぜぇぜぇ…走れるゾォっォォォ!」
つるさめ「ふえ…?あぁ…やっと…?」
すくろんはスムーズに反発靴をつかい走っていた。
すくろん(俊足の速度には劣るけど、足に負担がかからない!前回突然意識が飛びそうになったのは多分負担のかかる俊足を発動したから。だけどこれなら大丈夫なはず!)
つるさめ「上出来だな。それじゃあ…反発靴、パート2だ。」
すくろん「…え?」
つるさめ「反発力を調整して普通に歩いたり…」
すくろん「それはもうできる…」
つるさめ「空を飛べるようにしよう!」
すくろん「……………一旦反発靴は終わりにして次行きましょう。おわんないですよこれ…」
つるさめ「手を抜くな!」
すくろん「いいんですか!?いいんですね!空飛ぶとか24時間かかりますよ!まじで!!!」
つるさめ「この、消しカスとかのゴミをなんでも収納できるカプセルもやろう」
すくろん「いらんだろ!」
さて…それからというもの、すくろんは装備に慣れるために様々な機能を試して行った…
次の日…
すくろん「説明書…完…読…。」
すくろんはその場に倒れ込んだ。
つるさめ「ナイスワークだ。すくろん。」
すくろん「はぁ!まだ装備終わった段階!?こっからバグの解釈広げたり、一騎当千すんの!?」
つるさめ「…そうだね。」
すくろん「のおぉ↓ぉぉぉ↑!」
つるさめ「はぁ…けど、確かに鍛錬ばっかだと飽きがくるからパトロールしに行こうか。」
すくろん「あの休憩っていう選択肢はないんすかね。」
それからすくろんとつるさめは施設を一旦出てパトロールを始めた。
つるさめ「レーダーの見方は知ってるよね。」
すくろん「はい。赤いやつがバグで、でかいのから順に回ってくんすよね。」
つるさめ「そう。それじゃあ…まずここに向かおうか…」
つるさめがレーダーの画面を指差したその時。
ガッシャーん!
施設の扉をぶち破って何者かが飛行していく!
つるさめ「!?」
すくろん「うわ!?」
その者はすくろん達を抜かし、空へと消えて行った。
すくろん「早過ぎてあんま見えなかったけど…あのエフェクトはスムジ?」
つるさめ「だな。あいつも今日はここに来てたみたいだが…何を急いでるんだ?」
すくろん「スムジらしくない…もしかしたらやばい案件…?」
つるさめ「…かもだが、まぁスムージーなら大丈夫だろう。」
すくろん「っすね。最強だし。」
すくろんとつるさめはそう納得すると再び歩き出す。
つるさめ「だがあいつにも弱点はあるぞ。」
すくろんはそれを聞き、信じられないと言った感じの表情を浮かべた。
すくろん「え?一見高出力で汎用性があると思いますけど。」
つるさめ「あぁ。だが奴のパワーは水の中ではそもそも発動できないし、パワーを発動できるのは七回だけだ。」
すくろん「あぁ、虹の7色か。七回以上パワー出したらどうなるんです?」
つるさめ「…暴走する。」
すくろん「暴走…」
つるさめ「暴走状態に入れば、まぁ勝てるのはデスサイズさんくらいになる。もう一般隊員にはどうにもできなくなる。」
すくろん「そうなったらやっぱ真の最強デスサイズさんが出動ですか。」
つるさめ「あぁ。あとすらねことサウザンドも。」
すくろん「えっと…第二部隊の人でしたっけ。」
つるさめ「そう。すらねこのスライムで拘束、その後サウザンドで小さくする。そうすることにより無力化ができるからな。」
すくろん「…あ!だからあの強さなのに第二部隊所属なんすね。」
つるさめ「いやまぁ強さ=数字とは限らんけどね…。」
すくろん「暴走…か…」
すくろんは以前意識を失いかけたことを思い出す。
すくろん(ヴァーグを体に宿すとか…いかにも暴走しそうな感じだな…もしもに備えて対策もちゃんと探さないと…。)
さて、これよりも少し前のお話。
お久しぶりのコマンダーズにて…
シルク「現在復旧率50%となりました。ヴァーグは重要人物、また危険人物の周辺のみに派遣しており、運航において問題はありません。」
神バナナ「ご苦労。ここまで復旧するのにこの短期間で済んだのは君のおかげだよ。」
シルク「ありがとうございます。…それと、一つ気になることがありまして。」
神バナナ「ん?」
普段とは違う感じのシルクの声色を聞き神バナナは目線をそちらに向ける。
シルク「ヴァーグが…いるんです。」
神バナナ「?、そりゃあ、君が配置してるんだから…」
シルク「いえ、そうじゃなくて…私も配置した覚えのないヴァーグが何体かいるんです…。」
神バナナ「…何?」
神バナナは眉を顰める。
シルク「やつら、確かにヴァーグなのにレーダーには引っかからないし、たまに同族を襲います。そして、明らかにコマンダーズ産ではない…。そう…感じるんです。」
神バナナ「君の感覚がそういうのならそうなのだろう。まったく、とことん不愉快な事件が起きる…。」
シルク「そしてもう1つ、そのヴァーグには私たちのように命令主がいるようです。」
神バナナ「まぁそうだろうな。」
神バナナはそのことに対して特に興味を持たなかった。が、次の瞬間顔がニヤける。
シルク「その対象は、刹那すくろんを狙っているのと情報が。」
神バナナ「…気に入った…とことん利用してやろう…!」
次回セツナ第二十話「姉隠し」に続く…!
誰




