第十四話「下ネタ大会のように」
現代からそう遠くない未来、日本は様々な改革を経て混沌の時代となっていた。 子供は親を失い、孤児となり1人で暮らす。そんな荒れた都会の郊外で、暮らすある1人の少年にまた新たな… めっちゃ喋る愉快な脅威がやってくる…!?
さて、前回の事件からしばらく経ったある日…。
すくろん宅の食卓にて。
あおい「そろそろバイトに戻ってもいいかですって?」
すくろんはあおいにバイトに関する交渉を行なっていた。
すくろん「うん。劇とか、着ぐるみ着るバイトやってるんだけど…。人手不足で、こうして休んでいる間にも結構迷惑かけてるっていうか…。」
あおい「役者なの?」
すくろん「まぁ…どうなんだろ。大きな劇場ほど大掛かりな劇したりはしないし、全体的に子供向けだし、ビラ配りとか広告宣伝ばっかの月もあるし。なんていうか…予算不足っていうか…。」
あおい「まぁ…今の時代そういう劇?ステージ?ってあんま誰も見ないわよね。」
すくろん「うん…。」
あおい「まぁ、いいわよ。監視も兼ねてたまに見に行ってあげるわ。」
すくろん「ありがとう。」
すくろんはそう言うと食い終えた夕飯の食器を片付け始めた…。
次の日の午後。
ぱんだ「今日からまたよろねー!」
すくろんは再びバイトをしにバイト場へ訪れた。
てらのこ「本当にふたりとも…こんな人気のないとこで働いてもらってごめんね…。」
すくろん「大丈夫っす!いなかった分働きます。」
てらのこ「そっか。けど…」
てらのこは表情を曇らせた。
てらのこ「もう少ししたら…ここももう解散しようと思ってるんだ…。」
ぱんだ「…え…!?」
パンダはその言葉に目を見開く。
ぱんだ「そ、そんな…なんでなんですか!前まで元気にやってじゃないですか…!」
てらのこ「あぁ…だけどね。この世の中、何をするにも必要になる物…お金。ここ数ヶ月は人手不足で観客も来ないし、たまにくるスポンサーからのお金を使っても設備拡大やみんなに配れるだけの金額がもうないんだ…。」
すくろん(俺が…俺がバグがどうたらこうたらしている間に、こんな…くそっ…。)
てらのこ「次、次に予定している劇で終劇にしようと思ってる。」
ぱんだ「わかりました…最後まで付き合いますよ!」
すくろん「…」
てらのこは暗い表情のすくろんを見つめる。
てらのこ「すくろんは…」
すくろん「…あ、もちろん僕も!」
てらのこ「そうか、よかった。」
ぱんだ「次で最後か…。」
パンダはすくろんと並びながら外でジュースを飲み、夕陽を眺める。
すくろん「うん…。」
ぱんだ「その分シフトに穴開くから次のバイトとか決めとくか…。はぁ、気に入ってたんだけどなぁ…。」
すくろん「…俺がSGのお世話になんかなってるせいで…俺がもっと出てれば…」
ぱんだ「こんなこと言うのもあれだけど、1人増えたくらいじゃ変わらなかったと思うよ。」
すくろん「それはそうだけど…それでも悔しいよ…。」
ぱんだ「そうね…。」
すくろん「…」
感傷に浸っていたその時、スマホの通知音がなる。
すくろん「…っ」
ぱんだ「施設から?」
すくろん「いや…知らないメアドからだ…。」
すくろんはメールを読み上げる。
すくろん「僕はあなたの担当の弟です。次の面談予定日を伝えます。確認できたら返信ください…?なんだこれ。」
ぱんだ「迷惑メールでしょ。無視むーし。」
すくろん「…そうだね…。」
すると、すくろんはスマホの画面を閉じてしまった。
さて、終劇当日…。
てらのこ「さぁ。今日が最後だ。張り切っていこう。」
ぱんだ「はい!」
すくろん「はい。」
すくろんは舞台裏から観客席を見る。野外の目につくところのステージなのだが、そもそも人通りが少ない場所な上に、ボロいので、あまり観客はいなかった。
すくろん(あおい居るな。児相のれいもんさん居る…。その他観客も…まぁある程度いるな。)???「ドワーw今時ショーとかさぁ…」
れいもん「いいから見るのー!」
すくろん「…はぁ…」
ぱんだ「すくろん、えいえいおー!するからこっちおいで。」
すくろん「あ、うん。」
すくろんはパンダの元へ行こうとした。が、その時、観客席がざわつき始める…。
すくろん「…このいやーな感じ…嘘だろ…!!!」
すくろんは舞台の方に出る。
なんとそこにはバグの亀裂があったのだ。
すくろん(くそ!よりによって…!!!やっぱはるりんごが体内にいるからあたりに発生しやすいのか…最後の舞台なのに…!)
すくろんは観客席の方を見る。あおいも事態に気付いたようだが、パワードスーツを持っていないため席の人に呼びかけている。が…
観客「え?いや、これ舞台の演出でしょwあんな大きな亀裂見たことないもーん。作り物だよ。」
すくろん(そうだ…みんな普段はスプレーで消せるくらいの小さい亀裂しか見たことがないから本物だってわかんないんだ…!)
すると亀裂が開き始める。
すくろん(やばい、追い打ちにヴァーグかよ…!!!)
その考察の通り空間が裂けていき、ヴァーグが姿を現す。パンダ「な、なにあれ!?」
てらのこ「嘘だろ…」
すくろん「もう舞台どころじゃない…やるっきゃない…!!!」
すくろんがステージに飛び出して行こうとしたその時…!
???「壱」
ヴァーグに対して赤い光線が放たれる!
すくろん「え」
ヴァーグは当たる前にそれを避けた。
ヴァーグ「がぁぁ」
???「だる…弐」
すると光線を放った長髪の女のような人物は橙色の光に包まれる。
???「はやく帰ってゲームしてドパドパしたいから、これで死んでね。」
すると、またしても赤い光線が放たれる!
ヴァーグ「ガァァァ!」
ヴァーグはその攻撃により胴体に大きな穴を開けられる。
すくろん(…!何やってんだ俺!俺も一応第一部隊だろ!動け!)
すくろんは拳に力を込める。
♦️インパクト
すくろんは地面を蹴り、ヴァーグに殴りかかる。が、ヴァーグの攻撃が当たる直前、ヴァーグの胴体が弾け飛ぶ!
すくろん「…へ?」
すくろんは空振りし、そのまま地面に落下していった。
が、観客からはそれがまるで一つの演目のように見えたのだろう。観客達は一斉に拍手をした。
観客「すごい!すごい特殊効果だ!」
観客「やばーwすっごいんですけどー!バズりそうー!」
???「どうもどうもー」
すくろん「は、はへ…い、いやこれはちが…」
すくろんは説明しようとした。が…
てらのこ「はい!いかがでしたでしょうか!」
すくろん「…え?」
てらのこはステージに飛び出すと満面の笑みでそう叫んだ。
てらのこ「我がステージの最新特殊効果技術!すごいでしょう!」
すくろん「いや、打ち合わせとちが…」
すると、てらのこはすくろんの方を向き、手に人差し指を当てた。
てらのこ「今回はテストで行いました!なので一旦今日は終わりです!また後日行いますのでよろしくお願いします!」
すくろん「…」
すると観客達は満足したかのようにステージにチップを投げると、帰って行った。
パンダ「すごい…久しぶりにもらったわこの量の金額…。」
あおい「すくろん大丈夫?」
すくろん「うん…」
するとてらのこはすくろんの横を通って、例の人物に駆け寄っていく。
てらのこ「あの!ビームの方!」
???「そうそう。大丈夫だからねぇちゃんは先帰ってて…あ、何?ステージ一部壊したけど、多分保証金がで…」
てらのこ「うちの団に来ないか!」
パンダ「えぇ!?」
パンダは目を丸くする。
てらのこ「君の力を使えばうちの団もすごく伸びると思うんだ!お名前は?」
スムージー「スムージだけど…。いや本職あるんだけどおれ…」
てらのこ「副業で!暇な時だけでいいから!お願いします!」
スムージー「副業か…けど、この力…」
すくろん「グリッチ…ですよね。」
スムージーは驚いたようにすくろんの方を見た。
スムージー「えっと…君もやっぱ関係者なんだよね。」
あおい「えぇ。S.G.第一部隊の隊員です。あなたは第二部隊、スムージーね。」
すくろん「え、第二部隊?」
するとスムージーはニヤけ顔で胸を張る。
スムージー「そっかぁついに俺も有名人かぁ…」
あおい「そりゃあまぁ、S.G.代表のデスサイズを除けば、最強の一般S.G.隊員はあなたでしょうし。」
すくろん「え!?最強!?アップルさんより強いの!?」
すくろんは目を丸くしてスムージーを見つめる。
スムージー「そうそう。本当は今日も仕事なんだけど、大好きなねぇさんに呼ばれたから仕方なく来たんだ。」
あおい「はぁ…こんなところでぷらぷらしてていい人材じゃないでしょうに…。」
パンダ「…よくわかんないけど公務員ってことか。それじゃあ副業なんて…。」
スムージー「いや、面白そうだしやってみるよー」
あおい「は?何を考えて…」
スムージー「S.G.の仕事、つまんないんだよねー。最近ヴァーグの出現率増えたけど、雑魚ばっかなんだもん。」
てらのこ「おぉ!ありがとう!」
すくろん「…」
そうして、スムージーはてらのこの劇団に協力することになった。が、すくろんには少し引っかかるものがあったのだった…。
次回セツナ第15話「派手」に続く…!
うーむ。




