第十一話「スクールインパクト」
現代からそう遠くない未来、日本は様々な改革を経て混沌の時代となっていた。
子供は親を失い、孤児となり1人で暮らす。そんな荒れた都会の郊外で、暮らすある1人の少年にまた新たな…
めっちゃ喋る愉快な脅威がやってくる…!?
さて、すくろん宅襲撃事件から数時間後、怪我人は病院に運び込まれたのであった。
すくろんとあおいは病室で横たわりながら、話して暇を潰していた。
あおい「…すくろん家…ぶっ壊れちゃったね。」
すくろん「…うん。」
あおい「…まぁ流石に新しい家手配するけど…事前に注意しとくべきだった。ごめんね。」
すくろん「仕方ないさ。」
あおいはすくろんの包帯ぐるぐる巻きにされた足を見つめる。
あおい「足、治りそう?」
すくろん「内傷が酷くて、元の動きに戻せなくは無いけどかなりリハビリいるらしい。」
あおい「はぁ…せっかく倒したのに…スッキリしないわね…。」
はるりんご「そうよそうよ。どんどん怪我悪化してんじゃない。」
すると、すくろんから霊体化したはるりんごが出てくる。
あおい「その通り。今回の戦いでの傷治るまでSGへの加入は見送らせてもらおう。」
すくろん「うん…。」
あおい「…それと、あんた記憶一部戻ったのよね?」
はるりんごはビクッと動きを止めると、頷いた。
はるりんご「うん…ヴァロバナナのとこにいた時の記憶…私はヴァロバナナに作られて、何か大きな重荷を背負わされていた。そして同じような立場の者として弟のケニチがいた…。ってだけだけど。一応は一部戻った。」
すくろん「ヴァロバナナがなんではるりんごを狙うのかについての記憶は無しか…。」
あおい「まぁ大体察しはつくけどね…。はるりんごの万能パワーを回収し、それで世界征服する的なアレでしょ。」
すくろん「けど、どうやって奪うんだ?あのケ二チって奴はグリッチしか奪えてないように見えたけど。」
あおい「…これも実験の一部だったんじゃないかしら。対象の体内からヴァーグを奪い取る実験の…。ただ今回のケニチは不発で、はるりんごを奪う能力は完成されていなかった。まぁどっちみちすくろんがやられてたら奪われてたけど。」
すくろん「…とにかく…そんな怪しい組織なんかにはるりんごは渡さないよ。」
はるりんご「…すくろん…」
あおい「それも良いけど、自分のことも大事にね。」
さて、一方のS.G.の本部では緊急会議が開かれていた。
つるさめ「今回の事件では今までにない、亀裂が未発見の激強喋るヴァーグ…。更に過去一度倒したヴァーグの復活、更にはそれらを裏で操るコマンダーズにという組織…。特定の人間を襲ったという、類い稀見ない事が大量に起きました。」
すらねこ「裏で糸を引くコマンダーズ…通りでおかしいと思ったんだ。日本以外にバグが発生しないの。」
リス「特定の人間…刹那すくろん君、やはり彼の中のバグを狙ったんだろうな。身体強化に物質生成と、彼に宿るバグはあまりにも万能すぎる。もし今回のケニチの様に強くなった場合、ここまで万能だともう我々ではどうしようもできんぞ。」
サウザンド「うん。今のうちに処分した方が。」
ファボ「すると、すくろんが死ぬ…。実質人質をすでに取られているわけだ。」
リス「1人の人命より世界の命運だろう。」
ファボ「簡単に言うな!」
つるさめ「まぁ、今はまだ僕達から離反せず戦力となっている。今はそれでいい。それよりも今すぐやるべき事がある。」
すらねこ「謎の組織、コマンダーズについてね。」
ファボ「ケニチはあの時、自分の意思でスクリーンを取り出し、皆に見せた。そのことから少なくとも、コマンダーズがバグに関与しているのはほぼ確定。」
サウザンド「なーにが国家だよ…」
リス「だが先人達はそうして世界を統治してきた。奴は未知の技術を扱う。侮れんぞ。」
つるさめ「コマンダーズによる配信内には、数年前似たような行動を起こしたまま失踪した、シルクと言う女も居た。そして、配信内ではこの事件ははじめの一歩と言っていた。つまり、これから必ず第二歩が来ると言うこと。我々が今すべきはそれに備え、奴らの居所を特定することです。」
リス「そもそも、奴らの行動目標はおそらくすくろんの中のバグだろう?そしてお前ら第一部隊はそいつを迎えるそうだが…そんなやつを入れて大丈夫なのか?」
つるさめ「それは…」
ぽちねこ「大丈夫です!」
すると会議室に2人、人が入ってくる。
ファボ「な、ぽちねこ…それにアップル!?お前ら動いて大丈夫なのかよ!?」
アップル「あぁ。少々痛むがな。」
ファボ「少々て…」
アップルはそう言ったものの、車椅子に座り、包帯でぐるぐる巻きにされているその姿は明らかに無理しているように見えた。
ぽちねこ「僕は…すくろんくんをSGに入れても大丈夫だと思います。」ファボ「!」
皆、急に現れた2人に目線を向ける。
ぽちねこ「すくろんとはるりんご、どちらも先の戦いで我々と協力して、トドメを刺しケニチを倒したのは彼らです。見た感じ、すくろんははるりんごを制御できているようだし…」
リス「俺たちはもしもの話をしている。すくろんを入れて何かしら事件が起きたらどうする?」
アップル「その時は私が責任を…」
リス「起きてからじゃ遅い…」
?????「まぁまぁ良いじゃないか。」
その人物が発言すると、皆が静まり返った。
リス「デスサイズさん。あなたは賛成なんですか。」
その人物はSGのトップである、デスサイズだった。
デスサイズ「うん。なんだか面白そうだしね。ここに入るなら今度俺が面倒見てみるよ。」
アップル「ありがとござい…」
デスサイズ「だが、信用しているわけじゃないからね。」
アップル「っ…」
デスサイズ「もし憂慮すべき事態が起こってしまった場合は…分かってるね?」
アップル「…はい。必ず。」
さて、そんなこともありながらも会議は終了し、解散となった。
ファボ「すくろんを部隊に入れる案、予想以上に早めに通ったな…。」
ぽちねこ「デスサイズさんが賛同してくれたおかげだよ。」
アップル「うむ。引き受けた以上はちゃんと育てないとな。」
あっぷるはそう話しながら車椅子をすすめる。
つるさめ「そんな怪我で、大丈夫なんですかアップル。」
アップル「大丈夫では…ないな。」
アップルは俯いた。
あっぷる「まずこの怪我で体力等を失ったことにより、グリッチが弱体化してしまい、以前のようには戦えない。」
ファボ「まじか…新しく入るすくろんがその分を埋めるくらい強けりゃいんだが…。」
つるさめ「新人に頼りすぎもダメだぞ。僕らはずっとアップルさんにお世話になってきた。その分、今度は僕らが頑張る番だよ。」
ぽちねこ「そうだね。」
ファボ「さてと…それもそうだが、すくろんとあおい、重症なんだろ?」
ぽちねこ「あぁ。すくろんくんの方は左足の麻痺。全身に打撲。あおいも全身に打撲と骨折がめっちゃあるのと、火傷も負ってる。」
アップル「だがそろそろ回復するんじゃないんか?」
ファボ「んなわけ…あんたの回復速度が異常なんだよ…なんで怪我したその日のうちに車椅子乗って元気に会議参加してんだ…。」
あっぷる「まぁ、植物は頑丈だからな。」
つるさめ「すくろんの方はサポーターつければ一週間程度で現場に出れる程度にはなるとの事。一方、あおいは怪我の箇所が多く、すくろんと同じく一週間で退院ですが、現場に戻るにはもっと休養が必要だし、パワードスーツもすぐには用意無理です。」
ファボ「その間、すくろんの面倒は誰見るんだよ?すくろんのマスター任されたあおいはその状態なんだろ?」
つるさめ「僕が引き受けるよ。はるりんごとサメちゃん、似たものを感じるからね。僕が適任だろう。あおいが戻った後はあおいに任せる。」
アップル「さて…今日は頑張った…。みんな酒奢るぞ。」
ぽちねこ「飲んじゃダメですよ。腹からアルコール漏れて傷に染みますよ…。」
その日、アップルは腹痛を訴え再び病院に運ばれた。
さてそれから一週間程度経った…。
すくろん「ついに俺も…」
あおい「第一部隊の仲間入りね。」
すくろんはサポーター、あおいは杖をつきながら廊下を歩く。
あおい「ここ。」
あおいは扉を開ける。
ぽちねこ「祝!」
ファボ「新メンバー!」
つるさめ「第一部隊へ!」
アップル「ようこそ」
パァン
扉を開けると同時に第一部隊の皆が出迎える。
すくろん「…!よろしくです!」
ファボ「おーい聞こえるかーすくろんの中のバグさんよ。反抗したら処刑だからなー」
はるりんご「ぎくっ…」
すると、はるりんごは霊体化し、すくろんの中から出てくる。
ファボ「ふん!俺らにかかればお前なんてイチコロだぞ。」
はるりんご「いやあんたケニチ相手に手も足も出てなかったじゃない。」
ファボ「ファッ!?いや、それとこれとは別だし、その後活躍したわ!」
つるさめ「はいはい、不謹慎な話しない。」
ぽちねこ「すくろん、よろしくな。今度は仲間として。」
すくろん「…!うん!」
第一部隊の部屋が暖かい雰囲気で包まれる中、あおいはソファに座り込む。
アップル「杖使って歩くの疲れたか。」
あおい「うん。に対してあんたは治るの早すぎな?」
あおいはすくろんの瞳を見つめる。
あおい「結局、すくろんはS.G.に入ることになった。これが1番安全なんだろうけど…。」
アップル「?」
あおい「本当にこれで良かったのかなって…。すくろん、学校のいじめっ子ともなんとか関係持ち直して、良いところだったのに。まだ、中学生なのに…。」
あっぷる「…未来ある中学生…、それはお前もだろ?」
あおい「…え?」
突然放たれたその言葉に、あおいは少し戸惑った。
あおい「いやまぁ、一応は私もそうだけどさ…。」
あっぷる「我々S.G.は、バグから人々を守る組織。が、守るからと言って未来を奪ってはいけないのだ。」
するとあおいは呆れたようにため息をつく。
あおい「はぁ…アップル…あんたね、いっつもクドいのよ!」
アップル「え?」
あおい「意味ありげに遠回しに喋って!さっさと本題話しなさいよ!」
アップル「ふっ…、まぁまた今度話すさ。杖なしで生活できるようになったら連絡してくれ。」
あおい「?…はいはい。」
その日は、つるさめとパトロールした後家へ帰ったのだった。
さてそれから、倒壊したすくろん宅はアップル出資、あおいデザインの元再築され豪華なモダンハウスに生まれ変わりましたとさ。
あおい「…で…。」
あおい、すくろん、はるりんごはその家の玄関を見つめる。
あっぷる「よ。」
はるりんご「いや豪華にしすぎだろおぉぉ!?」
すくろん「あれ?おかしいな?俺の土地なんだけどな?なんか新しい家が…。」
はるりんご「あんたは良い加減シャキッとしなさいシャキッと!」
あおい「…で、なんであんたが…ここまで…。」
アップル「俺が入り浸るため。」
あおい「…で、真面目な方は?」
あっぷる「…はるりんごが暴走してもいいような設備の配備、そしてすくろん、彼を助けるため…」
すくろん「っ…」
アップル「すくろん、君は確かに危険な力を保持している。それをよく思わない連中ともこれからたくさん出会うことになるだろう。だからと言って私たちは君を見捨てないし、君が自暴自棄になることは許さない。」
すくろん「…はい」
アップル「その力はいざという時のみに、人を助けるために使うんだ。バクをバグで消す。これが我々SGにとっての人を守るという責務だ。」
すくろん「…はい!」
あおい「はぁ…面倒なことになったわ…。」
するとアップルはズカズカと上がり込む。
あっぷる「あ、家たててやった代わりにプリンもらってくからな。」
すくろん「だからなんでここに来る奴らはまずプリンを盗むんだよ。SGの規則なんか?」
あおい「まぁ美味しいし。」
はるりんご「あとで私も食うわ。毎日2人分のプリン用意してー」
すくろん「なんで3人分じゃないんだよおい。」
プリンを頬張っていたアップルはふと思い返したかのようにこちらを見る。
アップル「そういや、今って何時だ?」
すくろん「あんたがめっちゃ早い時間に起こしてくれたおかげで午前5時ですよ。」
アップル「そっか。予定あるから正装しとけ。」
あおい「正装?スーツなんて持ってないわよ。」
すくろん「正装だから学校の制服でいいんじゃね。」
あおい「あーね。久しぶりに着るなー…。何しに行くの?」
アップル「…君らの本来の活動をしにいく…。」
アップルは車を走らせ、その場所の目の前まで送迎した。
あおい「ここって…。」
すくろん「学校じゃん。」
そう、2人が送られた先にあったもの、それはふたりが元々通っていた学校だった。
すくろん「…つまり、学校に戻っていいと…?」
あおい「いや、それじゃあS.G.の任務は?」
2人が疑問を挙げると、アップルはやれやれと言った感じで話す。
アップル「…あおい、お前怪我してしばらくは暇だろ。」
あおい「!」
アップル「だから、行ってきて学校で経験を詰め。それでそれ以降も通いたいと言うならシフト変更について考える。」
すくろん「そ、そんなこと、いいんです?」
すると、アップルは微笑み2人の肩を叩く。
アップル「我々S.G.は、バグから人々を守る組織。が、守るからと言って未来を奪ってはいけない。お前らは本来はただの中学生。」
あおい「あっぷる…。」
アップル「少しでも、本来の人生を楽しんでこい!」
すると、アップルは2人の背中を押し、送り出した。
すくろん「…!はい!」
あおい「…っ」
まだ不安そうなあおいにアップルはサムズアップを送る。
あおい「!」
あおいは思わずサムズアップしかえす。
すくろん「さ、あおいほとんど学校来てないだろ?案内してあげるよ。」
あおい「うん!」
はるりんご「…ま、今だけは口出ししないでやるか…。ふわぁ…眠い…。」
そうして2人は本来の“ただの中学生”としての生活を取り戻す始めの一歩を踏み出したのだった。
そうこれは、みんなでバグを修正し、本来の世界を取り戻す劇の始まりである…。
次回セツナ第十二話「DT/DTの思い出」に続く…!
いえーい




