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「お待たせ」ドアが開いて遥が部屋の中に戻ってくる。夏はぼんやりと天井を見つめている。
「どうかしたの?」遥が言う。
「ううん。なんでもない」スリープ機能が解除されたロボットのようにはっとした夏が笑顔で答える。
二人はまだ白い水着姿のままだ。水着の上からお揃いの真っ白なパーカーを羽織っている。
二人は白い水着姿のままで、お風呂場で一緒にシャワーを浴びた。
それから二人は水着から着替えをする。夏はいつもの青色のジャージと紺色の制服。遥は白いセーターと白い半ズボンの姿になる。
着替えのあとで遥はすぐに昼食の準備をするためにキッチンに移動した。夏は部屋の中に戻ると、また一人で椅子に座って真っ白な天井をじっと見つめた。青色の空が見たいと夏は思った。




