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 だからあとは外部からの干渉を極力避けていればよかった。遥の日常とは自分で決めた作業を毎日消化してくだけの単調なものだった。なんの刺激も感動もない。簡単に言うと遥は人生に飽きていた。やりたいことはたくさんあるけど時間が足らない。その事実が一番残念だったけど、それはしょうがないこと。命は有限である。そうやって毎日あらかじめ決められている予定と作業をこなしていくだけの繰り返し。まるでロボットだ。

 私は本当に私の意思で動いているのだろうか? ときどき不安になった。そんな乾いた毎日に奇跡が起きた。木戸照子がこの世界に生まれたのだ。それは本当に、まったくの偶然の出来事だった。

 照子の生成自体はそれほど驚くこともない。確かに難しい実験ではあったけれど無理ではないことは初めからわかっていた。たとえその当時の実験に失敗したとしても三年もあれば成功例を生み出すことができると遥は予測していた。

 そうではなく奇跡は照子自身だった。照子は人工進化の向こう側にいる存在だった。照子は人工進化の生み出した真っ白な素体に降臨した何者かだった。遥の生みだした白い塊には本当の命が宿っていた。

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