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 遥は背負ってきた黒いリュックサックの中から真っ白なノートパソコンを取り出した。次に白いヘッドホンのような機械を取り出して、そのコードをノートパソコンと連結させた。

 遥は夏の頭にそのヘッドホンのようなものを装着させた。九十分、経過したら起こそう。それで作業は完成する。

 遥は作業に取りかかる。遥は凄まじい速さでキーボードを操作する。夏は覚悟を決めている。だから意外と隙を見せない。何回もチャンスがあるわけじゃない。できるときにデータをとっておかないといけない。それもなるべく早いほうがいい。……事件は、いつ起こるかわからないからだ。

 ドームでの仕事はシロクジラが完成したあとは、すべてプログラムがやってくれている。遥はそれを黙って眺めていればいい。アクシデントがなければ遥がずっと眠っていても、やがてドームは完成する。

 だから最近の遥の仕事は照子の世話をすることだ。ドームは遥がいなくても完成するが、照子は遥がいなければ死んでしまう。遥の心に照子の顔が投影される。遥は生まれてからずっと孤独だった。たくさんの人たちと仕事をしてきたけど遥のことを理解できる人は誰もいなかった。遥は自分がどのくらい高く飛べるのか、どのくらい遠くまで行けるのか、人類の技術の進歩や自分の寿命なども含めて、ほとんど誤差のない範囲で正確に予測することができた。

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