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 氷川さんとばいばいをして、むーとくーはお父さんとお母さんと一緒におみやげ(竜のぬいぐるみと竜のおまんじゅう)を買ってから国立博物館をあとにした。

 むーは帰りの車の中でつかれてくーと一緒に眠ってしまった。

 その帰りの車の中でむーは不思議な夢を見た。

 子供のころの氷川さんが竜と出会い友達になる夢だった。その夢をむーはどこかで俯瞰しながら、見続けていた。

 むーは大きくなったら考古学者になりたかった。考古学者になって、氷川さんのように竜の化石をみつけてみたいと思った。でも、勇気がないから迷っていた。でも、今日、むーは氷川さんと会って、将来考古学者になるんだと、自分の夢をそう決めた。

 むーは夜眠るときに氷川さんから言われた通りに竜の声を聞いてみようと思った。でも、いつものように竜と友達になる夢をみることはできたけど、竜の声を聞くことはできなかった。(それがむーはとても悲しかった)

 それからむーは今までよりもがんばって勉強をするようになった。

 僕の夢の中にいつもやってきてくれる竜の友達。君は今もこの大地のどこかに埋まっているのだろうか? なにかを僕に(あるいは僕たちに)伝えたいと思っているのだろうか? (あるいは、ずっと大地の下で眠っていたいと思っているのだろうか?)もしそうなら、(見つけてほしいと思っているのなら)なるべく早く掘り出してあげたい。その伝えたいことを聞いてあげたい。僕は君の友達だから、君を助けてあげたい。

 八月。青色の日。朝の時間。

 目覚めたむーはぼんやりした寝ぐせ頭のままで窓の外を見る。その窓の向こうの風景の中にまだ、竜の姿を見ることはできなかった。


 竜の化石 終わり

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