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「照子、ちょっとまって!」澪が言う。すると照子はぴたっと体の動きを止めて、その場でくるりと体ごと振り返って画面の中の澪を見た。

「どうしたの?」照子が言う。

「あのさ、一つ確認したいことがあるんだけど……」

 澪が照子にそう話しかけるのと同時にシェルター室の(出入り口の)ドアが開いた。その音を聞いて澪は驚いてすぐにドアのほうに目を向ける。

 すると、そこには瀬戸夏が立っていた。


 夏は、とても怖い顔をしていた。とても怖い顔で部屋の中を見渡して、……赤く染まった床の上の小川を見て、……澪を見て、それから、……動かない遥の体を引っ張っている、……真っ赤な体の照子を見た。

 夏の視線はそこでぴたっと動きを止める。

 夏は照子のことをじっと睨みつけている。ずっと泣いていたのか、夏の目は両目とも真っ赤に充血している。

 夏は真っ赤な二つの目でシェルター室の中にいる真っ赤な照子と、その手に引っ張られている動かない遥のことを凝視している。照子も同じように、ドアのところに立っている夏のことをじっと見ている。(青色をした一つの目で見返している)

 とても怖い(いつもならありえないほどに、……怖い。……まるで氷のように冷たい)夏の目と比べて照子はとても穏やかで暖かな目をしていた。

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