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 澪は自分の体になにが起ったのかまったく理解できなかった。気がついたらこの場所にいた。ここはどこだろう? それが澪にはわからない。情報の検索ができない。おまけに外にも出られない。外部との通信が完全に切られている。画面の中では『警告』の文字が点滅を繰り返している。

(非常事態を意味している文字であることはわかる。でもその原因がわからない)


 これはいったいなんなんだ? なぜ僕はこんなところに閉じ込められているのだろうか? わからない。理由も思い当たらない。……もしかしたら僕は遥に用済みの失敗作としてゴミ箱の中に捨てられてしまったのではないだろうかと澪は思う。

 しかし、最近は大きな失敗はしていないし、遥にすごく怒られた記憶もない。夏と一緒に遅くまで地上で遊んでいたことは別だ。あれくらいは遥の本当の怒るの概念に接触しない。遥が怒るときは本当に怖いくらいに怒るのだ。人間は怖い。本気で怒っている遥を見ると澪はいつもそう思う。

 澪は警告の文字が点滅している画面から外側の世界の様子を覗き込むようにして伺ってみる。きょろきょろと部屋の中を観察する。……どうやらここはシェルターの中みたいだ、と澪は思う。

 そこは澪の観測した通り、木戸研究所『地下のシェルター室』の中だった。とても珍しい場所だ。つまり澪はシェルター室に設置されている画面の中からシェルター室の中の様子を見つめていることになる。じゃあなにか事故でも起きたのかな? と澪は素直に疑問に思う。

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