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 夏はどこからか自分を見ている視線を感じた。でも周囲を見渡しても誰もいない。それは隠されている監視カメラの視線なのかもしれない。そう思うことで夏は気持ちを落ち着かせることにした。夏はぎゅっと自分の左手を握る。

 夏の体は照子の部屋のドアの前で金縛りになったように動かなくなった。このドアの向こうに照子がいる。部屋の中でずっと一人で座っている。その姿を夏は想像する。すると、どうしてだろう? 夏の体は小さく震える。恐れている? 恐怖を感じている? 夏は意識的に呼吸をする。神経を集中させて心と体を落ち着かせる。自分の心臓の音が聞こえる。自分の体の一番深いところから聞こえてくる音に、夏は耳をすませている。

 ……大丈夫、私は大丈夫だ。

 私は元気だ。体力もあるし、走ることにも自信がある。いつだって逃げ切れる。それに、いざとなったら戦ってやる。

 だんだんと夏は自分の体を自分の意思で動かせるようになる。

 夏は床に張り付いた足をゆっくりと動かして、照子の部屋の前から通路右方向に移動する。


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