表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

235/442

270

 大丈夫。眠っている照子を撃つだけなんだから。素人の私にだってできるはず。失敗はない。遥はイメージを繰り返す。無菌室に入り、白いドアを開けて、照子の隣に立って、あの子のおでこに銃を押し付ける。あとは引き金を引くだけだ。

 私はその場で『二度』、この銃の引き金を引けばいいだけ。それですべてが終わる。私の生まれた役割は終わり。『私の使命は引き金を二度引くことだけ』だった。なんて簡単な人生なのだろう。なんて難しい人生なんだろう。そんな相反する思いが遥の頭の中を十字を切るように横切った。だけどその十字架はすぐに消える。(でも、残念だなんて思わない)

 そうだ。そんな余計なものは全部消えてしまえばいい。あってもいいけど、なくてもいい。少なくとも拳銃を右手に持っている私にはもういらないものだ。全部、全部きえてしまえ。遥は銃を持つ右手を左手でしっかりと握る。

 そして勇気を出して顔を上げて、前進する。するとそんな遥の目に『見てはいけないもの』が見えてしまう。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ