表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

23/442

23

 遥の部屋を出ると、夏のすぐ目の前にドアが一つある。そこは(最初に二人が出会った場所である)照子の部屋だ。 

 左は行き止り。右は一つの(通路を二つに分けている)ドアを挟んで研究所の入り口だ。とてもシンプルな構造をしている。ドアの向こう側の区画には左の壁に一つしかドアはなかった。

 部屋は全部で三つなのかな? 

 そうだとすると、いくらなんでも地上の施設に比べて規模が小さすぎる。(ここは人工進化技術の最先端の研究所なのだ)地上や地下の空間を含めれば最大級の敷地面積を誇っているけど、この建物だけを考えるのなら、まるで遥の家のようだ。秘密基地みたいに隠蔽工作をしまくっている施設にしては小さすぎる。別の施設や秘密の部屋がこの研究所の敷地内のどこかに隠されているのかもしれない。(というか、たぶんあるのだろう)

 あれだけ広大な土地を所有しているのだから、本来なら建物がいくつあっても不思議じゃない。少なくとも資材や燃料を保管する倉庫などもあるはずだ。大きなガラスの壁。森の中を走る地下列車。大きな空洞。こんな小さな研究所のためにわざわざそれらの施設を建設したとは思えない。そもそも人工進化の目指す究極の目標である超人とはいったいなんなのか? それが夏にはよくわからない。

 人工生命の定義とはなにか? それをどのように作り出すのか? それを生み出してなにをするのか? そんな基本的な情報ですら一般にはあまり開示されていない。

 机上の空論にしか聞こえない。専門家が少ないという理由もあるが、おそらく公にオープンにできないことが情報がきっとたくさんあるのだろう。それは理解できる。人類は性善説に基づいて共同体を築いてるわけではないからだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ