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「この道どこまで続いてるの?」夏は言う。

「どこまでって、ドームの壁までずっと続いているよ」

「よし。そこまで行ってみよう」

 夏は立ち漕ぎを始める。そうやってこげばこぐほど、夏は遥の自転車の性能に驚いた。本当に快適だ。夏の速度は周囲に吹く風よりも速くなった。

「澪は体はいらないの?」夏は話題を変える。

「体?」

「高性能なアンドロイドの中に入ったりとかさ、宇宙船を作るにも友達を探すのにも体がないとできないでしょ?」

「そうなの? あんなり考えたことがないな。それに体だってちゃんとあるよ?」そう言って通信機の画面の中で澪は体を動かした。(澪はさっきから腕時計と通信機の間を行ったり来たりしている)

「それは映像でしょ。バーチャルリアリティーだよね。そうじゃなくて現実の物質としての体のことだよ。そういうのって欲しくなったりしないの?」

「うーん、そうだなー」

 そう言ったあとで、澪はそのまま黙り込んでしまう。どうやら考え込んでいるようだ。夏は澪の答えを待つが、しかしいつまで待っても答えが返ってこない。澪はずっと沈黙している。(まるでコンピューターのフリーズのようだ)人工知能にこの種類の質問を聞いてもあまり意味はないのだろうか? それともあらかじめ思考にブロックがかけられているのだろうか? そうなのかもしれない。

 夏は自転車をこぐことに集中する。

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