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「澪は遥のどんなところが好きなの?」

「どんなところ? よくわからない。遥のことは好きだから好きなだよ」

 曇り空なのは残念だけど、大地は力強い自然を残している。人工的に自然を模倣しているだけなのに、本物の自然よりも自然らしく見える。(そもそも私は本物の自然、というものをきちんと認識したことがあるのだろうか? そもそも本物って、いったいなんだろうか? 私が生まれる前からこの世界にあって、私がこの世界を旅立っていったあとにも、この世界に残っているもののことを本物と呼ぶのだろうか?)偽物は本物よりも本物らしく見える。

 ……そこに人を騙そうとする意思が介入しているからだ。

 そんなたくさんの嘘に(わざと)騙されながら人間は今日も社会を営み、とても大きな世界の上で生きている。……ううん。私たちは生きているんじゃない。きっと私たちは生かされているんだ。

 本物の自然なんかに出会ってしまったら、人類はきっと、そんな過酷な環境下では生き残ることはできないだろう。人は自然から生まれたが、純粋な自然の中では生きていくことはできないのだ。(まるで海から陸に上がった最初の両生類のようだ)


 だからこそ、人工的に環境を作る。

 その究極の嘘が、今、この場所に建造されようとしている。もう直ぐ、なにかの記念碑のように(それともお墓かな?)完成しようとしている。

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