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 夏はこの世界に平等なものなんてないと思っている。外見や能力。才能。お金。価値観や地位。どれもみんな不平等だ。歪んでいて不自然な形をしている。

 以前、遥になぜ世界が不平等なのか聞いたことがある。(わからないことを遥にすぐに聞いてしまうのは夏の悪い癖だった)

 確か、世代交代のシステムがうまく機能していないことが原因だと遥が言っていたはずだ。(教育の上位概念とはつまり継承。なにを次の世代に継承させたいのか、その基準があまりにも曖昧なのだ)

 そうなのかもしれない、と夏は思う。

 遥は不平等を社会の構造上の問題として捉えているのだ。……研究者らしく。

 でも、夏は違う。(やっぱり違うと思う)

 それは個人の問題だと考える。

 たとえば寿命。

 長く生きる人がいる一方で短い人生を送る人がいる。……なんて不平等なんだろう。あとは時間だ。時間は平等ではない。私の時間と遥の時間は明らかに平等ではないと夏は考えている。(確信している)

 要するに平等とは嘘なのだ。

 そんなものは初めからこの世界に存在していない。人工的な概念だ。(人の頭の中にしか、ないものだ)人類が社会を生み出し他のはみんなを平等にするためではない。誰かを恨み、誰かに嫉妬して、自分を嫌いになりながらも生きていく。

 人は一人になると死んでしまう。だから社会を作り、誰かと繋がろうとするんだ。

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