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「私のコレクションの一部なんだ。澪はこの本を読んで宇宙に憧れるようになったんだよ」

「まだあるの!? すごい。だってこれ、失われた技術について書かれた本ってことでしょ!? かなり貴重ってことでしょ!?」

 夏は興奮する。夏は実は結構本が好きなのだ。いったいどこに隠していたのだろう? 遥の部屋に戻ってきた時間から考えて、あのコンテナ室に置いてあるコンテナの中だろうか? わからない。それにしてもすごい。

「そうでもない。結構隠し持っている人も多いよ。公にできないから正確な数はもちろん把握はできないけれど、大昔の秘伝のように技術を書き残して、後世に伝えている研究者は大勢いるんだ。まあ、ささやかな抵抗だね」

 夏は一度宇宙の本をテーブルの上に戻して、それから遥の持ってきた三冊の本をじっくりと興味を持って順番に見ていく。

 最初の本は今テーブルの上に置いたばかりの宇宙についての内容が書かれた古書だ。この本の中には人類の忘れてしまった宇宙の記憶と、澪の夢が詰まっている。きっと澪はこの本を繰り返して、何回も何回も読んだんだ。本を読むたびに夢に近づいていくような気がしてくる。そんな気持ちは夏にもわかる。子供のころの夏がそうだった。(ひょっとしたら、今もかな?)空想の世界に宇宙を丸ごと叩き込むのだ。澪の頭の中にはきっと本物の宇宙が詰まっているのだ。うん。なかなかかっこいい夢を持つ男の子だ。


 古書の表紙には大型のミサイルのような宇宙船と、その背景に地球と月と思われる惑星と衛星の形が描かれている。そのミサイルのような宇宙船の操縦席の上に夏は白いクジラの姿を思い浮かべて、澪には悪いけれど、ちょっとだけ笑った。

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