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 これだけの施設を制御できるのは確かにすごいとは思う。でもセキュリティーにまで人工知能を使用することはあまり感心しない。人工知能は人間ではない。しかし人間とあまり変わらない。人間が自分自身を模倣しようとして作り出したのが人工知能だからだ。人工知能のもっとも一般的な利用方法であるアンドロイド、つまりハードに至ってはすでに最高級品の観賞用、愛玩用アンドロイドならば、もうそれは人と見分けがつかないくらいだ。違うのは人権がないことくらい。ソフトはまだそこまで技術は到達していないが、というかおそらく到達することはできないけれど、人ではないとしても、ここまで人に近い存在に一方的に見られているという行為はあまり気持ちのいいものではない。もうそれは暴力と表現してもいいだろう。だからこそ人工知能による人の監視には細かい規制がされているのだ。夏の知らない法律の制約だってもっとたくさんあるはずなのだ。……ここまでが、いわゆる外の世界の一般常識。でも、どうやら澪は違うようだ。

「ねえ、遥。用事がないなら僕、もう帰りたいんだけど」ディスプレイの中では澪が体を捻じ曲げながらぐるぐると動き回っている。ディスプレイは小さいサイズのものではなく、大きめのサイズのものだけど、それでも澪は明らかに窮屈そうだ。

 なんでそんな狭いところにいるんだろう? もっと広い所で泳げはいいのに、とそんな澪を見て夏は思う。

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