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 そんなに精密に個人を検査する機能があるのなら、きっと、どこかで秘密裏に持ち物の検査もされていたのだろう。もしそうだとしたら、遥は夏がリックサックの中に拳銃を隠していることを事前に知っていたことになる。(と、いうことは、地底湖で泳いだあとにいつの間にかリュックサックの中からなくなっていた夏の拳銃を持ち出した犯人は遥なのだろう)

 ……でも、まあ、この規模の研究施設なら当たり前のことだ。夏自身、指摘されれば、すぐに破棄するつもりでいた。

 ただ、どうして、そのことを遥は直接、夏に指摘しないのだろうか? どうして勝手に拳銃を盗み出したりしたのだろうか? その答えはやはりわからないままだった。


「あった」遥が箱の中から一冊のスケッチブックを取り出した。

 それから続いて、小さな長方形の箱をスケッチブックのあとに取り出す。そちらはどうやらクレヨンのようだった。

「夏」遥はスケッチブックをめくった状態にすると、それを夏に向かって差し出した。

「うん」夏は移動してスケッチブックを受け取った。夏がスケッチブックのページを見ると、そこには不思議な絵がたくさんの色のクレヨンを使って描かれていた。

「照子が描いたの?」

「私の宝物なの。結構よく描けているでしょ?」

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