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「ようやく開いた。せっかくこんなに遠いところを友人が、それも久しぶりに苦労して訪ねてきたんだからさ、もっとさっさと開けなさいよね」

 レンズの収縮を繰り返す監視カメラにピースサインをしてから、夏は真っ白な建物の中に入って行く。

 研究所の地下は月のない夜のように真っ暗だった。さっき降りた地下の駅からは、真っ暗な闇の中にぽつりぽつりと街灯のような明かりが夏が移動するたびに夏の立っている場所と、それのやや前方の空間に灯って、それが道標となって、この白いたまごのような不思議な形をした研究所まで夏を導いてくれた。あまりに変な形をしているのでこれが目的の遥の研究所だと理解するまでに数分を要したくらいだ。

 暗闇の中で淡い光を放つ白いたまご型の建造物はとても美しかった。シンプルな球体のような外観も素敵だ。どこかしら現代芸術家の創作したアート作品のようにも見える。

 研究所の中に入ってみると外装だけではなく建物の内装も白一色だった。まるで映画の中で見る宇宙船のようだ。そういえば研究所の外観もどことなく宇宙船に似ていた。もしかしたらこの建物は研究所ではなく本物の宇宙船なのかもしれない。

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