襲来
『死煉の扉』の前で永久の闇は瞑想していた。
修行開始から4日ほど経つだろうか。
それまでの間に永久の闇は何も食べたり飲んだりせずに各自の様子を見ながらも『死煉の扉』を保っていた。
本来『死煉の扉』は膨大の闇の力が必要でその辺の闇の住人程度では持って1日が限界である。ましてや3人分など普通なら闇のオーラがマジョスティックディメンションにオーバーフローされ死を招く。
まさに「真闇」を自在に操れる彼だからできる芸当である。
(殺気!?)
咄嗟に永久の闇は10時の方向に闇のオーラを飛ばし辺りを吹き飛ばす。
そしてそこには一人の男が立っていた。
「おやおや。気配を消していたはずなのだが」
光のオーラを放出させながら槍を召喚するその男。
クリス・ディオールである。
「連邦の幹部殿がこんなところに何の用かのう」
「答える必要など無い。が、まさか貴方ほどの大物に出会えるなんて光栄ですよ」
クリスは何かを知ってるような口ぶりで永久の闇の前に立つ。
「その首、貰い受ける!」
クリスは永久の闇へ向け槍を突き出し突貫。
その速さは○ルマインの如く。
ガシッ
「お引取り願おうかのう」
永久の闇は槍を素手で受け止める。
さらに手には闇のオーラを纏い槍を圧し折る。
「ほう。」
クリスは瞬時に新しい槍を召喚し再度永久の闇に突きを繰り出す。
ピタッ
「懲りぬ男じゃのう」
永久の闇は突きを指で挟むように受け止めながら言葉を返す。
クリスはすかさずバックステッピで距離を取る。
「フ…流石、かの有名な『永久の闇』…いやこう呼ぶべきですかな?」
クリスはニヤリと笑いながら余裕を見せる
「『エターナルカイザー』殿?」
「…ほう。その名で呼ばれるのは何百年ぶりかのう!」
永久の闇は静かに闇のオーラを放出させた。バルサンの如く。
「やっと戦う気になったか…。が、そう長くは持ちますかな?」
クリスは槍を構え攻撃態勢を整える。
本来永久の闇にとって本気を出せば楽に勝負を決める事など容易。
が、永久の闇は4日間闇の力を使い、3人分の『死煉の扉』を維持している。
実際のところ流石の永久の闇とは言えど連邦の幹部クラスを相手するとなると分が悪い状況にあった。
その事を分かっていてか、クリスはニヤリと勝ち誇った表情で永久の闇を見ていた。
「ここはなんとしても死守するけんのおォ!」
そう言うと永久の闇は杖と突き立てゆっくり立ち上がる。
全身には最低限のオーラを纏い、クリスの攻撃に備える。
ダッシィ!!!
クリスが動いた。
光のオーラを放ち、槍にもオーラを纏わせる事で攻撃に特化した突きを繰り出す。
先ほどまでとはスピードとパワーが違った。
ギィィイン!
永久の闇は杖に闇のオーラを纏い突き出し、槍を受け止める。
それぞれのオーラがぶつかり合い、周囲には衝撃波が飛ぶ。
「やりますな。だが…」
クリスはそう言うと瞬時にもう一本の手に槍を召喚する。
「こっちがお留守ですよ!!」
クリスは光のオーラを込めた槍を永久の闇の後ろの『死煉の扉』へ投げつける。
突撃は陽動。初めから狙いは扉だったのだ。
ドスッ!
槍は鈍い音を立て突き刺さる。




