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闇空  作者: 闇の使徒インフェルノカイザー
第十七章 ~聳え立つ巨塔。解き放たれるは救済か破滅か~
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大自然

獄狼(ゴクロウ)ッ!!!!」


バッチコォォオン!!


タケシの胸部に貫くような衝撃が炸裂した。

ダーク・ウルフが繰り出した渾身の突き攻撃・・・。それは凄まじい衝撃と共にタケシの肉体を引き裂いた。

背後に存在していた岩の壁をも突き破り、タケシは強烈な横方向へのベクトルと共にぶっ飛ばされ、地に墜ちた。


「な・・・何だ今の攻撃・・・!?」


一連の戦いを見ていたインフェルノカイザーは驚嘆の表情と共に一言発する。

そう、無理もない。ダーク・ウルフが見せた金色のオーラを纏った攻撃・・・。

そんなものをダーク・ウルフが使った場面を今までインフェルノカイザーは見たことが無かった。

幼い頃からのマヴの二人だったがここに来て知らん技を魅せたのだ。驚くのも無理もない・・・。


「あれは・・・闘技場チャンピョンの獣王が得意としていたビースト拳・・・!!」


「ビースト拳!?」


驚愕するインフェルノカイザーの隣で驚きつつも冷静に分析するシャイニングカイザー。


「その身に宿した野獣のパワーを身に纏い、強力な体術を扱うとされる・・・それがビースト拳です。まさか獣王以外にもビースト拳を扱う者がいようとは・・・!」


「そういえば戦艦で獣王と相対した時そんな技使ってたな。だがウルフの野郎がそれを使ってんのは初めて見たぜ・・・一体いつの間に・・・」


「ウルフさんは空中戦艦での戦いの際に獣王と協力し、十二幹部ゾディアックの一人と戦ったと聞いています。おそらくですがその時にビースト拳を授かった・・・と言った感じでしょう・・・」


かつて・・・闘技場のチャンピョン、獣王との闘いにてダーク・ウルフは”(ロク)ノ型・獄狼(ゴクロウ)”を発動した。

だがその際は見よう見まねで技を発動し、ビーストオーラの代わりに闇のオーラで代用していたためパチモンであった。そう、カニカマだ。

だが此度の拳は違う。獣王にボロクソにダメ出しされていた踏み込みのリズム、間合いの管理はばちこり改善!

そして左目の魔眼に封じられているビーストことダルクより受け取ったビーストオーラ・・・。

これらを組み合わせ、ダーク・ウルフはついに真のビースト拳を会得したのだ。

その類まれない戦闘センスはインフェルノカイザーに劣らないだろう・・・。


「なるほどあの時か・・・。ウルフの野郎・・・!また強くなりやがったな!俺も負けてらんねぇぜ・・・!!」


ビースト談義に花を咲かせるカイザー共はダーク・ウルフを賞賛する。

そんな中でシャイニングカイザーはそれでもインフェルノカイザーの方が数倍強いと思ったがそれは言わんでいい事なので黙っておいた。


「まるで荒れ狂う狼の如く荒々しい攻撃・・・。その爪撃は万物を引き裂き、真実を貫く・・・。正に地獄の狼の一撃と言って差し支えないでしょう・・・」


「・・・?そうだな・・・」


シャイニングカイザーは満足げな表情で技の所感をポエムに乗せ謳う。

それを聞いたインフェルノカイザーは言ってる意味は理解していなかったがかっけぇ事言ってんな的な感じで同意しておいた。


「・・・ハァ・・・ハァ・・・!やった・・・!」


一方で、右腕を突き出したままダーク・ウルフは息を切らしていた。

右手からは強力な攻撃後の余韻を感じさせる煙がまろび出ており、その破壊力を物語っていた。


「やったな!オイッ!!」


バシッ!


そんなダーク・ウルフに対し、大声と共に肩を叩くハゲ、そう。エルリークだ。


「まさかあんな奥の手を持っていたとはな・・・。流石は闇の使途と言った所か・・・。まぁ万全なら俺の方が強いが・・・」


アージョもダーク・ウルフに賞賛の言葉を述べつつ合流する。

ダーク・ウルフは何言ってんだコイツと思ったが気分が良かった為スルーした。


「へへっ!確かに作戦通りだったが指示通り動いてくれたお前等のおかげだぜ。この勝利は俺達三人で勝ち取った勝利だ!」


ギリギリもぎ取った泥臭い勝ちだって、どんな時も俺達すべてを賭けたんだ・・・。

そう言わんばかりにダーク・ウルフは白い歯を見せ、勝利を噛み締める。


「それにシャインもな・・・!」


ダーク・ウルフは振り向き、シャイニングカイザーにアイコンタクトをとる。

誰一人として欠けてはこの結果は得られなかっただろう。まさに友情の勝利だ・・・!!


ポツ・・・


「あん?」


その時、勝利の余韻に水を差すかのようにエルリークの頭皮に違和感が走った。

反射的にエルリークは右手を頭に伸ばし、その違和感の正体を確認する。


「・・・水?」


違和感の正体は水滴だった。

決して汗ではない。それは上空から落下してきた物であった。


ポツ・・・ポツ・・・


「ん?」


「え?」


ダーク・ウルフ、アージョも遅れてそれに気が付いた。

上空から降ってくる液体の正体・・・もはやそれは言うまでもないだろう。


「雨ェ!?」


インフェルノカイザーは天井を見ながら驚いた様子で言う。

そう、無理もない。なぜならここは室内だから。そう、無理もない。

ダークネス・ダーク・タワーの地下深くに存在するこの空間に雨が降る事などあり得ない。

だがそんな常識を打ち破るかのように天井付近には雨雲が漂い、徐々に雨脚が強くなっていくではないか。


ゴロゴロ・・・!


挙句の果てには雷も鳴り出した。

唐突に立ち込める暗雲。コイツは嫌な予感しかしないぜ・・・。


「皆さん!様子が変です!ここは一旦集まり態勢を・・・」


シャイニングカイザーがそう言いかけた刹那・・・!





ピカッ!!!





強烈な閃光が室内を照らした。





ドゴァァアァアアアン!!!!





そして一瞬遅れて爆音が鳴り響く。

言うまでもない・・・。雷だ・・・!!


「・・・がッ・・・!?」


訪れる静寂。

インフェルノカイザーはいつの間にか地に付していた。うつ伏せで。

そして全身に焼ける様な激痛が襲いかかる。同時に体全体が痺れて言う事を聞かない。

それはインフェルノカイザーだけではなかった。

周囲にいたシャイニングカイザー、ポラリスも同じように倒れており、ダーク・ウルフ、エルリーク、アージョの三人もその場に倒れこんでいた。

そう。突如落ちた雷は一同を飲み込み、一瞬にして戦闘不能に陥らせていたのだ。


「・・・いや~!ビックリしたねェ!まさかオレっちが不覚を取るなんてねェ!」


静寂をぶち壊すふざけた口調が室内に響き渡る。

その正体は言うまでもないだろう・・・。


「タケシ・・・ッ!!」


ポラリスはその名をひねり出すように呟いた。

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