ティーパーティーへの招待
「なんで、こうなるんだ?」
「あなたの教え方が悪いのですわ」
「ざけんな。食材、調味料に余計なものは加えてない。調理手順もずっと見てたから間違いない。にもかかわらず――てめぇの料理にモザイクかかんのはどうなってんだ!!!」
「わたくしに聞かれても困りますわ」
「盛り付け直前までは問題ないんだ。盛り付けた瞬間にモザイクかかりやがる。もう、異能力の類だろこれ。なに? お前、どくタイプ?」
「失礼ですわね。わたくしはフェアリータイプですわ」
「あ? 脳内ファンタジーって意味か?」
「お二人とも落ち着いてください。メイさんの補助は茉奈花がやりますから」
朝からキッチンで梗夜君とメイさんがいつものように揉めている。
それを茉奈花がなだめている。見慣れた光景だ。
「それで次回の配信の企画はこれでお願いします」
「え~~、おじさん、またやるの?」
「当たり前です。ファンの方を裏切るつもりですか?」
「裏切るもなにもVtuberはもういいんじゃないかな~。AIがやってくれるんでしょ?」
「ええ、ですが、あなたのファンはあなたを求めているのです。AIではダメなので、これから最低でも週3での配信をお願いします」
「うへー、おじさん、過労死しちゃうよ~」
「なるほど。ファンが喜び、あなたに死の可能性が付きまとうと。まさに一石二鳥ですね」
「少しは言葉を選ぼ? 流石のおじさんも泣いちゃうよ?」
リビングでは風真さんとルミエルさんがVtuberの企画について話し合っている。
「し、白撫ちゃん、こ、今度は一体なんなの……?」
「お主の角からは常に微量の魔力が漏れ出ておる。それをバッテリーのように一時保存する実験じゃ」
「で、でも、体中に電極を張るのは、な、なんで?」
「身体情報をモニタリングするだけじゃ。うっかり魔力を吸い上げすぎて、死なないようにせんといかんからのう」
「死……っ!? こ、これ、ほ、ホントに大丈夫なんだよね!?」
「安心せい。意識飛ばん程度には加減するからのう」
「い、いや、ちょ、ま……!」
一階に新設された実験室では白撫がゼラを被験体として、実験を行っていた。
「ホント、人増えたなぁ」
ここ一カ月でうちはだいぶ賑やかになった。
今何人だ? 9人?
全ての始まりはプリムラだ。
彼女がうちに来てから、色々とおかしなことになってしまった。
「あ、先輩。先輩宛に封筒が来てましたよ」
郵便受けから新聞を取りに行っていた竜胆から黒い封筒を受け取る。
「なんだろうこれ。差出人の名前がないけど」
少し不気味なその封筒に嫌な予感を感じながらも、側面を破いて中身を取り出す。
「……ティーパーティーの招待状?」
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「リリアナ様、よろしいでしょうか?」
ハートの仮拠点である廃工場。
その地下にある寝室でリリアナはクリームヒルトから勧められた少女漫画で恋愛について学んでいた。
そこに黒い封筒を手にしたシスティがやってくる
「今、いいところなのだけれど。急ぎかしら?」
「はい。ティーパーティーへの招待が来ました」
「そう。思ったよりは分かったわね」
「はい、唯野憐太郎が魔王候補として正式にエントリーしたことにより、次期魔王候補が出そろいましたので」
「始まるねの――――」
*
「ついに! この時が! やって来たわ! 魔界一目立って! 目立って! 目立ちまくって! ダイヤの魔王候補であるアタイがナンバーワンと証明してみせる!」
*
「…………オッドゲイルか。何の用だ」
「ティーパーティー開催の知らせです、デイヴィッド様」
「準備は?」
「出来ています」
「なら、潰せ。徹底的にだ。オレの統べる魔界に弱者は不要だ」
*
「――――魔王選定戦が」




