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自称コンサルタントのギャルが僕を魔王にしようとしてくる  作者: 結生


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13/22

深夜のメイドさん

「って言うことがあったんだよ」



 その日の夜、今日あった出来事をゼラに話していた。



『は? なに? 友達いる自慢?』

「い、いや、別にそんなつもりじゃ……」



 そして、何故か怒られた。



『あーあ、いいご身分ね。流石、レン様』

「やめて……」

『ついこの前まではほぼ毎日遊んでたのに、最近じゃめっきりだもんね。学校楽しいもんね。お友達いっぱいだもんね。陽キャは忙しいもんね』

「そんな……別に……そんなこと……」

『これはあれだわ。仲いいと思ってた人は実は自分以外にも仲のいい人がいて、自分はその中の大勢の1人だった時の疎外感ね。うちに友達と呼べるのはレンだけなのに。あーショックだわー。もうお友達辞めちゃおっかなー』



 ダメだ。完全に拗ねてしまった。こうなったら……。



「実はプリムラの写真が手に入ったんだけど……」

『うちら、ズッ友だよ!』



 この人もチョロかったわ。



『くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」…………』



 プリムラの画像を送った瞬間、叫び声と共に通話が切れた。

 どうやらお気に召したようだ。



「さてそれじゃあ……」



 時刻はもうすぐ21時を回る。



「そろそろコンビニにでも行こうかな」



 21時を回るとプリムラのお勉強会が始まってしまう。その前に姿を隠さなければ。

 財布とスマホだけ持って、僕はプリムラにバレないようにこっそりと家を出た。


 夜、コンビニに向かう時、世界が変わったような、そんな気分になる。

 朝とは違う、学校に行くときとも違う、制服じゃない、ラフな格好、少し肌寒い夏の風。

 何か新しい物語が始まる予感。



 って梗夜(きょうや)君が言っていた。

 本当に厨二病なんだから。



 ま! 僕もそう思ってるけどね! 夜のコンビニ最高! このまま異世界転生したい!



「あなた方、しつこいですわよ」

「なぁなぁ、そう言わずにさぁ。これからねぇ、いいだろう?」



「ん?」



 コンビニに向かう道すがらとんでもないものを見つけてしまった。

 女性が複数の男性に言い寄られているシーンだ。

 漫画でしか見たことない! 実在したんだ!

 けど、それよりも驚くべきなのは、その口説かれている女性の方だ。



「ですから、何度も言っていますわよね? わたくしは人を探しているのですわ」



 長く艶やかな栗色の髪、身長は僕より高く、プロポーションは完璧。モデルかと見まがうほどの美しい大人の女性だった。

 

 けど、着ている服はメイド服だった。


 なんで?



「おいおい、そんな格好しててつれないこと言うなよ。夜のご奉仕、してくれよ~」



 お前が言うなよ。そんなベッタベタなセリフ。

 漂うモブ感。彼かの行く末が見える。見聞色の覇気極めちゃったかも。



「知らないのなら、あなた方のお相手をしている暇はないですわ」

「そんなこと言わずにさ~」



 諦めの悪いモブたちは彼女の手を引っ張って気を引こうとする。



「困りましたわ…………あ」

「え?」



 目があってしまった。あのメイド服の女性と目があってしまった。



「やっと見つけましたわ。それではみなさん、ごきげんよう」



 メイド服の女性はモブたちに手を振って、僕の方へとかけてきた。

 なんで?



「さ、行きましょう」

「さ? え? どこに?」

「………………」

「はい……行きます」



 彼女が無言で圧力をかけてきたので、渋々話を合わせた。

 それを見たモブたちは「なんだよ。彼氏持ちかよーちぇー」と言って帰ってった。

 意外と聞き分けと判断が早い。

 多分天狗にビンタされないよ。よかったね。



「失礼しました。話を合わせていただいて」

「いや~……はい」



 無言の圧力がすごかったからね。それにそこまで手間ってわけでもなかったし。



「それよりも、人探しをしていたんですよね?」

「そうですわ。もしよろしければ、あなたにもお伺いしたいのですが」

「見たことある人だったら。どんな人ですか?」

「髪は綺麗な金色で、長髪ですわ」



 僕の知っている金髪って言えば、プリムラくらいなもんだけど。



「身長はあなたと同じくらいで、スラっとした体形ですわ」



 プリムラだなぁ。



「天真爛漫で周りを明るく照らす女性ですわ」



 やっぱ、プリムラか。



「それでいて、誰よりも優しく、人を思いやれる素敵なお方ですわ」



 ほな、プリムラとちゃうか。



「ごめんなさい。知らない人です」

「そうですの。お手を煩わせてしまいましたね。それではわたくしはこれで失礼させていただきますわ」

「はい、お気をつけて」



 そして、その女性はそのまま去っていった。



「なんだったんだ……あの人。コスプレイヤー?」



      *



 憐太郎と別れた後、その女性は彼に見つからないように後をつけていた。

「…………あれが唯野憐太郎(ただのれんたろう)。お姉さまは絶対に取り返して見せますわ」


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