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もふもふ聖獣はサーシャがだいすき!  作者: 早乙女姫織


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第二十一話 咆哮

春の祭りが終わった翌日、村の子どもたちは「森で遊びたい」と声を上げた。


祭りの余韻が残る広場にはまだ花輪が飾られていたが、子どもたちの心はすでに次の冒険へと向かっていた。


サーシャは彼らの願いを聞き入れ、もふもふと共に森へ向かうことにした。


「森は危険もあるけれど……みんなで行けば大丈夫。もふもふも一緒だしね」


子どもたちは歓声を上げ、手を取り合って走り出した。


もふもふは尻尾を揺らし、彼らの先頭を駆けていく。


森の入り口は柔らかな光に包まれていた。


木漏れ日が地面に模様を描き、鳥の声が響く。子どもたちは花を摘み、枝を拾い、笑い声を上げた。


サーシャはその後を歩き、彼らを見守った。


「見て! 青い花だ!」


「こっちは赤い花!」


子どもたちは花を集め、冠を編んで頭に載せた。


もふもふはその輪の中に飛び込み、尻尾を揺らして走り回った。


「もふもふも花冠をつけよう!」


子どもたちは笑い、花をもふもふの頭に載せた。獣は嫌がることなく、満足そうに鳴いた。


森の奥へ進むと、小川が流れていた。


水は澄み、石の間を音を立てて流れている。


子どもたちは靴を脱ぎ、足を浸した。冷たい水に声を上げ、笑い声が広がった。


「気持ちいい!」


「魚がいる!」


もふもふは川辺に座り、子どもたちを見守った。


サーシャは川の水をすくい、祈りを捧げた。


「この水が、村を潤しますように」


光が広がり、水面が輝いた。


子どもたちは目を見開き、やがて笑顔を浮かべた。


「聖女様の祈りだ!」


その声にサーシャは微笑み、胸の奥が温かくなるのを感じた。


さらに進むと、木々に囲まれた小さな広場に辿り着いた。


草が柔らかく、花が咲き乱れていた。


子どもたちは走り回り、かくれんぼを始めた。


もふもふは木の陰に隠れ、尻尾だけが見えていた。


「見つけた!」


「もふもふ、尻尾が見えてるよ!」


笑い声が広場に響き、森は穏やかだった。


サーシャは木の下に座り、子どもたちを見守った。


王国で孤独に沈んでいた日々とは違う。ここでは、人々と共に笑っている。


だが、夕暮れが近づくと、森の空気が変わった。


風が止み、鳥の声が消えた。子どもたちは遊びを止め、耳を澄ませた。


「……静かだ」


「どうして?」


もふもふは耳を立て、低く唸った。


サーシャは胸に手を当て、不安を覚えた。


森の奥から、重い気配が漂っていた。


突然、森の奥から咆哮が響いた。


低く、重く、地面を震わせるような声だった。


子どもたちは悲鳴を上げ、サーシャの傍に駆け寄った。


「魔物だ!」


「怖い!」


もふもふは前に立ち、尻尾を揺らして唸った。サーシャは子どもたちを抱き寄せ、祈りを捧げた。


「神よ……どうか、この子たちを守ってください」


光が広がり、広場を包んだ。


だが、咆哮は止まらず、森の奥から近づいていた。


子どもたちの笑い声が消え、森は恐怖に包まれた。

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― 新着の感想 ―
 サーシャさんの見守りのもと、森での冒険やかくれんぼ、色彩ゆたかな花での冠づくりを楽しむ子供たちや、それに交じり、時には分けてもらった冠をふるい落とさず、御礼ともとれる鳴き声を出すもふもふちゃんの光景…
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