第三章 光と闇2
──城に到着して間もなく、サンたちは王室へ呼び出された。
重厚な扉が開く。
サンが正面を見ると、
王が座るはずの玉座には──王妃が堂々と腰掛けていた。
その両脇には、
左に教皇、右に第一王女モネ。
モネはサンを見るなり、
宝石のように瞳を輝かせた。
「……王様は?」
サンが王妃に尋ねると、
教皇が一歩前に出て、静かに答えた。
「国王は他国で重要な会議中だ。
しばらく戻らん」
その言葉が終わるより早く、
第一王女モネが勢いよく立ち上がった。
「お母様、もういいでしょ!
わたし、勇者様のお話が聞きたいの!」
サンは慌てて口を開く。
「いや、その……俺は──」
だがその声をかき消すように、
王妃が命令口調で言い放つ。
「サン。モネの話し相手になりなさい」
完全に“命令”だった。
モネは嬉しそうにサンの手を掴む。
「きゃっ、勇者様! お庭でお話しましょ!」
サンが抵抗する間もなく、
モネはそのままサンを引っ張って庭へ向かっていった。
ぽつんと残されたルビーとアリス。
王妃は二人に、
まるで“そこにいることすら邪魔”と言わんばかりの視線を向ける。
「何をしているの。下がりなさい」
興味すらなさそうな、冷たい声。
ルビーとアリスは同時にムッとした顔になった。
「……やな感じ」
二人は小声でそう呟きながら、
王室を後にした。




