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第1話 4/8(月) 転校生と謎の世界 後編

「赤城、くん……?」


 そこに立っているのは、間違いなく赤城だ。でも、手に纏っている炎は一体……⁉︎

 すると、地面から先程と同じ怪物が2体現れた。また襲われる!


「ちっ、お前らは焼かれてろ!」


 赤城は再び火炎弾を放ち、怪物2体を瞬く間に灰にしてしまった。

 助けられた身でなんだけど、ちょっと怖い……

 そう考えている内に、赤城は手の炎を消して正記に近づき、無理矢理正記の体を起こした。


「一応歩けるみたいだな。ついてこい」


 え? ついてこいって、どこに?

 きょとんとしている正記に、赤城は少しイライラしているようだ。


「ここから出たくないのか? 早くしないと、またあいつらの餌食になるぞ。それはご免だろ? なぁ⁉︎」


 半分恫喝みたいだ……! でも、彼の言う通り、このままだと丸腰の自分はあの怪物の餌食だ。正記はいろいろな意味で恐怖心が消えないまま、赤城についていくことにした。


 赤城に聞きたいことがたくさんある。でも、いっぺんに聞いたら絶対怒るよな……とりあえず、1個だけ聞こう!


「ここ、何なの? 多分だけど、来戸町(らいとちょう)じゃないよね?」


 赤城はこちらを振り向かずに答えた。


「……異世界だ」


 異世界か、なるほど。……って、え⁉︎ 異世界⁉︎ アニメとか漫画じゃあるまいし! でも、赤城が冗談を言っているようには思えない。


「とにかく歩け。早く出口に行かないと、さっきの怪物より強力なのが来る」


 絶対やだ! とにかく、今は赤城を信じて歩くしかない。

 でも、言葉はキツいけど、意外と声のトーンに優しさがある気がする。先入観で怖いと思ってたけど、案外いい人なのかも……?


 そう考えている内に、向かう先に無色透明の穴のようなものが見えてきた。もしかして……!


「出口についたぞ」


 やった! 帰れるんだ! 正記の気持ちに、ようやく大きな余裕が出てきた。


 その時、何かが上を通り過ぎたかのように、一瞬正記たちは何かの影に覆われた。

 次の瞬間、先程の怪物たちよりも大きく、まるで燭台のような姿の怪物が、正記たちの前に立ちはだかった。


「『ヌシ』か……聞け、俺が奴を引きつける。その隙に出口から脱出しろ。いいな?」


 それって、赤城くんが囮に⁉︎ そんなこと……! しかし、赤城の決意が固いのが、目を見てわかった。

 このまま、置いていけってこと……? でも、助かるにはそうするしかない……正記の中に迷いが生まれた。

 赤城が怪物に火炎弾を放ち、怪物の視線を自分に集中させていく。怪物が赤城を追って、少しずつ出口から離れていく。


「行け! 早く!」


 赤城は怪物に高火力の炎を放つ。しかし、怪物は炎を浴びても平気そうだ。


「熱耐性持ちか……くそっ!」


 怪物が腕で赤城を薙ぎ払う。赤城は苦しみの声を上げ、平原を転がされた。


「赤城くん!」


 このまま……このまま赤城くんを置いていくなんてできない! 自分を守るために戦って、あんなにボロボロになっているのに!


 正記は思った。自分のこの気持ちに、嘘をつきたくない!

 

 その時、正記を不思議な光が包んだ。正記は体の中に、力が流れ込んでくるのを感じた。

 この力の使い方は、きっとこうだ……!

 正記の周りに、不思議な文字が浮かぶ。その文字が均等に並んだ時、正記は叫んだ。


「『書換』熱耐性、解除!」


 すると、怪物は何か違和感を感じたらしく、自分の体を見回した。


「今だ! 赤城くん!」


 赤城は立ち上がり、高火力の炎を放った。怪物は雄叫びを上げながら、灰となって散った。


「熱耐性が、なくなってる……⁉︎」


 赤城は驚きを隠せなかった。あいつ、一体何を……

 すると、周りの景色が歪み、正記がいた通学路に戻った。

 正記は自分に何が起こったかよく理解できていなかった。よく分からないことを叫んだような……?


「お前、阿久津、だったか?」


 赤城に呼ばれ、正記は自然と体がすくんだ。何か変なことしたかな?


「お前も『ヒーロー』なのか?」


 夕日が照らす中、静かな風が2人の髪を揺らした。

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