#49 遺跡と魔物の謎
魔物の謎なんて書いてますが、そこまで深い話ではないです。
いいタイトルが思いつかなかっただけなのであまり気にしないでください。
お詫び
先日投稿した時に商人のセリフと主人公のセリフが混じっておりました。
お詫び申し上げます
「おはようございます。マサトさん。今日はお一人ですか?」
ギルドに入ると受付嬢のハンナさんが話しかけてくる。
ハンナさんというのは王都のギルドで俺を担当してくれている人だ。
腰まで伸ばした黒髪と整った顔立ちで冒険者の間では結構人気らしい、初めて会ったとき少しだけ見惚れていたらシャルに脇腹を抓られたのでそれ以降あまり見惚れないように努力している。
少し嫉妬するシャルがかわいかったので頭をなでてやるとフワッと笑ってくれたのでまた頭をなでたいと思う。
おっといけないシャルの笑顔を思い出してにやけてしまうところだった。
慌てていることを悟られないように一つ咳払いをして話を進める。
「はい、ティーナたちが魔力切れで家にいるらしくって。シャルは王宮に昨日呼び出されたらしくって。家にいても仕方ないので、いい依頼ないかと思って」
「あ、それでしたらこの依頼はいかがでしょう。結構報酬もいいですし、一人にはうってつけの依頼だと思います」
そういってハンナさんは一枚の依頼書を取り出す。
「遺跡の調査依頼ですか」
「はい、王都から馬車で数十分というところに一つの遺跡が発見されたのですが、発見したのが冒険者ではなく商人だったためその遺跡にどんな魔物がすんでいるのか分からないんです」
ハンナさんは困ったように続ける。
「と、いうわけで、マサトさん。この依頼受けてください。戦闘は依頼の範囲外ですので強力な魔物が出てきたら撤退してもらって構いません」
遺跡には時々、歴史的な遺産が残っている可能性があるため国の調査団が入ることがほとんどだそうだ。
しかし調査団は冒険者ではないので魔物が出てきても対処できない可能性が高い。
そのため事前にギルドが高ランク冒険者に依頼を出しておき、ある程度の魔物を倒しておいてもらう。
高ランク冒険者が手におえないような強力な魔物が出た場合はギルドによって討伐隊が組まれる。
俺のランクは三に上がっているので一応高ランク冒険者と言えなくもないがランク三までならなろうと思えばなることが出来る。
依頼書を見てみると確かに報酬は高めになっている。
「分かりました」
「ありがとうございます」
それから依頼の手続きを済ませ俺はその遺跡に向かうのだった。
「依頼を受けていただいてありがとうございます」
依頼を出した商人が馬を操りながら話しかけてくる。
本当は俺一人で向かうつもりだったが、商人が馬車を出してくれるというので甘えることにした。
商人の馬車はそれなりに広く、人が二人までなら余裕寝転べるほどのスペースがあった。
「いえいえ、ランク三の冒険者の方です、恩を売っておいて損はありませんから」
やはり商人というべきかどんな時でも商売のことを考えているようだ。
「遺跡を見つけた時、冒険者を連れていなかったんですか?」
商人の恩を売っておくなどの発言をスルーして俺は依頼を受けた時から疑問に思っていたことを商人に聞く。
普通の商人なら盗賊が出る可能性も考えて冒険者を二、三人雇っているものだ。
冒険者がいたなら遺跡の中を少しぐらい確認することもできただろう。
「いえ、雇っていたには雇っていたんですが、旅の途中で盗賊に襲われまして、幸い商品に被害はなかったんですが納期が迫っておりまして、せめてギルドに知らせようという事になったんです」
なるほどそれなら仕方がないのかもしれない。
商人というのは信用第一の職業だ。
下手に手を出して納期に間に合わないなんてことになったら一気に信用を失ってしまうだろう。
「しかし変ですね」
商人があたりを見渡しながらポツリと呟く。
「変?」
「はい、王都の周りはなぜか魔物が多く生息していまして、私のような商人の馬車を襲う事も少なくないんですよ。私たち商人が冒険者を伴って移動するのはこれを警戒してのことなんです。しかし最近は王都の周りで魔物に襲われたという話を聞いていません」
「それはいいことなのでは?」
「はい、本来なら我々は喜ぶべきことです。しかし王都には冒険者がたくさん住んでおり、それでも我々は魔物に襲われていたのです。それが急に無くなったので少し戸惑っている商人も少なくないようです」
確かに妙な話だ。
いままで冒険者が倒しても倒しても出ていた魔物がある時を境に全くでなくなっている。
魔物の生息数が減ったのか、と問われればそういうわけではなく、ギルドには魔物討伐依頼がいつものようにおいてある。
魔物がいなくて探すのに苦労したという話も聞いていない。
つまり魔物の数が減ったわけでもないのに今まで街道に出ては商人を襲っていた魔物が急にでなくなったという事だ。
「しかし、本当に出ませんね。魔物。いつものこの時間帯なら、リザードマンや、ストームウルフなんて出てもおかしくない筈なんですが」
商人につられてあたりを見渡すが確かにそれらしき魔物の姿は見当たらない。
「あ、見えてきましたよ。あそこです」
魔物が見えないかとあたりを見渡していると、商人が目の前の中を指さす。
その方向を見ると確かに遺跡らしきものがちらちらと見えている。
まだ距離は遠いらしく、輪郭が見えている程度だが、なんとなくピラミッドに似ている気がした。
「でもよく見つからなかったな、今まで。こんな遠くから見えているんだから商人が見つけてもいいはずなんだが」
「それは私も疑問です。私もこの道を何十回と通ってきましたが今まで気づきもしませんでした」
商人と俺はそろって首を傾げるが理由がわかる筈もなく、ただ時間だけが過ぎていく。
それから十分ほどしたとき商人が俺の肩を叩き、遺跡のある方向を指さす。
「どうし……た」
俺は開いた口が塞がらなかった。
十分前まであったはずの遺跡はどこにも見当たらなかったのだから。
最後の方少し書いていてホラーっぽくなったのは俺の気のせいだと信じたい(願望、作者が少し怖くなっただけです)
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