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魔王の俺が召喚されたのは異世界でした  作者: 三剣 シン
第四章 異世界の秘密
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♯43 買い物と水着

今回短くてすいません

 王都のギルド近くの裏路地へ続くゲートを開き王都に入る。

 今回も前回の婚約者の件の時みたいに直接王宮までゲートで行けばいいと思ったのだが、そうはいかないらしい。

 この前俺が王宮の目の前に出たせいで、これでは警備の意味がないと警備隊長のダンさんが進言したらしく、王宮から半径十キロに大規模な結界が張られているらしい。

「結界を張るのにどれだけの魔法士がいると思っているんですか。もうちょっと考えて行動してください」、と、宿に帰ってきた後シャルに小一時間ほど正座で説教されたのはここだけの秘密だ。

 どれだけの人数が必要か分からないが、シャルの怒り方から見るに相当な人数の魔法士が必要なのだろう。

 というか魔法士って何? よく耳にする言葉ではあるが、きちんとした意味を俺は知らない。推測するに、魔法士というのだから、魔法を扱う職業なのだろうか? いつか機会があったら誰かに聞いてみようと思う。


「で、今からどうするの?」


 今日の婚約の話だとか、大きな家に住んでほしいとかいう話は夕食を食べながら、という話だったのだが、「それまでに行きたいところがあるから」と女性陣に言われてしぶしぶ午前中のうちに出てきたのだ。そんなことがなければ、午前中は部屋でひたすらゴロゴロするつもりだったのに。

 女性陣に逆らえない自分が恨めしい。


「今日は水着を買いに行きましょう。それにマサトさんの夏服も」


 み、水着。そういえば最近なんか熱くなってきたなー、と思っていたが。

 まさかこんな中世のヨーロッパを体現したような世界に水着があるとは。中世のヨーロッパに水着があったか知らないが……。

 水着があるならまさか日本で六月ぐらいから体育の授業で、中学生とかが入るアレもあるのか?


「まさか、プールはないよな?」

「プール? なんですか? それ」


 どうやらプールはないようだ。

 少し残念な気がする。あの滑り台みたいなやつやりたかった。決してやったことがないというわけではないが少し異世界のやつもやってみたかった。

 ちなみにあの滑り台みたいなやつとは、ウォータースライダーの事だ。

 今までの夏休みはネトゲのイベントなどがあり、あまり友達と遊ぶ機会がなかったのだ。

 というより、夏休み遊ぶほど仲のいい友達がいなかっただけなのだが……。

 しかし、まさかとは思うが、水着を買うのが一番の目的だったりはしないだろか? それだったら俺は女子の水着を選ぶためだけに朝早くから出かけなくてはいけないのだろうか。

 口には出せないがもしもそのためだけに午前中から出かけなければいけないなら、「なぜだー」と大声で叫びたい。

 実際には叫ばないが……。

 だってそんなことしたら絶対変な目で見られる。

 それだけは嫌だ。

 前から思っていたのだが俺の知り合いの女子の買い物にかける時間は異常だ。

 同じ物のために、平気で一時間は悩んでいる。これは俺の感覚がおかしいのだろうか。

 それとも、女子は皆こんなに買い物に時間をかけるものなのだろうか。

 やはり女子の事は、分からない。


「じゃあ、行きましょうか」


 ティーナの掛け声によって、皆がぞろぞろ路地裏から出ていく。

 こんな人気のない路地裏から何人もの人がいっぺんに出て行ったら、さすがにおかしい気もするのだが、皆はそれを分かっているのだろうか?

 いや絶対に分かっていない気がする。

 せめて、出る場所を分けるとか、時間を少し置く、などの事をしておいた方がいいと思うのだが……。

 一応言ってはみたのだが女子全員が首をかしげて「なんで?」と言うものだから、さすがに諦めた。そんな俺の努力を分かってくれたアルは、俺の肩に手を置いて「マサト、僕も同じように思うけど、まあ、ドンマイ」といって慰めてくれた。

 同じように思ったなら俺と一緒に女子に言ってほしいものである。

 まあここで、そんなことを言っても、全然分かってくれない女子に対する、八つ当たりにしかならないような気がしたので「同じように思うんだったら、一緒に言ってくれても良かったじゃないかー」と言いそうになったのをこらえたのは、自分をほめてあげたい。

 そんなことがあり、もうあきらめた俺は路地裏から出ていく皆の後に続くしかなかった。


「あの?」


 路地裏から出た直後の事、アルがティーナに話しかける。


「どうしたんですか?」

「僕はそこの喫茶店で休んでいてもいいでしょうか? 僕が呼ばれている時間まではまだまだ先ですし」


 ちょ、ずるいぞ、アル。そんな手があったのか。


「いいですよ」

「ありがとうございます。ではまた後程」


 というか、アルはティーナに許可とる必要なくないか? 別に仲間じゃなく、知り合い良くても友達か、剣術仲間ぐらいなのだから。

 今日はたまたま一緒にいただけなのに。

 だが当のアルは、「ありがとうございます」と穏やかに言っていた割には、後ろに隠した手で、こっそり、こぶしを握っている。

 前を歩いているティーナ達には見えないが、後ろを歩いている俺からはばっちり見えている。

 これをティーナ達に見せたらアルは何と言われるのだろうか? 少し見てみたい。


「じゃあ、俺もアルと一緒に居ようかな。ティーナ達は水着かって来いよ。俺はアルと一緒に待ってるからさ」


 こうなったら、

 アルの作戦に便乗して、俺も女子の買い物から逃げさしてもらおう。

 アルが、「マサト何言っているんですか?」という事を言いたいような顔をしているが気にしないことにする。


「マサトさん? 何言っているんですか? 今日はマサトさんの服も買うんですよ。本人がいないのにどうやって買えばいいのですか?」

「マサト様、その逃げ方はよくありませんよ」

「逃げ方? マサトは何から逃げてるの?」


 そういえば俺の服を買うとか何とか言ってたな。

 それにシャルさん、そこまでわかっているなら、俺が女子の買い物から逃げるのを手伝ってくれてもいいじゃないですか。

 どうやら、今日は女子の買い物に付き合わないといけないらしい。


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次回は二、三日後に投稿します。

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