♯37 理不尽と魔王剣
一応かりで投稿します。
まだ改良する可能性が高いですがご了承ください。
「マサトー、早くいくよ」
俺の財布が一気に軽くなってから二十数分後、俺達は宿まで馬車を取りに戻っていた。
女子四人は純粋に馬車を取りに戻っていただけだが、四人のせいで財布が軽くなった俺はそうはいかない。部屋に戻り部屋の金庫に預けてあったお金を取り出す。
宿に金庫があって助かった。当の本人たちはそんなことお構いなしに俺をせかしてくるのだが……。
なぜ彼女でもない女子のパフェを奢らなきゃならないのだろう。あれ? 今更ながらすごく腹が立ってきたぞ。四人が女子でなければ殴ってたぞ。あ、でもシャルは婚約者だし、いいのか。好きかどうかは分からないけどかわいいとは思うし。
「マサトさん、まだですか?」
しびれを切らしたのかティーナが部屋まで来たようだ。もうちょっと「待つ」という事を覚えた方がいいと思う。いや本当に。
アステナを出て十分程たった。今日はリーナが馬車を運転する日らしい。いつ決めたのだろうか。花音はまだこの世界に来て馬車が珍しいのか御者台に乗せてくれとリーナにせがんで許してもらったらしい。子供の用にはしゃいでいた。
「そういえばマサトさん、なぜシャルちゃんと結婚せずに婚約をしたのでしょうか?」
「あ、それ私も気になってた」
意味が分からないぞ。なぜ? って言われてもなー。まだ結婚は早いと思ったからとしか言いようがない。ていうかやっぱり結婚は十八歳になるまでダメな気がする。俺が脳内でしっかり答えるために答えを考えていると隣からシャルが話に入ってきた。
「マサト様の住んでいた国では結婚は十八歳からと決められていたそうで、それを聞いた結果結婚ではなく婚約という事になったんです」
シャル。ありがとう。俺の代わりに答えてくれて。それにしてもこの年で結婚って聞いて驚かないってどれだけ俺と同年代の人たちが結婚してるんだよ。
「ふーん」
あれ? なんか納得してないぞ? おかしいなー。今日の俺に対する扱いがひどい気がするのは俺の気のせいだろうか。前から思っていたけどティーナって普段は優しいのに時々すごく理不尽なことで怒ってる気がする。
「つきましたよー」
リーナが御者台からこちらに声を掛けてくる。
俺達が話し込んでいる間に着いたのだろうあたりを見渡すとどこも木ばかりだ。よく知らないがゴーレムってこういうところに居るのだろうか。
「じゃあ、二手に分かれて探しましょう」
「いえ、その必要はありません」
ティーナの提案にすぐにシャルが反論する。
「どういうことですか?」
「ゴーレムは主に教会の廃墟にいることが多いです。その教会の廃墟が多いのがこの森ですので教会の廃墟さえ見つかればいいので」
「へー、そうなのか。ありがとな、シャル」
俺がシャルにお礼を言うとシャルは照れながらぼそぼそと「どういたしまして」と言っていた。若干顔が赤くなっている気がするが、さっきの会話にはそこまで照れる要素がなかったように思う。
「わ、私だって知ってました」
おい、ティーナ、何張り合っているんだよ。ていうか、知っていたら二手に分かれてなんて言わないだろ。今日は何かいつもと違う雰囲気が漂っている気がする。
「あのさ、これの物凄く強そうな剣は何なの?」
シャルとティーナが意味が分からない張り合いを続けていると横から花音が大きな日本刀みたいな刀を差しだして聞いてきた。刀身は五十センチほどのあまり重くはなさそうな刀だ。
「マスターの存在を感知。魔王剣エクスカリバー。最終確認完了。起動します」
無機質な女性の声が花音の握っている剣から発せられる。
「え?」
その場にいた全員が驚き動けない中、その剣は花音の手を離れ地面から五メートル位宙に浮くと突然発光を始めた。急な光に思わず目をつぶってしまった俺が目を開けた時、俺の目の前には一人の女の子が花音の持っていた剣を持って立っていた。
「魔王、宇都宮 正人様改めマスター、マナでございます。以後お見知りおきを」
マナと名乗った女の子は短いスカートのふちをつまんで恭しく驚愕以外の感情がなくなったかのような感覚に陥っている俺に対して礼をしたのだった。
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次回は十月三日に投稿します。




