♯29 二人の実力と新魔法
はい、終わりました。なんてことにはならずに未だにドラゴンと対峙している。先にレッドうウルフを討伐してからドラゴンを討伐する予定だったんだが先にドラゴンと出会ってしまったので先に討伐することにしたのだ。最初は俺とティーナとリーナでやっていたのだがどうしても決着がつかないので花音達にも手伝ってもらうことにする。
「花音も参戦してくれ」
「わかりました」
もともとそのつもりだったのだろうもうドラゴン召喚を始めている。
「我の呼び声に答えよ。ハーフドラゴン」
花音が召喚呪文を唱え終わると花音の前方の地面に魔法陣が現れる。どう表現すればいいのかわからないが魔法陣の形は二重丸の中に星が描かれているという感じだ。その魔方陣からハーフドラゴンがまるで地面から現れる感じで出てくる。体長は十メートル位だろう赤竜は体長十五メートル位なので小さく見える。赤竜が口をあけ周囲の空気を吸い込んでいく。これはポ○モンの火炎放射のような物の前兆だ。空気を吸い込み終わると一気に炎として吐き出してくる。
「あっぶね」
とっさに後ろに離れると数秒後には俺がいた場所は焦げていた。あのままいたら間違いなく黒こげになっていただろう。すぐに空気を吸い込む音が聞こえてくる。またくるのかと思ってみるがどうやら違うらしい。ハーフドラゴンが赤竜に向かって同じ攻撃を繰り出す。よけるのに精いっぱいだった赤竜は見事に俺の前にそれも俺に背を向けた状態で来てくれた。これはチャンスなので一気に背中にかけ上る。剣の切れ味は確かなのだが遠距離攻撃が多い相手だとどうしても近寄れない。
「もらったー」
本来ならこんなことは言わなくてもいいのだがなぜか言いたくなってしまった。赤竜の首筋に剣を突き立てる。そこから血が出て。剣を真っ赤に染める。赤竜の死骸からコアを取り出し他の貴重な部分を集める。ドラゴンはどの種族も強い上に希少なのでその素材で作られる防具は高値で取引されるらしい。
「これで一つ目の依頼はクリアですね」
ティーナが嬉しそうにいう。ちなみにドラゴンの中でも青竜や黒竜と呼ばれるドラゴンを五人以下で倒すとそれぞれ別の称号が貰えるらしい。五人以下なのは大人数で倒してそのすべての人に称号を与えるわけにはいかないかららしい。
「じゃあ、レッドウルフを探そうか」
「いえ、それには及びません」
「え? どういうこと?」
「こういうことです。我の呼び声に答えよ。ホワイトウルフ」
どうやらシャルも霊獣を使えるようだ。
「じゃあ、お願いね」
そういってシャルはホワイトウルフを送り出す。恐らくホワイトウルフでレッドウルフを探すつもりなのだろう。何ともまあ霊獣とは便利だ。花音もドラゴンで探してはいるようだが何しろあの巨体なので見つけるのはシャルの霊獣の方が早いだろう。するとどこかで「ワオーン」と犬の遠吠えのような声がする。
「見つけたようです」
シャルはそういうと直ぐに声のした方に走っていく。それに俺も花音もリーナも頑張ってついていく。お姫様なのになんでこんなに足早いんだよ。すぐに開けたところにでる。その光景をみて俺は唖然となった。なぜならホワイトウルフがレッドウルフの死骸の山の上で誇らしそうにいたのだ。見つけた。という合図があってから一分もたっていないのにだ。そして驚くべきことにその死骸は丁度十匹だったのである。
「えらいえらい」
そういいながらシャルはホワイトウルフの顎の下を撫でている。えらいえらいじゃなよ。霊獣ってこんなに強い物なの? まあこれでめでたく二つともクエストクリアという事だ。一つしかクリアした気しないけど。
「霊獣ってあんなに強い物なの? レッドウルフ瞬殺してたけど?」
帰りの馬車でシャルに聞く。やはり俺にはあんな奴が瞬殺できるとは思ってないんだ。人間でも恐らくはとても強い人じゃないと無理だろう。
「? 何言ってるんですか?」
「何って霊獣の強さの話」
「あれ?まさか、マサト知らないの?」
「なにが?」
「あれはすべて弱ったり死んだりしていたやつだよ。さすがに十匹を相手にするのは無理でしょ」
あー驚いた。まさかそんなに強い訳ないと思ったけどまさかがあるかも知れないからびっくりしたな。それっきり皆黙ってしまって一人が寝だすと皆に移るのだろうか花音が寝て、リーナが寝て、シャルが寝てしまい起きているのは俺とティーナだけになった。
「そういえば、マサトさんは剣術が強いですけどあれはどこで習ったのですか?」
剣道はこの世界にはないのだろう。今、正直に話すとめんどくさいことになりそうだし、最悪危ない人と疑われる可能性がある。
「独学かな」
「そうですか」
それ以降俺とティーナに会話はなくやることもなかった俺は前にデイリックから貰った『歴代新魔法全集』を開く。前は重力を操る魔法『グラビティ』を使い馬車を壊してしまったので注意しなければならないだろう。
「えーっとなになに。コピー? どんな魔法だろう」
あ、説明書きがあるな。『コピー』相手の能力変化を自分のものにする? どういうことだろう。使い方が分からないなら仕方がない。また今度デイリックにあった時に聞いてみよう。馬車に揺られながらいい魔法がないか探してみる。だが、『歴代魔法全集』は合計で一千ページ位あり、その中には火をつけるとか濡れた服を一瞬で乾かす魔法などどうでもいい魔法が大半を占めているので使える魔法を探すのも一苦労だ。これなら自分で使いやすい魔法を作った方が効率がいいかもしれない。
「あのマサトさん。この『スペース』って魔法使えそうじゃないですかね」
運転していたはずのティーナが今見ているページの一番後ろを指さしながら言ってきた。
「ちょ、ティーナ運転は?」
「リーナに代わってもらいました」
どうやら俺が夢中で読んでいた時にリーナが起きたようだ。で、ティーナの言う『スペース』とはどんな魔法なのだろう
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次回は九月十五日午後十時頃投稿予定です。
それにしても前書きやあとがきって何書けばいいんでしょう?




