#23 上級魔族と魔王
「マサトさん、マサトさん」
ティーナの声聞こえてくる。目を開けると目の前にティーナの顔があった。
「あ、起きましたか」
こう起きてみると、さっきまでの出来事が嘘だったんではないのかと思ってしまう。隣を見るとまだ花音は、眠ったままで、スースー寝息をたてている。まあ、眠っているといっても意識は神様と一緒にいるから眠っているという表現が正しいか分からない。少しすると「ん」と可愛らしく声を漏らしたかと思うと、花音は目を覚ました。いろいろ聞けてスッキリしたのか顔が晴れ晴れとした表情だ。
「おはよう」
「おはようございます」
そう、花音に声を掛けると、欠伸をしながら「おはよー」と返してきた。神様とどんな話をしたのか気になるが、それは王都についてからでも聞ける。それにしてもこの世界にだいぶ慣れてきたなと思いながら外を見ていると、馬車にドーンと衝撃が来た。エレナ達に馬車からでないように言ってから外に出ると一度だけ見たことのある少女が立っていた。
「え、シーラ?」
そう、この世界に始めて来たときに会った少女シーラだった。
「あれ? 見覚えあると思ったら、魔王じゃん。あんたはあたしが殺したはずなんだけどな」
「こ、殺した!!」
「そう、殺した。なんで、生きるの? はぁ、予定変更だね。覚醒していないとはいえ魔王相手にあたし一人じゃ少し部が悪い」
「おい、どういうことだよ」
その質問の答えは返ってこなかった。シーラは閃光玉らしきものを投げると目が塞がっている間に逃げてしまったようだ。それにしても魔王って言ってたな。なんでシーラが襲ってきたのかもわからないし……。何の話をしていたんだ?
「マサト様、これからの事を相談しますので馬車に戻っていただけますか?」
ドランさんが、呼びに来たので馬車に戻る。
「マサトさん大丈夫ですか?」
馬車に入ると、真っ先にティーナが心配してくれた。ドランさんが、馬車に乗り込むとすぐにエレナが口を開く。
「何があったのじゃ?」
「恐らく上級魔族かと」
「上級魔族?」
「はい、魔王の手先と言われる魔族のことです」
「魔王ってなんですか?」
「そうですね。あまり詳しい事は分かりません。すでに伝説となっています」
「伝説?」
「はい、約一万年年前、魔王と名乗るものが出現し人類は絶滅しかけたと言われています。真実かは定かではありませんが……。ときどき伝説によくにた魔族が出てくるので警戒はされています」
魔王って称号じゃないのか。
「俺達に護衛を依頼したのは魔族を警戒しての事だったんですか?」
「いえ、そういうわけではないんです。いろいろな事情が重なってあなた方に依頼する事になりました。今回は強い冒険者よりもあまり名を知られておらず、しかし信用できる人たちが必要だったのです。最低限プライバシーは守っていましたが王族直属の偵察者にあなたたちの会話を監視したりさせていただきました」
いろいろ衝撃的な事実が言われた気がするんだが
「そうですか」
「それにしても、あの魔族なぜ帰って行ったのでしょう。襲ってきた意味がないのではないか」
「さ、さぁ」
恐らく俺の魔王称号が関係しているのだらうが、あまりドランさんやエレナは魔王にいいイメージが無いようだから今は言わない方がいいか。
「まあ、もうすぐ王都ですからゆっくりお休みになってください」
王都の近くまで来ていたようだ、ドランさんが御者台に乗り込む。
王都までもうすぐだ、依頼はもうすぐクリアだ。
今回で第二章はおわりです。
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次回は九月九日午後十時頃投稿予定です。
2018年12月2日追記
いろいろリアルが多忙なため大幅改稿や更新が滞っております。
年末年始には一日一話更新を一週間くらいやれたらな、なんて思っていたり。(実行するかどうかは分かりませんけど(笑))
こっちの方は活動報告にでも今度載せるのでよろしくお願いします。




