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祝!!初めての冬!?

 ――時は冬。

 時の流れというのは早いものだ。過ごしやすかった気候はどこへやら、辺りは雪が降りしきり俺…いや、俺たちはオフィスで寒さに震えていた。

「う~、しゃぶい…」

 自分を抱き締めるように腕をさすりながらミリーが唸る。

「ねぇテッドさーん、その中入れてくださいよぉ」

 視線の先には温かそうな布団にくるまるテッドの姿があった。

「ダメに決まってんだろ。んなことしたら俺が丹精込めて温めた熱気ちゃんが無くなっちまうだろ。」

「ちょっとぐらいいいじゃないですかぁ!」

「おい、なにすんだ!よせ、やめろ!ギィイヤアア寒い寒い寒い!!」

 固く閉ざされた門を無理矢理こじ開けて小さな身体をねじ込むと、テッドは寒さに悶絶した。なんとも微笑ましい光景だなぁ。俺含め、皆それぞれに部屋があるのにオフィスに集まるのは人肌恋しい節があるのだろうか?

「そーいやベルトは?」

「んぎぎ、あーベルト?アイツはこの時期になると動けなくなるんだ」

「変温動物?」

 普段から厚着してるなぁとは思っていたがそこまでとは…。俺はといえば寒いっちゃ寒いが夏より冬派で、寒さには強い方だ。

「だぁあー!もう許さん!このテッド様の恐ろしさを知らしめてやんよぉ!」

「そうはいきませんよ!私だってこの部隊でずーっと1人だけで魔法使いをやってきたんですから!」

 おっと?空気が変わったなぁ。テッドは相変わらず毛布を魔王が着けているようなマントのようにたなびかせ、ミリーは魔法を打つ構えなのか妙なポーズをしていた。

「くらえ!『サンダー』!」

「なめるな!テッド式魔法回避術!ハッ!」

「おぉい!暴れんな!部屋がメチャクチャになるだろうが!」

 ミリーが魔法をぶっぱなす度、テッドがそれを避ける度に部屋が散らかり比較的柔な作りのものは消滅していった。

「まだまだー!『インフェルノ』!」

「アーチチチチチチ!流れ弾こっち来てるって!てかココ木造建築なんだぞ!燃える燃える!」

 もはや俺だけでは止められない。どうすれば…。ピコーン☆閃きました。

「そうだ…ベルトを起こすしかねぇッ!」

 俺は反射的に駆け出した。もちろん行き先はベルトの部屋。


(バン!)

 力任せに扉を開くと、普段のキッチリしたベルトからは考えられない程部屋中が暖房器具で埋め尽くされていた。赤々と燃えるストーブに燃やす用の薪、地球では見たことのない熱波を飛ばす瓶。そして、1番存在感を放っているのはベッドの上に転がる毛布で出来た大玉だった。先端からはベルトのトレードマークである金色に輝く髪の毛が飛び出していた。

「おいベルト!大変だ!アイツら2人が部屋で暴れまわってるぞ!止められるのはお前だけなんだよぉ!」

「うぅ…ごめんショウくん。今こうしていることでようやく意識を保っていられるんだ。だからショウくんに協力することは出来ない。ホントにごめんよ…」

 布団の山を揺すっても返ってきたのはか細い呻き声。どうしたものか、今こうしている間にも署内の備品は悪しき2人によって滅ばされている。

「くっ!仕方ねぇ。こうなったら俺の情熱を分けるしかねぇよなぁ!?」

 俺は着ていた蛍光黄緑のジャージ上下を脱ぎ捨て布団の山に突っ込んでベルトに着せる。下着だけになってしまったがそんなの些細な問題だ。

「これは…?なんだか力が沸いてくる!」

 ベルトは力強く立ち上がると、壁に立て掛けてあった剣を取り悠然と走り出した。

 部屋の状態は悲惨で、あらゆる場所に火が燃え移っていた。2人とは既に相対しており、ベルトの不審者的ファッションに目を丸くしている。

「なんですかあの緑色のお化けは!?」

「新種のモンスターだ!気を付けろ!」

「備品を壊されちゃあ困るなぁ。悪いけど、手荒に解決させてもらうよ」

「まっ待て!悪かったって、ほら、もうやめだ。な?」

「そっそうですよ、私たち仲良し~…アハハ…」

「問答無用ッ!」

 引き抜かれた剣がまばゆく光り、2人に振りかざされる。

「ハァアッ!」

 気合いと共に剣を振るうと、俺の情熱が加算され剣が炎を吹き出す。なんだってどいつもこいつも家ん中で火を振り回すんだ!

(ズバァア――!!)

 清々しい音が響くと同時に2人が吹き飛ばされる。

「ぐわぁあーー!!」

「無念ですぅ~!!」

 ベルト、恐るべし。あっという間に悪ガキどもを成敗すると、スマートに前髪を払い「ふぅ」と息を吐いた。

「さて、後はどうしようか」

「あー…」



 第三部隊警察署前、俺たち4人は、ベルトの剣が火を吹いたことがとどめとなり大火事の真っ最中の我が家を見上げていた。これ程の無力感などあって良いのだろうか?4人はただ黙って目の前の惨状を見つめ続ける。

 ふいにベルトが前に出て炎に手をかざした。

「いやぁ、暖かいねぇ」

「うんうん、まったくもってその通り!……ンな事言ってる場合じゃねぇだろ!ふざけんな!!」

 なぁ嘘だろ?もとあと言えばただの布団の取り合いなんだぜ?それがどうなったら家が全焼する大惨事になるんだ!いや、なにか俺は大事なことを忘れているような…

「ああ!!そうだ!俺たちの金は?」

「うわマジじゃねぇか!」

「私のお菓子たちがぁあー!!こんがり焼けてしまいますぅーーー!!」

「それはそれでよくね?」

「よくないですよ!!焼くタイプのお菓子じゃないんですよぉおお!」


 結局、金は無事だったものの、重要な書類や俺の制服やらが全部灰になってしまった。

「上にどうやって報告しよう……」

 テッドがうつむき、青い顔でぶつぶつ呟いている。「布団を取り合ってたら署が全焼しちゃいました!」なんて言えるはずがない。というか話が飛躍しすぎて信じてくれないだろう。

「こーゆーのは正直に言った方が優しく済むってものです!私からそのまんま報告しておきますね!」

「んー、ミリーが報告するとややこしくなりそうだから僕がやっておくよ」

「ガーン!!」

 ミリーがショックを受けているが、ぶっちゃけ誰が報告したところで、俺たちが明日から路頭に迷う現実は変わらない。

 ――っとここまで書いてみたものの、ぶっちゃけこれ以上話を広げられそうにない。最近の風潮として5000文字前後でやってきたのだが、もう締めだっていうのにまだ2000文字くらいしかいっていないのだ。どうしたものか。

 いや、ダメだ。これ以上話を伸ばそうとすると更なる災難が俺たちに降りかかりかねない。ただでさえ全焼した警察署の被害が今度は変な気の迷いのせいで二次災害を引き起こすかもしれない。

「今回は被害が広がる前に強制終了すべきか…?」

「おいショウ、誰に話しかけてんだ?」

「文字数だよテッド!圧倒的に文字数が足りねぇんだよ!あぁ誰かもっとマシで笑えて3000文字くらいで収まるような事件を起こしてくれぇー!!」

 燃え盛る警察署の前で下着一丁男が極寒の外で膝を付き空に向けた悲痛な叫びが、冬の夜空に虚しく吸い込まれるのであった。



 ~続く~




 これでよかったのだろうか?うん、いいだろう。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

……はい文字数がどうしても足りず、ショウくんに八つ当たりするように無理矢理締めてもらいました(笑)。いつもの流れを期待していた方には「おい!」とツッコミをしていただいたかもしれませんが、たまにはこんな変化球もお楽しみいただけたらと思います。

次回からは通常運転ですので、困惑された方も安心してお待ちください!

ではまた来週~。

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