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「そこまでにしてもらいましょうかー?」
肩を中心に薄紫色の霧が広がり、
鷹からヤージュ本来の姿を表す。
獣人に生まれたため、獣化能力はそのままだが、
その姿は本来のヤージュの姿である。
そういえば、俺は何故本来の姿に戻らないのだろう。
「そんなに気に入らないのなら構わないさ。
元々、僕らだけで君もろともこんな街、
壊滅出来るんだからね!
タカクラジの前に仁王立ちし、
ピシャリと云い放つ。
おいおい、勘弁してくれよ。
「おやおや、
半人前が人様の話に入ってくるんじゃないよ。
野暮ったいねぇ。」
一瞬呆気に取られたが、直ぐに持ち直しヤージュを値踏みするように上下に目を細め見る。
顔を斜めに膝からほお杖をつき直すと、
ヤージュの身体を避けて俺に尋ねる。
「あんた、お供は選んだ方が良いんじゃないかい?
えさを撒けばそりゃ寄ってくるかもしれないけどさ。」
その言葉に苦笑してしまう。
お供に選ばれたのは俺の方なんだが。
「ヤージュ、それだと部下を救出出来ない可能性が高くなるって言っただろう。
軍部に内通出来る手立てが必要なんだ。」
「うわあ、この女の肩持つんだ。
へぇ、じゃあ今の僕の気持ちよりも部下の身の安全が大切ってわけだね。
わー、自分で言って悲しくなってきたよ。」
おいおい、本気で怒ってらっしゃるじゃないですか。
世界を股にかける天使様よ。
「ちょっと待てって、じゃあ見殺しにしろって言ってるのか?」
「割りかし、ずっとそれで良いと思ってるよ。
...その2人まだ必要?」
なっ、
思わず、押し黙る。
たしかに、
この世界の法則を紐解くのに直接関与するかと言われると自信はない。
この世界が終末に向かえば、最終的に彼らも消えてしまうのだろうか
そんな疑問が急に降ってきた。
ヤージュとも出会い、この後に獣人に伝わる秘宝とやらを掘り起こせば、いわゆる軌道に乗るのだろう。
しかし、
前世でこれほど信頼出来る人間に出会えたことはない。
最終的に無駄になる行為かもしれない。
だが、今度は俺も諦めたくない。
「駄目だ。助けに行く。」
「あっ、そう」
ヤージュは頬を膨らませたまま、
プイッと俺を通り越し、部屋のドアに手をかける。
「1日待ってあげる。明後日の早朝からこの都市を壊滅し始めるよ。それまでに助けてこの一帯から離脱出来なきゃ、君も一緒に藻屑にしちゃうからね。
行くよ、ルー君!」
バタンっと強めにドアを閉め、2人は出て行ってしまった。
なんか俺が寂しいようなかける気分になるのは気のせいかな。
「
あんた、少し見ないうちに柔になったねぇ」
タカクラジの呟きが、虚しく宙を彷徨う。




