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すっと手元から落ち、揺れ動くのは俺が持っているのと同じ魔具だった。
魔具は取り付けられたチェーンで吊られ、手首付近で揺れ動く。
「まぁ、あんたが誰と連もうがあたしには関係無いよ。国との関係より、優先すべき関係だからね
ただし、あたしたちのルールで契約したものに限るよ?」
「相変わらずだな、自分の研究にしか興味がない。」
俺は手でルルーセンを制止した後、魔具を取り出す。
ここ魔具は契約を厳格化し、懲罰を含めた内容を定めれば不履行時に制裁が実行されるように構築されている。お互いの生成魔力を一対で登録する為、逃れられないようになっている。
この現象を、タカクラジは魔粒子もつれ、エンタグルメントとかと呼んでいた。
何故、このような魔具を共有したかというと、俺を含めた学園の英傑は5人それぞれ立場も思考も異なっていたが、下手をすれば国のあり方や、方針に影響出来るという点は共通していた。
お互いが協力し合うことは、それだけ大事になる可能性が高く、互いに監視も必要だと感じていた。
自身が当事者でなくとも、他の英傑の契約内容によっては間接的に不利益を被るのだ。
そこで、この魔具をタカクラジが制作し、これを用いるようになった。
これを用いて契約を行うと、瞬時に情報が他の英傑に共有され、可否判断が下される。
5人での多数決のルールであり、契約と同時に2人の賛同がある状況から始まるので、基本的に否決はない。
しかし、情報があれば反抗を行う準備も出来る。
俺たち5人が、将来に渡って平等で、裏切りなく約束を行うようにするシステムを当時に取り入れる必要があった。
監視をし合う、そういうことだ。
「俺からの要求は2つだ。都市プレスコット中央部中央教会へに入場手引き、軍部執行予定の全処刑工程差し止め要請及び圧力。」
タカクラジは予想通りと言わんばかりに、
こちらを見据える。
「あたしの要求も2つにしとこうか。ひとつ目は中央教会秘蔵の閲覧制限Sランク以上の書物5点の強奪、2つ目はプレスコット軍本部での少佐以上への貸与魔具5点の奪取」
「俺に強盗をして指名手配になれということか?」
「どうせ、もっと大事を起こす気だろう。大事の前の小事、違うかね?」
「要求が釣り合ってないように思えるが?こちらは人脈利用が主だが、そちらは物資の価値に値段がつけられないだろう。」
「バカ言うんじゃないよ。金銭で言えば中央区貴族に軍部、教会とあんたは目白押しじゃないか。貸し借りの世間で借りを作るんだから、私の後裔まで続く莫大な借金を受けるようなもんさ。しかも、その気になればあたし自身が出来ないわけじゃない。これは譲歩した内容さね。」
くるくると魔具を回しながら、机に座ると足を組んで座る。
考え込む素振りで押し黙ると、
揺れ動くその足先から
赤いハイヒールがカツンと音を立てて落ちる。
「それとも、もっといい要求にしてあげようかえ?」
ぐっ、
喉が自然となる。
バチん
と、同時にこめかみに鷹が嘴を差し込む。
一瞬の膠着と流れる血、
血、
血がそれなりに出てますが、
どういう事態でしょうかヤージュさん?




