落ちこぼれでは居られない!
前置き長かった
視点変えるの辞めるかちょっと検討します。
そういう事ですか、ヤージュさんよ。
俺は氷塊を抱きしめながら、
目を瞑った。
久しぶりの難敵と思いきや、
拳を突き合わせた途端に理解した。
アイツはヤージュであり、俺であると。
転生前にこれは君は僕だよ〜とか言ってたのはこの事か。
まるで自分の拳と合わせた様に異質感がなかった。
そして、意識が結びつくというか、鏡に映った自分を見ているというのか、自分を自分が殴りに行った気分になった。
俺は俺に殴り飛ばされた。
別にザックの乖離魔法をの様に力を反射された訳じゃない。
鏡の先に確かに自分がいるという感覚だ。
でも、俺だけが吹っ飛ばされているって事は、
ヤージュをぶっ飛ばす事も可能なはずだ。
単に魔法の練度の差ならば、
ここで乗り越えてやろうじゃないか。
俺は身体を跳ね起こし、空へ飛び上がる。
空中で都市の方を見ると、クエラとザックが小さく見える。
流域を超え、緑の大地からこちらを見上げている。
心配そうな顔が少し可笑しく思ってしまうな。
まぁ、見てろって。
氷床に降りたつと、
ヤージュが仁王立ちでこちらを見据えている。
不思議と先程までの顔つきでは無く、以前の面影が見て取れるようになった。
「久しぶりだな、ヤージュ。俺が最後に言った言葉覚えてるか?」
一瞬きょとんとするヤージュ
そしてはははと笑う。
釣られて俺も黒く笑う。
絶対にこいつ覚えてねぇ。
「主様よ、まだ本気じゃないでしょ?もっとワクワクさせてよ。積乗る話はその後で。」
「絶対泣かすっ!」
言葉をその場の残すように飛びかかる。
相手がヤージュなら出し惜しみはしない。
切り札を取っておく必要がないからな!
周囲の氷を構成する水分子中の魔素に働きかける。
その魔素で水分子を拘束し、魔法として再構築する。
俺は自身の体内の魔素だけでは無く、周囲の魔素をも支配下におけるようになっていた。
俺が幼い時の話だ。
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魔素はいたるところに在るが、
体内に貯蓄した魔素は有限だ。
繰り返し魔力切れを起こしながら、
少しずつ貯蓄量を増やしていたが、幼い俺が伸びしろが大きいといっても次の日に倍の量とはいかなかった。
そこで俺は、
そこで環境によって魔素が蓄積されないか考え、
当時のいじめっ子の魔素が異常に濃い事をヒントに都市中央部に行く事を決めた。
一応貴族の俺は、親のコネを使って学業推薦でエリート学校への編入希望出した。
親のコネていっても推薦までで、
学科試験はちゃんと実力で受かったぞ。
転生してからは本で知識だけは詰め込んできたからな。
見事合格し、寮生活を開始した中央部は、
中央教会を起点に魔素が溢れ出る異常地域だった。
そこで生活する人々は皆、魔素量が高く、
はたから見てもエネルギーに満ちていた。
俺は魔素の貯蓄量を増やしながら、
魔素を効率よく吸収する方法を検証した。
魔素取得は食物摂取と他者屈服の二通りだ。
空気中に含まれる魔素を呼吸で取り入れているのが、食物摂取の一種に含まれるという事なのだろう。
中央部で息をしているだけで強くなれるとは、
なんと手頃なことだろう。
しかし、それで満足する俺ではない。
もっと効率良く魔素を取り込みたい。
他に試すならば、他者屈服だ。
身の回りにいる他者といえば、学校のやつらだ。
だが編入早々学校を締めるのも正直気が引ける。
いずれはやろうと思ったけどね。
ただ、
いじめっ子級以上の奴らがいると考えるのが、
妥当なので、下準備は念入りにしなければならばい。
では、こういうのはどうか。
他者屈服を拡大解釈する。
呼吸摂取は食物摂取をマクロに捉えたものだ。
同様に他者屈服に当てはめて考えれば、
他者を生き物の枠を超え、物質や自然そのものも可能と仮定する。
屈服というより支配や使役という言葉がしっくりくる感じを受ける。
この中央部では、人だけではなく植物や石ころ、もちろん空気で出来ている風や地面にさえ魔素量が多い。
これらを支配するにはどうすれば良いだろう。
俺がいじめっ子に屈服した時、
どんな状況にあったか思い出す。
身体は痛めつけられ、
精神は諦め果てていた。
俺自体の存在が希薄になるようなそんな状況。
存在が希薄か
存在が希薄
どこかでこんなワードを聞いた事があったような。
目を瞑って遠い記憶に向かって遡る。
暗闇を細い紐を頼りに手繰り歩くように、
ゆっくりと。
ああ!
俺の脳裏に浮かび上がったのは、
いつかの黒板教室だった。
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