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「さて、どう出てくるのかなっと、」
歩みながら探索魔術を開始する。
探索魔術とは付近の生物や地形を把握するものである。
通常は自身の魔素を飛ばし、その衝突した反応を可視化する。この為探索する範囲を広げる為には魔素量と魔素強度が応じて必要である。
この他にも魔術においては複数の要素により構成されているが、その要素については得手不得手がはっきりと別れる事が多い。
例えば、魔素の種別により発現する効果が異なる為、多種の魔素種別の扱いが得意な者や、直接的に対象の攻撃が可能な魔素の操作が得意な者がある。
その中、ルカは魔素強度の扱いが飛び抜けている。その分、魔素種別は1つしか生成出来ない。
扱えるのは原始魔素と呼ばれる無属性の魔素である。
この魔素の強度を正方向に上げていくと灼熱魔術となり、負方向に上げていくと凍結魔術となる。
その他の魔素的な属性付加は出来ないが応用は効く。
開戦の狼煙を上げた魔術は、空気中の可燃ガス中の魔素に働きかける事で火炎魔法としている。
また、魔素強度が扱いを得手ということは、探索魔術において魔素量を最低限で行う事が出来る。
この世界で最も探索が出来る者の筆頭と言える存在である。
「やっぱり、同じタイミングで侵攻しようとしてたみたいだね。下流に敵勢力主力が集結、プレスコットにもいつも以上の戦力がいるね」
プレスコット侵攻時に手間取れば、挟み撃ちにあう。
しかし、プレスコットを早急に落とせば、万が一キャロルが落ちても下流から本土に攻めてきたとしても敵勢力を逆に本土から挟みうち出来る。
また、大河を渡らずにプレスコットに合流しようとしてももう手遅れだろう。
そして、今回の作戦は2将軍合同作戦である。
唯一の不確定因子は、主が何処にいるかである。
その邂逅がどこでなされるのかが楽しみで堪らない。
「うー。やっぱり、僕1人で先行特攻しちゃダメかな?」
その場で腿上げするように足踏みをする。
ルルーセンは困り顔だ。
尻尾も元気がない。
「それだと、合同作戦の意味がなくなるだろう。」
「だよねぇ、突破力重視で飛べる子連れてきてないし。こっちが無理なら向こうから飛んで来て下さいって感じだねえ」
「急かなくても大丈夫だ。ホラ見てみろ。」
ルルーセンが前方を指差した。
その先では都市の前方で編隊が組まれ始めている。
こちらが1万程の編成だが、あちらはその半分にも満たないようだ。
時間稼ぎが目的だろう。
「いいねぇ、ではお手並み拝見。」
目の上にかざしていた右手を胸の前で握ると赤く光りだす。
今度は青く光る左手で右手を包み、前方に突き出すと両手が強く白い光を発する。
「ふふふ。やってみたかったんだよね。伝説の消滅呪文なのだ。」
左手をピストルにし、右手を弓矢の構えを取るように胸まで引いてくる。
「命名 極大消滅魔術、ルカローアってのはどうかな。」
はははっと笑いながら、撃ち放った光の矢は真っ直ぐ編隊中央へ吸い込まれていく。
その距離はもう400mを切っていた。
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