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何故なのだろう?

この世界での言語事情。


一応に人族といっても来歴が違っていて、幾つかの言語か確認されている。

どうして違うのかと言われると世界の成り立ちから説明せねばならないのだが此処では割愛する。主に文化圏と地理的要因の為としておくのが一番わかりやすい説明である。


人族連合系列国家で使用されている【連合系諸言語】。

極北部族連合や北部沿岸地域の一部で使用されている【極北系諸言語】。

極東諸地域で使用されている【極東系諸言語】。

西部諸島及びその殖民地域で使用されていた【西部海上系諸言語】。

南方諸地域で使用されている【南方部族言語系諸言語】。

その他に【異世界地球ヤマト系諸言語】や【魔王領系人族語】等がある。


因みに【~系諸言語】としているのは、基本的に通じるのであるが地域職業地位時代によって言い回しとか文法、綴り等が微妙に異なることから別言語と認識されているからである。

【~訛り】【~言葉】等と方言の一部として分類するべきなのか、別言語として分類するべきなのか学者達の間でも議論されている。しかしながら権力側が別言語とすることによる不利益を容認せず方言として分類するよう指示を出すことが多々ある。是は人族連合諸国に良く見かける傾向である。

尚、この世界の人族の共通語として【人族連合語】(通称:人族語)が神職・学者・貴族・商人階級を中心に使用されている。故に契約書等は人族語と諸地域言語の同時掲載された形での文面は多々見られる。



以下、諸人外種族の言語の説明が続く・・・・・・・・・

勇者(笑)の朝は早い。朝告げ鳥の鳴き声よりも早く兵隊達の起床喇叭よりもと言うわけではないのだがそのころには起床している。

前夜のうちに整えられている作業着を纏い、厨房の片隅で仕込みにかかるのである。


「なになに、『本日の茶会向けの菓子を20人前用意されたし。by第三公爵付侍従』・・・・・・・・・・・・・・・・・ 前もって注文しておけ!!」

「勇者(笑)のにーちゃん早いじゃないか!」

「見習い調理人の小僧っ子か、見てみろよこの注文。仕込とか無視しているにも程がある。できるか!!」

「にーちゃんの菓子は美味しいから人気が出たんだろ。あれ作り方教えてくれよ!」

「其れは構わないから手伝ってくれ!」

「やった!って、おいら親方から仕込み頼まれていたんだ。」

「親方ぁ!其処の小僧っ子で良いから貸して。俺一人じゃ間に合わんよ!」

「勇者(笑)、泣き事言ってねぇで手を動かすんだ!それにこんな小僧っ子邪魔だ役に立たないだろう!」

「大丈夫、粉の計量と卵白のあわ立てこれが出来れば戦力になる。」

「親方おいらにーちゃんを手伝いたい。」

「馬鹿言うな!こっちだって手一杯なんだ!兵隊さん達はどうした!奴等使えばいいだろうが!」

「それが・・・・・・・・・・・『勇者(笑)様は実害ない(へたれだ)から護衛は要らない、通常業務にもどれ!』って付き人程度しか人がいなくなったし、その人も今寝てる・・・・・・・・・・・・・」


勿論侍女さんも別の仕事をしております。

「って、言うか誰なんだろう?この注文受けた馬鹿は!朝起きて準備もなくすぐ作れなんて物によっては発酵させないと駄目なのもあるのに・・・・・・・・・・・・そもそも俺は厨房所属じゃないのに?」

「・・・・・・・・・・・・・・親方、そう言えば昨夜侍従さんと会ってたよなぁ・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・お~や~か~た~~!!」

「すまん!うん、小僧っ子と石窯の担当をつけるから!勘弁してくれ!」

「親方!是おれ聞いていないと断っていい?」

「其れは勘弁してくれ調理場皆の責任問題となるし、お前さんも恨み買っちまうぞ。」

「今回だけですよ。って言うか、参加場所とか好みとか書いていないしこの侍従無能だろう。」

「勇者(笑)、そんなのも必要なのか?」

「ああっ!当たり前だろう!食べる場所や時間帯によって品目(メニュー)を決めなくてはいけないし、好みとか知らないで嫌いなものを出したら其れこそ持成し主(ホスト)の恥になるだろうが!判っているのか!宴席は戦場だぁぁぁぁぁぁぁぁ!!それに俺は勇者(笑)じゃなぁぁぁあいい!」


胸倉を掴んで親方を揺さぶる勇者(笑)!

厨房の料理長を始めとして周りの男衆に引き剥がされるまで親方は揺さぶられ続けて目を回しているのだった。


「おらぁぁぁぁぁ!!じじゅうよんでこぉぉぉいぃぃぃぃぃ!!!!」

「は、はいっ!」


慌てて駆け出す若手・・・・・・・・・・・暫くして連れてこられた侍従にも段取りに掛かる時間と注文の仕方における不手際を切々と説明するのであった。そもそも、勇者(笑)の所属は客人であって厨房所属の菓子職人ではないのだから当たり前だろう。


「じじゅうさぁん、貴方菓子作りにかかる時間とか逆算して注文してまぁすかぁぁぁぁぁぁぁ!!」

「ふんっ!一晩あれば十分だろう。」

「前に公爵様に献上したのって冷ます時間だけで一晩かかるんだけど?それに話が届いたのが今朝だよ、だから無理とお断りしておきますね。ついで言えば俺客人なのに何故厨房なの?本人に直に依頼に来るのが筋でしょう?」

「断るって・・・・・・・・・本気か?」

「出来ないものはできない。公爵様に出すのならばちゃんとしたものを用意しないと駄目でしょう。適当に作って不評を買ったら公爵様の面子に関わるじゃないですか。」

「な、何とかなりませんか?????そうなったらお茶会が・・・・・・・・・・・」

「まぁまぁ、にーちゃん。侍女さん達に作った菓子が有ったじゃない。」

「ばかっ!それを言ったら。」

「ならば其れを流用して・・・・・・・・・・・・お願いできますか?」

「侍女さん達の説得お願いいたしますよ。俺其れはできないから。」

「判りました。そっちは任せてください・・・・・・・・・・・・・」


慌てて侍女長のところに駆け出す侍従。そう言えば時刻は早朝、夜這いと勘違いされても問題なのに寝起きにそんな事を告げに行ったら・・・・・・・・・・・・

侍従君の冥福を祈る。


「総員黙祷。」

厨房の男達は侍従君の冥福を祈り黙祷する。


いや、死んでないから。(by厨房神)



「親方、侍女さん達を宥める菓子作るんで手すきの者と竈一つお願いします。」

「ああ、俺達の命もかかっているから朝食にも小さなもので良いから用意できるか?」

メレンゲ焼き菓子(アマレッティー)で良ければ・・・・・・・・・・・・」

「頼む・・・・・・・・・・・」


男達の戦場は始まったばかりだ。


因みにその侍女達の軽食には予定していたシフォンケーキではなく、トライフルとなった。

氷結の術法が使える宮廷魔術師見習を無理やり連れてきて冷やすのを手伝わせて、クリームと果実酒で湿らせた麺麭で作るモドキなのだが・・・・・・・・・・・

これはこれで侍女達に好評で度々注文が来るのであった。尚氷結の術法に味を占めて料理長はこの見習を度々手伝いに借り出し、彼が厨房魔術師等と言う称号を賜る遠因を作ったりするのだが其れは別の話。彼自身も美味に出会って体型が半年で変わってしまったり、同じ見習魔術師の女の子達から菓子をもってこいとせがまれて人気者になったりするのも別の話である。


「これ、あまり物で作る割には旨いな。」

「もぐもぐ・・・・・・・・・にーちゃん製法(レシピ)物にしていい?」

「いいぜ!そうすれば俺の仕事が減るし・・・・・・・って、言うか午後から研究者さんと経営についての著作の原稿作りが・・・・・・・・・・・・」


ばたん!

「勇者(笑)殿!私と約束していた経営学の教本作り・・・・・・・・・・・」

「まぁまぁ、研究者。これでも食べて・・・・・・・・・」


「うむ、これは美味しいですな。勇者(笑)殿これは?」

「俺の居た世界で余り物の麺麭とかケーキを使って作る【トライフル】と呼ばれるお菓子。かき混ぜて食べるといい。」

ぐっちゃぐっちゃ・・・・・・・・・・

「なんと言うか見た目は宜しくないですが、渾然とした数多の風味が・・・・・・・・・・・」

「元々は貧乏人の料理らしいんだけど・・・・・・・・段々色々入れ始めたら・・・・・・・・・・王様に出しても恥ずかしくないものになってしまったという笑い話が・・・・・・」

「ふむ、王に出しても恥ずかしくない貧乏人の菓子とな!」

「第五公爵様!」


気まぐれに湯者(笑)の見物に来たのだろう、公爵達の中でも一番の若手の第五公爵が取り巻きの貴族達を連れて入ってくるのである。

貴族様あまり下働きの者達の聖域まで飛び込むのは・・・・・・・・・

「侍女達が旨そうなものを食べているという話を聞いたのでな。それだな!寄越すがよい!」


厨房の者達と宮廷魔術師見習君が食べていたトライフルの器を奪うと自ら匙と器を持ってこさせて食べ始める。

「クリームと湿らした麺麭の風味がなんとも・・・・・・・・隠し味は蒸留酒?しかも・・・・・・・・・」

「これはけしからん。けしからんぞ!貴族に隠れてこんな旨い物を・・・・・・・・ワシにもう一口盛るが良い!」

「子爵様奥方と医師の先生に食べ過ぎ注意と叱られたばかりではありませんか・・・・・・・・・・・・」

「勇者(笑)よ、戦闘能力はなくとも菓子作りだけでどこか士官の口があるのではないのか?」

「止めて下さい、公爵様。勇者(笑)殿には【経営学】の指導してもらわないと・・・・・・・・・・・副宰相様が国家経営に興味示されていますので勘弁して下さい。」

「構わん、あのうらなりの下よりは安楽な暮らしを保障するぞ。」

「勇者(笑)殿一度当家に来て菓子を作ってくれ!」

「子爵様、奥方と・・・・・・・・(略」

「あのぉ・・・・・・俺、勇者なのになんで別の事しているんですか?菓子作りとか会計業務とか・・・・・・・・・・・・・」


若き公爵は勇者(笑)の方に手を置き言った。

「勇者(笑)よ、この国には勇者は必要ないからだよ!」


「うわぁっぁぁぁぁぁ!!酷い酷すぎる!はるばる異世界から勇者として呼び出されたと思ったらお呼びでないなんて酷すぎる!!なんだよ(笑)って!!」


「勇者(笑)は異世界から来て苦労が重なって壊れてしまったか。」

公爵様、どっちかというと貴方の一言が止めさしてますが。そのことについて誰も言葉を発するものは居なかった。





その頃の侍女室。

「あら、また勇者(笑)様の叫びが。何時ものことですわね。」

「諦めて菓子職人となれば宜しいのに・・・・・・・・・・そうすれば勇者(笑)と呼ばれなくても宜しいですのに。」

「あ、それって公式通称【勇者(笑)】で公文書とか各国に通達されているそうですわよ。」

「其れは酷いですわね。」

「しかし、このトライフルと呼ばれるものも美味しいですわ。」

「私達の軽食が第三公爵に接収されると聞いて作ってくださったそうですわよ。」

「気が利きますわね勇者(笑)様は・・・・・・・・次はこれを頼んでみましょうかしら。」

「なんでも、勇者(笑)様の故郷では余った麺麭とかを酒の風味のシロップでつけるのが始まりらしいと説明されてましたわ。」

「ええっっ!余った麺麭はスープと粥にするのが普通でしょ!信じられない!」

「なら要らない?」

「スイマセン、お代わりください。」


異世界文化の不思議に叫びを挙げた侍女、因みに彼女は三杯目。大きな器にどかんと作って、めいめいに取り分けて食べている。ほんのり効いた酒の風味とクリームの甘さが受けているようだ。



ぷらーん。庭木には侍従がぶら下がっている。

げに恐ろしきは食べ物の恨み。彼はその後侍女たちに食事を奢る約束をしたらしい(させられた)

其れをしようと公金に手をつけて、更に色々処分を受ける羽目になったのは不幸と言うか不注意と言うか・・・・・・・・・・・・・


一つの茶会の裏には色々あるものである。


ぶらーん。

因みに公爵達の設定考えてないや。

酒でも飲んで妄想しよう。

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