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その知らせは朝日とともに



ギルド街のはずれにあるカフェ跡地

運営から見放された辺境の地にレジスタンスの拠点はあった

ゲーム外部で特定行なっている仲間たちと通話アプリで通話しながら俺たちもウィンドウからバイヤーの関係者を特定していた


「あのバイヤーが売ってたアイテム、最近ガチャで実装されたばかりの大当たりアイテムですよ。しかもこれだけの個数。やっぱりこれ数値イジったんすかね?」


先程取り締まったバイヤーの商品のリスト郡を調べていた特定班が首を傾げていた。

ガチャの最高レアリティのアイテムが一律二万円。ガチャの補償として四万円分回せば最高レアリティの必ず一つは貰えると考えても

八種類のアイテムを十個二十個揃えられるのはあまりにも現実離れしているから当然だろうから無理はないだろうな。

だが、俺はそれも踏まえてその説を否定する


「いや、その線はないな。身内以外のチーミング行為には厳しいとはいえ、

俺たちが捕まえた瞬間にBAN(アカウント停止)はあまりにもタイミングが良すぎる。それにNPCが目を光らせているギルド街で売買ができたのも妙だ」


それよか運営が自動的に補填していると考える方が自然。

アイテムはデータであって実体はない、在庫がなくなることはなく、売れ残ってもダメージはないのだからな


「カゲヌイからもらったツールの残骸、特定できました。


納得させたところで破損データを特定させていたメンバーから連絡が入った。

運営を倒すためにも運営との結びつきのある決定的な証拠を見つけ出す必要があった俺にとってそれは朗報だった

聞けばあちこちで出回ってる不正ツールだったらしく、それも込みで特定にはあまり時間もかからなかったようだ


「このチートツールは他のMMOでも出回ってるやつですね。これ一つでどのMMOにも対応するから人気があるとかなんとかで」


一概にMMOと言ってもゲームによっては内容が違う。スポーツのカテゴリに野球やサッカーがあるようにルールや裁定は違ってくるのだ

よほどの腕利きのプログラマーか、暇人か。それとも


一瞬、俺の脳裏にエルディナが頭をよぎるが俺は否定した。

この能力を使いこなすのに何度も気を失い寝ていた彼女だ。そこまで莫大なデータを使うのは不可能なのだから


やめよう。今俺たちがやることは一つ。バイヤーの大元を探すことだからな


「それで俺たちが送ったキャラクターシートから何かわかったか?」

「それなんすけどね、SNS欄までは特定できましたがここから一人一人のアカウント調べて大元を洗い出すのはかなり骨ですよ?」


今回検挙したバイヤーと護衛だけでも五十人はいる。

頻度は個人差あるとは思うが日夜数千、数万つぶやかれているポヨロコから一人を特定するのは弱音を吐くのも無理はない


「そう難しく考えるな。書き込みや通話の履歴からどのサーバーで通話したのかどんな話題を話したのか照らし合わせながらその共通点を探していけばいい」


「共通した話題にいた他の人物がいた場合、そのアカウントも同じように共通のフォロワーを辿っていけば大元に辿り着くってわけですね」


一度は挫けそうになっていた味方に鼓舞をし俺は俺でウィンドウを出す


「大元を調べる前にこいつらの関連性を調べるぞこいつらが紐つけしているSNSとVRチャットの履歴検索、

まずはSNSからだな」


俺は宙に投影した四つのウィンドウを同時にスクロールして過去を掘り下げていく


すべてのつぶやきから個人情報を引っこ抜くのは確かに難しいが、添付してある画像や動画だけに絞って検索する

するとすぐに彼らがランドマークで遊んでいただろう写真が出てきた



「同じ日に同じ場所にいる!こいつらオフで会っているぞ!」


同じ話題で、別のアングルから撮れた建物。それは同じ場所に彼らがいたこと。共通のつながりがあるという動かぬ証拠であった


「しかもこの周辺の写真別の日にもありますよ」

「ここは埼玉か、こいつらの住所と見ていいな。ネットよりも安全だと思って現実で定例会議を行なってたんだろう」


一枚写真が出ただけでバレるんだから怖い話だな。と俺は苦笑いした


「ポヨロコの書き込みで直近一週間で他の相互フォロワーと会っていないか調べてくれ!」


続いて俺はVRチャットの特定を始める

参加時間はログとして残り、趣味趣向もプロフィールに載る。そこの特定は簡単だった


「通話は平日は午後五時あたりから始まることが多く月曜だけ四時半・・・おそらくこいつは学生だな。帰宅時間差し引けば月曜のみ五時限で六時限式のな」

「すげぇ、本物の探偵みたいだ」


ほぼ全員同じタイミングで通話に参加していることから全員同じ学校であることがわかり、アニメの趣味から中学生であることまではわかってきた


面倒かったのだろう連絡先のメンバーをフォローに入れていたこと、

年齢的な経験不足による危機管理能力の低さから同じアカウントで個人を特定されそうな書き込みをしてしまったこと

徹底的にサブアカウントを作れない仕様にしたのが裏目に出たな



そして仲間たちが見つけ出した情報を組み合わせて検索していった結果一人の人物に行き着いた。




「こいつはカイト」

「えっ!?カイトって八綺衆の!?」


忘れはしない。ゴブリン討伐イベントの際、味方であるはずの俺たちも巻き込んで全体範囲のスキルを発動し俺たちは死にかけた。


こんな形でまた再会することになるとは


「カズナリさん!証拠はあるんです、今からでもあいつのところにー」


いきり立つ同志たちに俺は「待て」と止めた


「落ち着け、みんなの怒りたい気持ちもわかる。だが証拠を突きつけて訴えたとしても運営も奴らの味方なんだぞ。」


「たしかに」



表向きでは公平な対応は取るだろうがすぐに対策が出るのがオチだ


皆が冷静さを取り戻したことを確かめこれからの方針を話す


「とにかく、事実を公に出すにも第三者の前に公表しなければならない。とにかく公表する場所をー」


そんな時俺の同期していた携帯が鳴った



「シラユリ社長?今すぐに?何があったんですか?」


犯人が分かり、この時はどうやってその事実を公表するかで俺たちはひとまず解散することとなる。


時刻は朝七時を回っていた



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