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Eresia Online ~とある少女の配信録~(体験版) ver.0.12  作者: 春ノ花子
第1章:ゲームスタート
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2-15 乾燥した荒野

 始まりの街の西門を出て『乾燥した荒野』に入ると、だんだんと緑が減り、景色が荒涼としてきました。


「こう、マップを移動するたびに思うんですけど……本当にゲームなのかってくらいにリアルですよね」


『せやね』

『こっちは画面越しだけど、それでもガチでリアルに見えるもん』


 視覚的なことも勿論そうですけど、頬を撫でる乾いた風の感触や、肌を焼く日光の熱まで再現してますからね。そりゃトップハント社は頭おかしい(褒め言葉)って言われるわけですよ。


「あ、何かいますね」


 砂と岩で構成されたフィールドを歩くことしばし。早速第一村び……モンスターを発見。

 緑色の小柄な身体に鉤鼻、尖った耳という見た目のRPG定番のモンスター、ゴブリンですね。

 オトナしか見れないファンタジーだとやたら強くなることに定評のある醜悪な人型モンスターですが……このゲームは全年齢対象なのできっと一般的な強さでしょう。

 2匹いるので、まずは近い方にインベントリから取り出した石ころを〈投擲〉します。


『アリーシア投手、1投目、投げたー!』

『デッドボール!』

『ゴブリン選手、その場に崩れ落ちたー!』


 当たりどころが良かったのか、どうやら『気絶』のバッドステータスが入ったみたいですね。

 突然相方が倒れたことで驚いていたもう1匹のゴブリンが、こちらに気付いたのか奇声を上げて走ってきます。

 ではもう1発。


『アリーシア投手、2投目、投げたー!』

『デッドボール!』

『容赦ねぇなwww』


 流石に2発目は普通に当たっただけなので、ゴブリンは倒れることなくこちらに向かってきます。


「そういえば人型のモンスターと戦うのは初めてですね」


 マーダーラビットは2足歩行でしたけど、あれは私的に動物枠なので。

 真っ直ぐに、あまりに素直な挙動で突っ込んできたゴブリンの突進を躱し、足を引っ掛けて転ばせます。

 慌てて起き上がろうとするゴブリンの頭を踏みつけて動きを封じ、背中から肋骨の隙間を狙って双剣をサクリ。

 するとクリティカル扱いになったのか、ビクンと大きく痙攣した後ゴブリンは動かなくなりなりました。


『手際が良すぎて草』

『躊躇無さすぎて草』

『人型相手だともっと戸惑ったりするかなと思ったけど全然そんなことなかったぜw』


「え? 逆に人型の方がやりやすくありません?」


 人間と身体の構造が同じなら弱点も分かりやすいですし。


『安定のアリーシアちゃんw』

『これぞ狂人の発想ww』

『むしろなんでそんなに人体の壊し方を熟知してんだよwww』


「それは勿論別ゲーの経験ですよ。世の中にはスニークミッションで如何に効率良く相手を無力化させるかが死活問題に直結するゲームがあって――」


 会話の途中で気絶していたゴブリンが復活。襲いかかってきたので再び〈投擲〉で石を投げつけ、弱ったところを追撃してサクッと処理。

 えーっと、ドロップアイテムはゴブリンの腰布……?

 試しにインベントリから出してみると……ボロ布ですね。しかも臭い。

 ……これ、使い道あるんですかね?

 もう1度インベントリにしまうのも嫌なのでこのまま捨てていくことにします。


「さてこの調子でどんどん進んでいきましょうか」


 そうやってちょいちょい出てくるゴブリンを倒しながら荒野を進んでいくと、ノーマルのゴブリン以外にも武器を装備したゴブリンファイターや弓を持ったゴブリンアーチャー、体格のいいホブゴブリンなんかが出てくるようになりました。


「《カウンターパリィ》! そいっ!」


 とはいえ特に問題無いというか、《カウンターパリィ》の練習台にちょうどいいですね。

 一応連携らしきものを取りつつ襲ってきますけど、そんな拙い連携じゃ私を捕らえることはできませんよ?


『相変わらずのアリーシアちゃん無双w』

『この荒野って推奨レベル高めって話じゃなかったっけ?』


「その辺りは装備のお陰ですね。武器が首切りの双剣じゃなかったらもうちょっと苦戦を……おっと?」


 そんなことを話していると、やや離れた前方で戦闘中のプレイヤーを発見。近づいて邪魔になるのもなんなので、一旦足を止めて戦ってる様子を観察します。


『戦ってるのは4人組のパーティーか』

『剣を持った前衛が2人、杖を持った後衛2人だね』


「で、相手のモンスターはゴブリンファイターが2体とホブゴブリン、アーチャーが1体ですか。割とよくある構成ですね」


 前衛の1人、盾を持った方がファイターの攻撃を受け止め、その隙に後衛が魔法で攻撃。もう1人の剣士らしきプレイヤーはホブゴブリンを相手に立ち回り、最後の1人は回復魔法や補助魔法を使って仲間をサポート。たまに攻撃魔法を放って援護に徹しています。


「やっぱりパーティーだと安定してますね」


 お互いにフォローし合い、隙を無くして有利に戦闘を進める。個々の力だけでは生み出せない、集団としての強みってやつですね。

 その後も4人は息の合ったプレイで戦闘を続け、特に苦戦することもなくゴブリンを殲滅。何かレアドロップでもあったのか、みんなで「いぇ〜い」とか言ってハイタッチしたりしてます。


『このアオハル感よ』

『アリーシアちゃんの配信からでは摂取できない栄養素ww』


 悪かったですね枯れてて。


「はいはい。いつまでも覗き見しててもしょうがありませんし、そろそろ先に進みますよ」


 ついでにちょっと遠回りして彼らの喜びに水を差しそうなゴブリンくらいは潰して行くとしましょうか。

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