お父さんはどこへ
朝食のパンにジャムをたっぷりぬりつつ
「今日お父さんはー?」
「お父さんは昨日ちょっと出てくるってスキー板持ってどこか行ったみたいよー?」
「またー?また叔父さんと滑りに行ったんでしょ!ずるいなぁー!」
似たもの親子である。
「そうそう、お父さんから手紙預かってるのよ。何かしらねー。」
「直接いえばいいのにー。今読んでみよー!」
そういって封筒に入った手紙を出してみた。
~~杏柚へ
ちょっとカナダ、ニュージーランド、スイスとフランス行ってくる!
叔父さんと多分3年くらい行ってくるからうちのスキー場の経営任せるわ!
お母さんには多分言ってたかな?知らなかったら杏柚のほうから言っておいて!
その間のお小遣いは黒字になったら月1万で赤字だったら500円な!
あ、従業員のまとめ役の「しげ」さんには全部伝えてあるから頑張ってね!
杏柚の超かっこいいお父さんより。
「ふざけるなぁぁーーーっ!」
「あらあら、また行っちゃったのねー。最近行ってなかったから仕方ないわねー」
「またって前も行ったことあるの??」
「そうよー。あなたが生まれてすぐ位の時かしらー。2年位行ってたのよー?」
それは記憶に無いはずである。
「私に経営なんてできないよ!どうするの!お小遣い500円になっちゃうー」
「そうねぇ。最近ほんの少しだけど赤字なのよねぇ」
「うぅー。500円じゃ滑った後のコンポタ飲めないよ・・・」
昔から寒い中滑った後飲むコンポタージュ缶は幸せの一杯なのである。
「なんとかしなきゃ・・・。お母さんが経営するのはどう!?」
「そうねぇー。私がしてもいいけどそしたらお小遣いは全部私のものでいいかしら?」
「それはだめーっ!仕方ないっ。なんとかするしかないっ!」
両手の拳を握りおっしゃー!と気合を入れた。
ふとお母さんが気づいた。
「そういえば杏柚学校は?」
「きゃぁぁあー。遅刻遅刻!」
どたばたと口の中にパンを詰め込み走って行く。
「杏柚!鞄忘れてる!」
「うぉっとっとっ!行ってきます!」
ドアを開けて太陽が眩しい外へ飛び出してく。
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「おはよー!また走ってきたのー?」
「あ、ちーちゃんおはよー!またじゃないよー!今日はちょっとした出来事があって大変だったんだから!」
千春とはよくこの道の通学途中で会うのだ。
「そうなのー?また寝坊じゃなかったんだ?」
「うんうん。今日はしっかり一番滑りしてから来たんだから!」
「ほんと天気がいい日だけは寝起きいいよねー。なんでそれが雪の日もできないのかなぁ」
「だって早起きする必要ないからさぁー。」
とほっぺたをふくらませた。
「はいはい、スキーもほどほどにしなよー?」
呆れたように千春はそう言った。
学校についたら風夏と胡桃が居た。
「杏柚さんおはようございます。」
「杏柚ちゃんおはようなのです。」
「ふーちゃんくーちゃんおはよー!あとで相談したいことあるんだけど、お願いっ!」
「何かしら?杏柚さんが相談なんてめずらしいですね。」
「れ、恋愛相談とかなのですか?私はまだ経験がないので役立たずなのです。」
「ちがうよー!ちょっとうちのお父さんがね。」
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「「「えーーっ」」」
「お父さん海外に行ってスキー場の経営を任されたの!?それって大変じゃない?」
「高校生に経営を任せて大丈夫だと思ったのかしら??」
「お小遣い500円じゃプリン週一回食べたらなくなっちゃうのです・・・。」




