第8話「ステップアップ」
イギリス・ミルトンキーンズ。
F1に参戦するチームたちが多く集まる地域。
ここにAndrew GPも拠点を構えている。
代表兼監督を務めるアンドリュー・マックスはアンドレッサのF1デビューについて考えていた。
「今年の前半のアンドレッサの走りは目覚ましい活躍をしている。今年中にもF1にデビューさせてやれるかも」
実際、アンドレッサ・サリーはF3でチャンピオン、F2でも現状ランキング2位でスーパーライセンスの発給に必要なポイントは稼いでいた。
「あとはF1での走行実績か…」
「だけど、シーズン中にテスト走行するチームなんて少ないしな…」
翌日、休み時間、ネットニュースを読み漁っていると、トヨタF1に関するニュースが出てくる。
「へぇ、トヨタが来月富士でTPCやるのか…あれ、これ使えるんじゃないか?」
TPCとは、Testing of Previous Carsの略で、F1では2年以上前のマシンで行うプライベートテストのこと。
今回はトヨタは特別に技術提携を行っていたVERTEの前身のチームのマシンが残っているということでEFTCとVERTEの2チームで2台をシェアすることになった。
アンドリューはスマホを手に取り、松下に電話をかける。
『もしもし?アンドリュー、久しぶりだね、どうしたの?』
「な、なぁ、たしか、トヨタF1のプロジェクトリーダーとお前、知り合いだったよな?」
『そうだけど』
「今度、TPCやるだろ?そこに行きたいんだ」
『誰かテストさせようとしてるのか?』
「あぁ、私の自慢の愛弟子だ。」
『わかった。守谷代表にも話をしてみる。』
「ありがとう。」
アンドリューは電話を切る。
そして、アンドレッサの連絡先を開く。
メールを開き、
〈アンドレッサ、調子はどうだ?来月富士スピードウェイで行われるF1のTPCに出られることになりそうだから、準備しておいてくれ〉と送信する。
アンドレッサからは驚きの顔文字の返事が戻ってきた。




