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KING  一度は諦めた舞台で。  作者: 銀乃矢


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第5話「母国」

鈴鹿サーキット。

日本GPフリー走行が実施されていた。

ファンたちはフラッグ、ボードなどでトヨタF1を応援していた。


そんなファンたちの目の前で用意されたプログラムをクリアするべく4台のマシンは走行していた。



田邊はロングスティントでのタイヤの機能、エイデンは逆に予選を想定したデータ収集、安達は内圧を変更したタイヤでどのような差があるのか比べていた。

キャロルは次戦から投入予定のフロントウイングの翼端板の機能を確かめていた。


そしてセッションが終わり、各チームでミーティングを実施していた。


「田邊さん、今日のロングスティント想定の走行はどうでした?」

「そうですね、前半は新しいだけあってグリップするんですけど、途中から熱ダレも起きて一気にグリップが劣化する感じですね。ですので、そこからさらに粘れるセッティングができるのであれば欲しい感じです」

「わかりました」


「エイデンさんは逆に予選を想定した走行プログラムでしたが、どうでした?」

「そうだね…やっぱり、もう少しタイヤに熱が入りやすくしてほしい。アウトラップの1周だけだと熱が入り切らなくて、次の周も温めながらの計測になってしまう。」

「…なるほど」

エンジニアはメモを書き留める。

「わかりました。では、ロングスティントで後半粘れるセッティングと、予選でタイヤに熱が入りやすいセッティングを明日のFP3で施せるようにします。では、今日のFP1、FP2お疲れ様でした。」

「「「お疲れ様でーす!」」」


「明日のFP3と予選頑張っていきましょう。」


全員がぞろぞろと退出していく。


そしてモーターホームを出てくるとちょうど隣のVERTEのメンバーたちも出てきた。

「おっ、安達くんおつかれー」

「あ、田邊先輩お疲れ様です!」

「ちょうどそっちもミーティング終わったところ?」

「あ、はい」


「じゃあさ、4人でご飯行こうよ」

「いいですね!」

「この辺に色々美味しいお店あるんだよ」

「いいっすね!行きましょう!」

安達は目を輝かせながらキャロルにもその旨を英語で伝える。

キャロルも大丈夫だそうだ。


4人はサーキット近くのレストランに向かった。


「何がいい?私この海鮮丼にしようかな」

「じゃあ僕はとんかつ定食!」


「…じゃあ、私もタナベと同じ海鮮丼というものにしようか。キャロルは?」

「そうだな…美味しそうなものが多くて正直決めきれないが…じゃあこの寿司セットというものにしてみようか。寿司は俺でも食べたことがある」

「じゃあ決まり!」


店員に決めたものを注文する。


そして4人で今日の練習走行のフィーリングなどを話し合っていた時、突然他の席がざわつく。

「?どうしたんだろう、なんか騒がしい」

そして賑やかな方を見る。

そこにいたのはメルセデスF1チームのエース、松下大輝と、フェラーリF1のドライバーの永野駿だった。


「え!?永野さんと松下さんじゃん!」


その声に2人が気づく。

「お!飛花じゃん!」

「田邊、おいっす〜!」


「お二人も今日はここで?」

「そう。永野と2人で色々調べてて美味しそうなご飯屋さんがここだったからね」

「じゃあ、先輩たちも一緒に食べましょうよ!」

「お、そうするか」


2人も加わり、6人で食事をすることに。


6人でF1に来てからの感想を話し合ったり、永野と松下の昔話で盛り上がった。


ご飯も食べきり、盛り上がってきた頃。


「あ、もうこんな時間か。明日も決勝あるし、今日はこの辺にしようか。」

「そうしようか」


6人でサインなどのファンサービスをこなし、店を後にする。


「じゃあ、明日も頑張ろー!」


6人はホテルに戻った。


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