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KING  一度は諦めた舞台で。  作者: 銀乃矢


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第3話「提携」

東富士研究所の隣に建てられたEast Fuji Technical Center。

いつもはイギリスの拠点にいる守谷も今日はここを訪れていた。


「それで、来年から参入する12個目のチームはどんな感じだ?」

「マシンの設計はほぼ完了しています。クラッシュテストも無事通りました。」

「クラッシュテストに合格できれば大丈夫だな。引き続き開発頼むぞ」

「わかりました」


そして、East Fuji Technical Centerの本部長がいる部屋に入る。

ドアをノックする。

「失礼します」


「おぉ、守谷くん、無事来れたかい。」

「えぇ、もう何回も来てるので。」


「それで、ドライバーが決まったんですって?」

「そうだ。この2人なんだが」

本部長が1枚の紙を出してくる。

そこには驚きの内容が書かれていた。


「田邊飛花とエイデン・タケダ・フィーレン!?」

「あぁ、彼らはElite Formula Seriesでいい成績を残していたからな。」


「そんな良いドライバーを2名も起用するんですか!?」


2人の過去の経歴を紹介すると、

田邊飛花

Storm F1からF1にデビュー、その後フェラーリに移籍。

しかし、フェラーリでタイトルを取ることが出来ず、フェラーリを離脱。

その後Elite Formula Seriesで成績を残し、再びF1の舞台に戻ってきた。


エイデン・タケダ・フィーレン

Elite Formula Series4連覇という前人未到の記録の保持者。

同時期にアルピーヌF1のリザーブドライバーも務めており、フォーミュラの経験が豊富。

今回ついにF1という舞台を掴んだ。



「マシンへの予算は渋るのに、ドライバーへの資金は惜しまないんすね。」

「あはは…」

本部長は気まずそうに笑っていた。



「じゃあ、来年からこれで行くぞ。」

「わかりました。マシンの開発頼みます」

「おう、発破をかけとくよ。」


本部長の部屋を後にする。


そして次に向かったのはVERTEX JAPAN本社。


受付に自分の名前を伝える。

「守谷様ですね、少々お待ちください。」


「確認が取れました。こちらを首からかけてください。」

「わかりました」


そのまま社長室に向かう。


ノックし、ドアを開ける。

「おっ、守谷さん、久しぶり」

「斉藤代表お久しぶりです」


「あれからどうですか?」

「そうだね。F1に行ったおかげでEFSでもエンジンサプライヤーとしてかなり注目されるようになったよ。日本でもスーパーフォーミュラでチャンピオン取りまくってるし。」

「結構上がり調子ですね」


「それで、あの件のことか?」

「はい。共同でPU開発する話です。」

「基本はそっちが設計して、うちで試作、製作でいいんだよな?」

「そうです。」

「うちには最高のテスト機材があるからな。ぜひどんどん活用してほしい」

「ありがとうございます。」



「とりあえず、基本設計はうちで昔作ってたStorm VERTEXのパワーユニットで問題はないか?」

「はい。その方向でこちらも決定しています。」

「じゃあ来年は4台ともそれでいくか?」

「はい。それで来年の後半頃に私達側で完全にすべてを設計したものを投入していく予定です。」


「じゃあ、これから頼むぞ。」

「はい!」

2人は握手した。


今回のこのコラボが実現した理由は前年のトヨタの苦戦が続いており、そこに自作のPUを投入していたが、それが壊れ続け、望んだ成績が残せなかったから。


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