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KING  一度は諦めた舞台で。  作者: 銀乃矢


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25/28

第24話「防衛戦」

F1カレンダー最終戦、アブダビグランプリ。

トヨタ勢の4台は予選でトップ4を独占した。

今回の好調のトヨタにメルセデスの松下でさえも手も足も出なかった。



F1でも珍しいトワイライトレースが始まる。


夕暮れに照らされるホームストレート上に24台が最後の決戦のために集結する。

そして一番後ろでスタートの準備が整った合図のグリーンフラッグが振られる。


最後の決戦の始まりを告げるシグナルが灯っていく。



ライツアウト。

今年最後の戦いの幕が上がる。


田邊が抜群のスタートを決め、1位を確保。

エイデンが2位、アンドレッサが3位、安達4位でトヨタ艦隊は周回を進めていく。


27周目

ピットインしていくチームが出てくる。

EFTC陣営はまず田邊をピットインさせる。

『田邊、BOX、BOX』


エイデンの前を走る田邊がいなくなる。

そしてエイデンには指示が飛ぶ。

『エイデン、田邊が追いつくまでの時間を稼いでくれ。』

「わかった。やれるだけのことをする。」

エイデンは集団の先頭で抜かれないようなペースを維持し、田邊が追いつけるまでの時間を稼ぐ。

その時、ピットレーンから田邊、安達が加速してくる。

その横をエイデンが引っ張る集団が抜けていく。


その時エイデンに指示が飛ぶ。

『エイデン、田邊が来た。譲ってくれ』

「OK、彼女に頼んだぞ、と伝えてくれ」


エイデンが田邊のライン上から消える。

そして田邊がその横を抜いていく。

その時、田邊がエイデンにサムズアップしているのが見えた。


「さ、ここからは防衛戦だ」

エイデンの意識は後ろのマシンたちに向く。


後ろにいるのはメルセデス、フェラーリ、マクラーレン。

F1きっての強豪軍団だ。


そう簡単には引き下がってくれないだろう。

しかし、エイデンはそのすべてを抑えきってみせる、という固い決意があった。


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