第22話「好調そのままに」
一行はそのままラスベガスに直行となった。
会長は本当にラスベガスに来た。
「会長、お疲れ様です。こちらでお休みいたしま…」
「いや、マシン見せてくれよ」
「わ、わかりました。では、ピットにご案内します」
会長と守谷はピットに来る。
「いい造形だね〜。この絞り込まれたサイドポッド、美しいねぇ…それに、このサスペンションアームの空気を切り裂くような作りもいいね〜。」
トヨタのマシンは会長に好評だった。
始まる予選。
「会長、このヘッドセットをつけておいてください。EFTCの2人とVERTEの2人の無線を聞くことができます」
「そういえば、これ、何位までにいればQ1通過だっけ?」
「16位以上であれば通過です」
「じゃあ、今のタイムなら全員通過できるってこと?」
「そうですね。」
結果、予選Q1は4台揃って通過することができた。
そして始まる予選Q2。
田邊が圧倒的トップタイムを記録。
エイデンも3位。
アンドレッサは9位。
ただ唯一安達が12位で予選Q2敗退となった。
最後の予選、Q3。
田邊が勢いそのままにポールポジション。
エイデンが2位、アンドレッサ9位、安達11位となった。
トヨタ陣営はまた勝てる可能性を持って決勝に挑む。
翌日、ラスベガスの夜闇に浮かぶサーキット。
ラスベガスの夜は少し寒さを感じる。
「えー、今日は気温が低く、ブレーキ、タイヤに熱が入りにくい可能性があります。ですので、スタートギリギリまでタイヤウォーマーでタイヤに熱を入れておいてください。また、ドライバーのみなさんはフォーメーションラップでブレーキに念入りに熱を入れてください。」
ドライバーたちに今日の伝達事項を伝える。
ドライバーたちはヘルメット片手にグリッドに向かう。
24台のパワーユニットに火が入る。
そして定刻通り、フォーメーションラップが始まっていく。
グリッドに24台が戻って来る。
ラスベガスの夜闇にエンジン音が響き渡る。
76号車が1位を守ったまま通過していく。
以前ストールし、大きく順位を下げる経験をしたアンドレッサもロケットスタートを決める。
気づけばレースも後半戦。
田邊が1位をリードし、それに続くようにエイデンが3位。
VERTEの安達も7位、アンドレッサが9位と4台揃ってポイント獲得もできるかもしれない。
そしてレース終了を知らせるチェッカーフラッグが振られる。
76号車が1番に通過する。
「やった!やった!私勝った?勝った?」
『あぁ、圧倒的だったぞ!よくやった!』
「今回は審議とか出てない?」
『大丈夫だ。』
「じゃあ、今日は私達の勝ちね!」
トヨタは改めて17年前掴むことが出来なかった、待ち望んでいた優勝を掴む事ができた。
EFTC
優勝 田邊
2位 エイデン
VERTE
6位 安達
8位 アンドレッサ
トヨタ勢は前半では考えられなかったような大躍進を遂げた。
しかし、中東決戦となるカタールでは一転、トヨタ勢は苦戦を強いられることになる。




