第17話「アンドレッサ、F1デビュー」
そしてチームはスペインGPが開催されるマドリード市街地サーキットに向かう。
開催地がカタロニア・サーキットから変更となり、注目される1戦だ。
VERTEの安達以外は初経験のサーキットだが、土曜日に行われた予選ではEFTCの田邊が4位、エイデンが6位、VERTEの安達が8位、アンドレッサが10位と、全車そろってトップ10入りを果たした。
アンドレッサにとってはデビュー戦となる今回。
彼は好成績を残すことが期待されていた。
24台がグリッドにつき、スタートのためにパワーユニットの回転数を上げ、安定させる。
そして準備が整い、本格的にスタートする。
24台が一斉にグリッドを飛び出していく。
この瞬間、アンドレッサは一気に失速する。
「しまった!?」
パワーユニットの回転数を合わせきれず、駆動が伝わらない状態になる。
そして少し時間が経つとパワーがタイヤに伝わっていく。
アンドレッサにとっては追い上げのレースが始まった。
日本
深夜。
East Fuji Technical Center。
ここではスペインで行われているレースでチームが最良のパフォーマンスを発揮できるように毎分送られてくるデータを分析している。
そしてここでVERTEX JAPANの代表である斉藤も見守っていた。
日本から技術支援をするEFTCのメンバーたちも眠い目をこすりながらレースを見守る。
「去年からPUの規定も変わったけどトヨタは戦えてる。ハイブリッドシステムのノウハウも豊富だからかな。」
「今年、残りのレースのどこかで確実にこのチームは勝てる。」
斉藤もそう確信していた。
そしてスペインGPが終わる。
結果、田邊が2位、エイデンが3位で表彰台獲得。
安達も7位、アンドレッサもスタートミスから巻き返し、10位に入賞を果たした。
なんとトヨタは4台で入賞を果たした。
日本のEFTCのメンバーたちも大歓喜。
「やったぁー!」
「俺達のパワーユニットがF1で戦えたぞー!」
斉藤も静かに喜ぶ。
「っし。」




