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KING  一度は諦めた舞台で。  作者: 銀乃矢


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16/28

第15話「解雇通知」

日曜日、決勝。

この週末、新設計のパワーユニットを投入した2台は好調を維持しており、入賞も目前まで来ていた。


しかし、昨日、今回の対応に不服そうなキャロルが自分勝手な走りをする。


キャロルの前を走るのは10位の安達。

彼は今ポイント獲得圏のギリギリを走っている。


そして安達とキャロルの差が徐々に詰まっていく。

「もらったぁ!」

キャロルは安達のインサイドに強引に飛び込む。

タイヤとタイヤが接触する。


「!?おい!あれはダメだろ!」

『落ち着け。落ち着け。まだレースは長い。ここからだ。』

エンジニアが安達を落ち着かせる。


そして新パワーユニットを搭載する安達とキャロルの差がストレートで一気に詰まる。

パワーの差は歴然だ。


そして1コーナーで並びかけようと安達がマシンをイン側に振る。

しかし、キャロルがそのラインを潰すようにブレーキを開始する。


『おい!キャロル!ブレーキ中にラインを変えるな!ペナルティを受けるぞ!』

キャロルを担当するエンジニアが声を荒げる。

「あれくらい平気さ!」

高を括るキャロル。


2台はサイドバイサイドのまま、レズモコーナーに来る。

その時だった。


キャロルが若干ラインを変更する。

それを避けきれなかった安達はキャロルの右フロントタイヤと接触。


そのまま安達はスピンしながらグラベルに消えていく。


「はっはー!ざまぁねぇぜ!俺様の前を走ろうだなんてなー!」


守谷はその光景を見て頭を抱える。

「あのやろぉ…」


そしてレースが終わる。

全車がレースを終え、クールダウンラップを走行する。


その頃、守谷はキャロルに対する処分を考えていた。

そしてドライバーたちが各々ガレージに戻ってくる。


守谷はキャロルを呼び出す。

「おい、キャロル、ちょっとモーターホームに来い」

「え、なんすか?」


そして2人でミーティングルームに入る。

「お前、今日何した?」

「え、ポイント取りましたよ!」

「そうじゃない!お前は今日、ポイントが取れる可能性があった安達をリタイアさせたんだ!」


その言葉を聞いて、キャロルもカッとなる。

「あんたが悪ぃんだろうが!俺に新PUを搭載せずにあいつに載せて!」


少しの沈黙を置いて守谷が喋りだす。

「実言うとな、今日のGP、お前より安達のほうがペースもよかった。」

「…!」

「お前はレースを壊した。」


「もういい。お前は感情任せで仲間をリタイアさせたんだ。そんなお前が一番ポイントをこぼす可能性が高い。」


「つまり、どういうことだよ」

「キャロル・ストベルグ。現時刻をもってチームを解雇する」


ここで告げられたのはキャロル・ストベルグの解雇。


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